
発表年:1978年
ez的ジャンル:ディスコ/フュージョン系ロック
気分は... :邪道だけど...
Chicago『Hot Streets』(1978年)はLP時代からの愛聴盤で、CD時代になっても買い直して未だに良く聴く作品だ。
でも、僕はChicagoファンではないので、グループ自体や他の作品にはさほど興味がない。唯一、『Hot Streets』の次の作品『Chicago 13』(1979年)だけは手元に置いておきたい作品かな。
Chicagoの作品で『Hot Streets』、『Chicago 13』の2枚がお気に入りなどと書くと、Chicagoファンの方からは怒られそうですね。お許し下さいm(_ _)m
Chicagoの歴史を駆け足で振り返れば、以下のようになる。
1969年にデビュー作『Chicago Transit Authority』を発表。瞬く間にAl KooperのBlood, Sweat & Tears(BS&T)と並ぶブラス・ロックの旗手として注目を集めた。その後、「25 Or 6 To 4」、「If You Leave Me Now」、「Saturday In The Park」等のヒット共に人気グループとしての地位を確立。そうした中、1978年にギタリストのTerry Kathの不慮の事故死を境にバンドは低迷。しかし、Bill Champlin加入後の『Chicago 16』で全米No1シングル「Hard To Say I'm Sorry」と共に見事復活。その後もAOR路線で「Hard Habit To Break」、「Look Away」等のヒットを放った。
こうした長い歴史の中で、『Hot Streets』、『Chicago 13』の2枚は、Terry Kath死後の低迷期の作品ということになる。一般的にはChicagoのファンは、デビューからTerry Kath存命までの作品が好きなファンと、Bill Champlin加入後のバラード中心AOR路線が好きなファンに2分されると思いマス。そして、どちらのファンからも無視されがちなのが、『Hot Streets』、『Chicago 13』、『Chicago 14』という低迷期の3作品だ。
その低迷期の『Hot Streets』、『Chicago 13』が大好きなんて言っている僕が変わり者なのか?
でも、僕がこれらのアルバムを好きになるには、それなりの理由がある。これらの作品はPhil Ramoneのプロデュース(Chicagoとの共同プロデュース)なのだ。彼の得意とするフュージョン/AOR系のサウンドが、Chicagoのポップ・テイストとうまく結び付いているのがこれらの作品だと思いマス。
この頃のPhil RamoneはBilly Joelの『The Stranger』(1977年)、『52nd Street』(1978年)の大ヒットでノッていた時期で、そんな充実ぶりも作品のクオリティに反映されていると思うのは僕だけ?
僕はAOR好きだけど、David Fosterの貢献が大きい『Chicago 16』、『Chicago 17』、『Chicago 18』あたりは、甘さがくどくて、胃もたれするカンジでダメなんだよね。だったら、『Hot Streets』、『Chicago 13』の方がAOR作品としてもオシャレだし、メロウネスもバッチリなので断然好きだなぁ。
『Hot Streets』は、アルバムタイトル(この作品以外は『Chicago 数字』パターン)やジャケット(この作品以外はChicagoロゴ使ったデザイン)でも従来のパターンを打破している。それだけ、新たな出発を求めていたのがこの作品だったのであろう。従来のファンからは、その変化はあまり歓迎されなかったようだけどね。
でも、でも低迷していたのはチャートアクションのみで、内容は大充実!
メロウ&グルーヴィーな音楽が好きな人には自信を持ってオススメできる作品ですよ!
