2010年12月25日

Flora Purim『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』

人気曲「Angels」収録!☆Flora Purim『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』
ナッシング・ウィル・ビー・アズ・イット・ワズ...トゥモロウ+2
発表年:1977年
ez的ジャンル:ブラジル/フュージョン系女性シンガー
気分は... :天使は何処に・・・

ブラジル/フュージョン・ファンに人気の女性シンガーFlora Purimの2回目の登場です。

『Butterfly Dreams』(1973年)に続いて紹介するのは『Nothing Will Be As It Was...Tomorrow』(1977年)です。サバビーア・ファンにはお馴染みの1枚ですね。

レコーディングには、Airto Moreira(per)をはじめ、Hugo Fattoruso(key)、Jorge Fattoruso(ds)、Ringo Thielmann(b)というウルグアイのフュージョン・グループOPAの3人、Al McKay(g)、Toninho Horta(g)、Jay Graydon(g)、Reggie Lucas(g)、George DukeDawilli Gongaの変名で参加)(key)、Patrice Rushen (key)、Larry Nash(key)、Byron Miller(b)、Ndugu(Leon Chancler)(ds)Raul De Souza(tb)、Dorothy Ashby(harp) 、Ernie Watts(reeds) 、Fred Jackson(reeds)といったメンバーが参加しています。プロデュースはLeon Chanclerが務めています。

フュージョン、ソウル、ブラジル音楽の有名ミュージシャンが参加していますが、個人的にはウルグアイのフュージョン・グループOPAの参加が興味深いですね。実際、彼らの楽曲「Corre Nina」のカヴァーが本作のハイライトだったりします。もう1曲のハイライト「Angels」ではEW&FAl McKayが大活躍しています。

それ以外ではMilton Nascimento作品を3曲カヴァーしているのが目立ちます。オリジナルと雰囲気が異なるカヴァー3曲なので、聴き比べるのも楽しいと思います。個人的には名曲「Travessia」の英詞カヴァー「Bridges」がお気に入りです。

幻想的なジャケにも惹かれますね!

全曲を紹介しときやす。

「You Love Me Only」
Patrice Rushen 作品。アルバム・ジャケの雰囲気そのままの幻想的なムードに包まれたフュージョン・チューンです。

「Nothing Will Be As It Was/Nada Sera Como Antes」
Milton Nascimento/Renne Vince/Ronaldo Bastos作品。Miltonのオリジナルは『Milton』(1976年)に収録されています。オリジナルのリズムをより強調したフュージョン・チューンに仕上がっています。Miles DavisのグループやMtumeでお馴染みのReggie Lucasがギター、George DukeがDawilli Gongaとしてキーボードで参加しています。この曲に関しては、オリジナルと比較すると今イチな出来栄えの印象です。

「I'm Coming For Your Love」
Byron Miller/David Miles/Victor Hall作品。この時代らしいブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。ただし、主役のFloraの存在感が薄いのが少し残念ですね。一方、Jay Graydonがギターとヴォイス・バッグで目立っています。

「Angels」
本作のハイライトその1。Al McKay/Phillip BaileyというEW&F勢による作品。Al McKay本人がギターで参加し、心地良いギター・カッティングおよびソロを聴かせてくれます。まさに天使が舞い降りてきたかのようなFloraのスキャットに夢心地気分です!サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=u3fgOBeiwck

「Corre Nina」
本作のハイライトその2。ウルグアイが誇るフュージョン・グループOPAが参加した高速サンバ・チューン。OPAのHugo Fattoruso/George Fattoruso兄弟による作品です。OPAによるオリジナルは『Goldenwings』(1976年)に収録されています。Hugo Fattoruso(key)、George Fattoruso(ds)、Ringo Thielmann(b)というOPAの3人に、Toninho HortaやAirtoも加わり、ハイテンションの演奏を聴かせてくれます。

Opa「Corre Nina」
 http://www.youtube.com/watch?v=5cgl8ajE1Lg

「Bridges」
Milton Nascimentoのカヴァー2曲目。Miltonの名曲「Travessia」の英詞カヴァーです。Miltonのオリジナルは1stアルバム『Milton Nascimento』(再発時のタイトル『Travessia』)に収録されています。この曲と言えば、オリジナルや当ブログでも紹介したElis ReginaBjorkのカヴァーが印象的ですが、このFloraヴァージョンも英詞およびエレガントなアレンジで一味違う「Travessia」を堪能できます。Dorothy Ashbyの美しいハープがグッド!

「Fairy Tale Song」
Milton Nascimento/Ruy Guerra/Matthew Moore作。Milton作品の3曲目。Miltonのオリジナルは「Nothing Will Be As It Was Nada Sera Como Antes」と同じく『Milton』(1976年)に収録されています。爽快なリズム感が印象的であったオリジナルが、Byron MillerとLeon Chanclerによるファンキー・リズム隊が目立つフュージョン・チューンへ変貌しています。Reggie Lucasのギター・ソロも堪能できます。

「Angels (Reprise) 」
ラストは「Angels」のリプライズでアルバムは幕を閉じます。

『Butterfly Dreams』(1973年)
Butterfly Dreams

旦那のAirto Moreiraの過去記事もご参照下さい。

Airto Moreira『Identity』(1975年)
アイデンティティー

Airto Moreira『I'm Fine, How Are You?』(1977年)
アイム・ファイン、ハウ・アー・ユー?(紙ジャケット仕様)

Airto Moreira『Samba de Flora』(1988年)
Samba de Flora
posted by ez at 13:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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