2011年01月07日

Bo Kaspers Orkester『I Centrum』

冬にピッタリ!小粋なスウェディッシュ・ジャジーポップ☆Bo Kaspers Orkester『I Centrum』
I Centrum
発表年:1998年
ez的ジャンル:スウェディッシュ・ジャジーポップ
気分は... :結末は描かない方が良い・・・

昨日、たまたまTVで映画『トニー滝谷』を観ました。
『トニー滝谷』は村上春樹の短編小説を映画化した2005年の作品です。

主要な登場人物はイッセー尾形と宮沢りえ(一人二役)の二人のみというシンプルな設定で、ストーリーも村上作品らしく劇的な結末がない淡々としたものですが、それが逆に心に刺さる何かを伝えてくれます。独特の雰囲気を持つ映像も魅力的で、西島秀俊のナレーションと坂本龍一の音楽も実に効果的に配されていました。

村上作品の魅力を見事に映像で表現した作品という印象を受けました。

さて、今回は冬にピッタリ!小粋なスウェディッシュ・ジャジーポップBo Kaspers Orkester『I Centrum』(1998年)の紹介です。

Bo Kaspers Orkester(略称BKO)はスウェーデンのストックホルムで1991年に結成されたジャジーポップ・グループ。

結成時のメンバーは、Bo Kasper(vo、g)、Fredrik Dahl(ds)、Michael Malmgren(b)、Mats Asplen(key、g)、Lars Halapi(g)の5名。このうち、Lars Halapiは1996年にグループを脱退しています。

グループはこれまで『Sondag I Sangen』(1993年)、『Pa Hotell』(1994年)、『Amerika』(1996年)、『I Centrum』(1998年)、『Kaos』(2001年)、『Vilka Tror Vi Att Vi Ar』(2003年)、『Hund』(2006年)、『8』(2008年)、『New Orleans』(2010年)といったアルバムをリリースしています。

基本的にはジャズの影響が強いポップ・グループだと思います。アシッド・ジャズのグループという紹介もありますが、彼らにはジャジーポップという表現の方がマッチしていると思います。スウェーデンを含む北欧は昔からジャズが盛んな土地柄であり、現在も最新クラブジャズの発信源となっていますが、BKOもそんなジャズ文化をベースに持つ北欧らしいポップ・グループです。ただし、こういったタイプのジャジーポップって、ありそうで無いのでは?

日本では知名度が低いBKOですが、最も有名な作品は本国スウェーデンで大ヒットし、日本でも国内盤が発売された3rd『Amerika』(1996年)だと思います。

今日紹介する『I Centrum』(1998年)は、大ヒットした『Amerika』に続く4thアルバムです。本国スウェーデンではアルバム・チャート初登場第2位という話題作でしたが、日本では残念ながらさほど話題になりませんでした。

僕が本作『I Centrum』がお気に入りなのは、小粋なジャジーポップのみならず、Curtis Mayfield風のグルーヴィー・ソウル、ラテン、アーバン・メロウ、Van Morrison風の激シブ・ロックといったように多彩な内容のアルバムになっている点です。

輸入盤と国内盤ではジャケが異なりますのでご注意を!

『I Centrum』(国内盤)
セントラル

約2週間前に紹介したLabradorなんかもそうですが、北欧のポップ・グループって何故こんなにハイセンスなんですかね?

全曲紹介しときやす。

「Allt Ljus Pa Mig」
オススメその1。オープニングは、Curtis Mayfieldあたりの70年代ソウルを彷彿させるグルーヴィー・チューン。70年代グルーヴィー・ソウルとスウェディッシュ・ポップの融合といった感じの格好良い仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=aSIjWWmgJTQ

「En Javel Vid Mitt Ora」
オススメその2。BKOらしい小粋なジャズ・チューン。彼らのセンスの良さがよく出た1曲だと思います。

「Undantag」
オススメその3。アルバムからの1stシングル。グループの新機軸を打ち出した哀愁モードのラテン・チューンに仕上がっています。スウェーデン語の語感が意外とラテンのリズムとマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=N6uY53Q3mMA

「Cigarett」
ピアノを中心としたジャジー・チューン。素朴でノスタルジックなムードがグッド!

「Vissa Har Det」
オススメその4。ジャジーHip-Hopのトラックにそのまま使えそうなアーバン・メロウな仕上がり。アーバン・メロウ好きの人は絶対に気に入るはず!

「Semester」
オススメその5。枯れた味わいが魅力のポップ・チューン。Van Morrisonを思い切りスタイリッシュにしたような渋いセンスにグッときます!実際、彼らはVan Morrison好きのようです。
http://www.youtube.com/watch?v=Ms9LjsOnIns

「Fyrarattersmal」
「Undantag」に続く哀愁ラテン・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=fLoneSMeJdY

「Innan Jag Sa Hej」
オススメその6。ビター・スウィートなジャジー・ポップ。フェイク・ジャズな雰囲気が逆に魅力的です。この曲にも軽くラテン・フレイヴァーが効いています。

「Brollopsresan」
映画音楽のようなエレガントなストリングスが印象的です。

「Finnas Battre Till」
オススメその7。ありきたりですが、"センス抜群"としか言いようがないクールなジャジー・チューン。Chet Bakerが現代に蘇ってジャジー・ポップするとこんな感じでは?

「Onska Dig En Stilla Natt」
ラストはクリスマス・ソング。神聖な気持ちになる清らかな仕上がっています。

国内盤には、「Undantag (Weekend Remix)」「Ser Du Stjarnan I Det Bla (Instrumental Version)」の2曲がボーナス・トラックとして収録されています。

興味がある方は、他のBo Kaspers Orkester作品もチェックしてみて下さい。本作以外であれば、ヒットした『Amerika』(1996年)あたりから聴くのが良いのでは?

ちなみに、カジヒデキの1stソロ・アルバム『ミニ・スカート』のアルバム・タイトルは、ミニスカートが写る『Amerika』のジャケ写真から影響を受けたようです。

『Sondag I Sangen』(1993年)
Sondag I Sangen

『Pa Hotell』(1994年)
Pa Hotell

『Amerika』(1996年)
Amerika

『Kaos』(2001年)
Kaos

『Vilka Tror Vi Att Vi Ar』(2003年)
Vilka Tror VI Att VI

『Hund』(2006年)
Hund

『8』(2008年)
8
posted by ez at 04:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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