オススメ曲を紹介しときやす。
「Alive Again」
アルバムからの1stシングルとなったディスコ・テイストのロック・ナンバー。Terry Kathを失っても、バンドは前身し続ける意思表明の曲だと思いマス。当時は、そんな状況は知らず、カッチョ良いファンキーなロックやんけ!と単純に感動していまシタ。
「Greatest Love on Earth」
「No Tell Lover」
Peter Ceteraお得意の感動バラード2曲。あまり甘くなりすぎないように、仕上げているのが僕好み。これもPhil Ramoneの手腕か?「No Tell Lover」はシングルカットもされまシタ。ほどよくパーカッシブなあたりがいいですな。
「Hot Streets」
実に都会的なクロスオーバー・サウンドのタイトル曲。Walter Parazaiderのフルートが何ともオシャレ。この曲を聴いていると、やはり都会的なクロスオーバー色を強めていったDoobie Brothersの変化と共通するものを感じるなぁ。
「Take a Chance」
フュージョン・サウンド全開のミディアム・グルーヴ。このあたりの曲をどう評価するが好みが分かれるところかもね。勿論、僕はこのメロウ・グルーヴがたまらなく大好きっす!
「Gone Long Gone」
シングルカットもされたPeter Ceteraのボーカル&コーラスを堪能できるアコースティック・ナンバー。
「Love Was New」
僕のお気に入りのメロウ&グルーヴ。ホーンとパーカッションの絡みがとってもイイカンジっす。クリスマス・ソングだけど、そんなこと無視して夏に浜辺で聴きたい気分の曲。Robert Lammのボーカルには大人の落ち着きがありマス。
「Show Me the Way」
70年代ロック・ファンならば、このタイトルを見るとPeter Framptonの大ヒット曲を思い出すでしょうが、同名異曲デス。オシャレだけど、独特の雰囲気を持った不思議な曲。
『Chicago 13』も『Hot Streets』路線のいいアルバムっす。Airto Moreira、Maynard Fergusonがゲスト参加と書けば、多少興味を持ってくれる人もいるかな?
ホットと13は持っていません。どちらかというと1stから80年ぐらいまでが好きですね。でもちょっと聴いてみたくなりました。初期〜中期は前記のイントロダクションやクエスチョンズ67/68、僕らに微笑みを組曲、2ndの一曲目、ダイアログなど好きな曲が結構あります。ポールマッカートニー級メロディもいくつもありますよ。デビッドフォスターというとジェイグレイドンと組んだエアプレイが好きで印象的ですね。アフターザラブイズゴーンはEW&F版とはまた違った魅力を放っているし、クラインオールナイトなど秀逸な曲満載。
“ブラスロック”って響きは懐かしいカンジがしますよね。
1stしか聴いていませんが、Chaseはいいですよね。「Get It On」をはじめ、ノリのいいカッコイイ曲が揃っているし、何よりパーカッシブな感じが僕好みですね。最後の組曲が僕には余計なのですが(笑)グループを襲った悲運の飛行機事故が残念な限りですね。
BS&TはAl Kooperにお付き合いで持っていますが、最近はCD棚の奥の方でホコリかぶっていると思います(> <)
AirplayはAOR基本アイテムですよね。と言いつつ、昔ある人からこのLPをやたら聴かされた影響で、このアルバムに対して受動的なスタンスになっています(笑)なので、CDも持っていません(; ;)
一言ずつコメントいたします。
シカゴは、ビッグバンドとやったアルバムがありますよね。アレが一番スキです。これこそ邪道かもしれません(笑)。
ありがとうございます。
>シカゴは、ビッグバンドとやったアルバムがありますよね。
>これこそ邪道かもしれません(笑)。
多分、『Night & Day(Big Band)』ですよね。確かに掟破りかも(笑)
でも、Chicagoの歴史にこだわたず、スタンダード集として聴けば楽しめますよね。
買ったのは初期のベスト版とXでした。
簡単に言ってしまえば初期の方がかっこいいと思うのですが
シカゴの場合は音の移り変わりの歴史が面白いですよね。
そういう意味でHot Streetsも大いに意義のある一枚だと思います。
ありがとうございます。
『Chicago 11』というのもなかなかシブいセレクトなのでは?
Chicagoは皆さん結構好みが分かれて、大変興味深いですね。
これも長い歴史があるからこそですね。