2006年05月21日

Sade『Stronger Than Pride』

ソフィスティケートされた極上UKソウル☆Sade『Stronger Than Pride』
Stronger Than Pride
発表年:1988年
ez的ジャンル:クール&ジャジー&エキゾティックUKソウル
気分は... :♪クールダウン♪

昨日は汗ばむ暑さでしたね。
思わず、ひんやり、さっぱりと久々にそうめんを食しまシタ。

音楽もひんやりクールダウンできる音楽ということでSadeをセレクト。
Sadeは、ナイジェリア生まれのSade Aduを中心とした4人組グループ。デビュー当時、グループではなくSadeという女性シンガーだとずっと勘違いしていた。

振り返ると、1984年のデビュー作『Diamond Life』から数えて発表したオリジナル・アルバムは、『Promise』(1985年)、『Stronger Than Pride』(1988年)、『Love Deluxe』(1992年)、『Lovers Rock』(2000年)のわずか5枚のみ。でも、この5枚はいつでも手元に置いておきたい、極上のUKソウルだ。

Sadeの魅力は、何といっても、Sade Aduのクールでエキゾティックなハスキー・ボイスと、そのボーカルの魅力を最大限に引き出すために、極端に音数の少ないバックが生み出す独自の音空間だ。このグループが生み出すクールネスは、他のグループにはない唯一無二のものだと思いマス。

基本的には、Sadeの作品は全てオススメですが、個人的にSadeがその独自のサウンドを確立したと思っている3rdアルバム『Stronger Than Pride』(1988年)をプッシュしておきマス。。

今でこそ、UKソウルという括りで紹介されるSadeだけど、デビュー作『Diamond Life』の頃はUKソウルという感覚では聴いていなかった。そもそも、その当時UKソウルなんてジャンル名はあまり使われていなかったしね。僕的には、Style CouncilEverything But the Girlあたりと同じ括りのオシャレなUKポップってカンジで聴いていたかな。その名残りで、我が家のCD棚で、Sadeの作品群はR&B/Soulコーナーではなく、UKロックのコーナーに置いてありマス。

『Diamond Life』、『Promise』もオシャレで洗練されたお気に入りの作品だったが、本作『Stronger Than Pride』でSadeにしか生み出せない音世界を確立したんじゃないかと個人的には思いマス。「Love Is Stronger Than Pride」、「Paradise」、「Nothing Can Come Between Us」という3曲のシングル・ヒットを生みまシタ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Love Is Stronger Than Pride」
この静寂のオープニング・ナンバーを初めて聴いた時、その音数の少なさと、それに反比例するように心に響くボーカルに衝撃を受けた。打ち込みサウンドに、派手なサウンドが主流の時代において、このシンプルな蜃気楼のようなサウンドは際立っていたよね。

「Paradise」
大ヒットしたグループを代表するナンバー。このアルバムは、バハマ、南フランス、パリでレコーディングされたが、まさにカリブの開放感と南フランスのオーガニック感とパリのスタイリッシュさが反映されたような、クールなミディアム・グルーヴ。

「Nothing Can Come Between Us」
清涼感と爽快さに溢れたジンシャーエールのような(?)シングル・ヒット。Sadeほど歌いすぎない、抑えたボーカルがハマる人もいないよね!

「Haunt Me」
アコギのメランコリックな響きが印象的なバラード。愁いのあるハスキーボイスが曲のムードにピッタリですね。

「Keep Looking」
「Give It
パーカッションを前面に出したグルーヴ感が僕好みの2曲。抑えたサウンドのなかでパーカッションのパカポコが実に気持ちイイ。

「Clean Heart」
密かにお気に入りの1曲。なんかとっても落ち着く曲。スタイリッシュな曲なんだけど、僕的には南フランスののんびりした田舎町の情景が浮かんできます。

「I Never Thought I'd See the Day」
独自の音世界を堪能できる曲。とにかく、音の鳴らない空間や音の残響を巧みに使うサウンドに脱帽っす。

本作で独自の世界を築き上げたSadeは、次作『Love Deluxe』(1992年)でその絶頂に達したのではないかと思いマス。
これから暑くなるほど、このサウンドは手放せなくなりますね。
posted by ez at 00:19| Comment(3) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
バブル期に散々聞いたSADE・・・
実は今でも時々聞いています。飽きない音ですよねー。
Posted by けん at 2006年05月21日 12:03
彼女のアルバムの中でもかなり好きな1枚。
私の気分としては、まだ明け切らぬ薄暗い朝の海で聴きたいアルバムです。
1st〜3rdまでが好きかな(笑)。
Posted by Musicman at 2006年05月21日 13:42
☆けんさん

ありがとうございます。
Sadeは、各アルバムが制作された年代を意識することなく聴けますよね。
打ち込み全盛時代に、あえて生音主体のサウンドで勝負したことが、結果的には飽きずに長く聴けるアルバムとして仕上がっているのかもしれませんね。

☆Musicmanさん

ありがとうございます。

>まだ明け切らぬ薄暗い朝の海で聴きたいアルバムです。

確かにに、そんなシチュエーションがピッタリかもしれませんね。
特に「Love Is Stronger Than Pride」なんかそうですね。

余計な贅肉を削ぎ落とした体脂肪率5%みたいなSadeサウンドがたまらく好きですね。
日本でSade人気が高いのは、この質素なサウンドが日本人のわび・さびの美意識と合致しているからかもしれませんね。
Posted by ez at 2006年05月21日 23:58
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