発表年:1965年
ez的ジャンル:フォーク・ロック確立の1枚
気分は... :名声なんて捨てちまえ!
Bob Dylanと言えば、Elvis Presley、Beatlesと並び、ロックシーンに大きな影響を与えた人ですよね。
洋楽聴き始めの頃はどうもBob Dylanが苦手だった。
当時の僕にとっては、キャッチーなメロディ、美しいハーモニー、躍動するビートというのが“大好きな洋楽の3要素”だった。そんな僕が最初に聴いたDylanが、友人から借りた初期ベスト盤『Greatest Hits 1』だった。コレが悪かったよね。
初期フォーク時代中心の選曲は、前述の3要素とはほど遠いものが多く、“何でこんな音楽に熱中するんだろう”と首をかしげてしまった記憶がある。
特に、Byrdsバージョンを先に聴いて、とても気に入っていた名曲「Mr. Tambourine Man」のアコースティック・ギター一本で演奏される実に素っ気ないオリジナルには、かなりショックを受けたなぁ。
そんな中で救われたのが「Like a Rolling Stone」だった。この曲だけは、とってもロックしている気がした。イントロのAl Kooperのオルガンの音色を聴いて、ホッとしたよね。
ちなみに2004年にRolling Stone誌が選んだ「偉大なベスト500曲」で第1位に輝いたのがこの「Like a Rolling Stone」だった。
参考までに第2位はRolling Stones「(I Can't Get No) Satisfaction」、第3位はJohn Lennon「Imagine」、第4位はMarvin Gaye「What's Going On」、第5位はAretha Franklin「Respect」でシタ。
話を戻すと、「Like a Rolling Stone」を突破口にBob Dylanの魅力を知ろうと思い、購入したのが「Like a Rolling Stone」収録の『Highway 61 Revisited』(1965年)っす。この作品を聴いてDylanが偉大なロック・ミュージシャンだと認識できまシタ。
前作『Bringing It All Back Home』(1965年)でエレクトリック・ギターを初めて導入し、フォーク・ロックの幕開けを示したDylanが、さらにMike Bloomfield(g)、Al Kooper(key)といったメンバーをバックにロック色を強め、フォーク・ロックのスタイルを確立したアルバムが『Highway 61 Revisited』(1965年)だった。
ファンの方はご存知の通り、第5回ニューポート・フォーク・フェスティバルでPaul Betterfield's Bluse Bandを従え、「Like a Rolling Stone」を演奏したDylanは、コアなフォーク・ファンから大ブーイングを浴び、わずか3曲でステージを降りてしまった。
政治的なプロテスト・ソングを歌うフォークの神様を期待していたインテリなフォーク・ファンから見ると、低俗なガキ向け音楽であるロックを演奏する神様Dylanの姿勢は裏切り行為以外の何物でもなかったのであろう。
僕的には、それまでの名声をあっさり捨てて、自分の信じる道へと突き進んだDylanの姿こそロックな感じでカッチョ良いと思ったけどね。
Dylanが苦手だった僕も、今では15枚前後のDylan作品がCD棚に並んでいる。良く聴くのは70年代の作品なんだけど、何か1枚セレクトと言われれば、やっぱり一番思い出深い『Highway 61 Revisited』だね!
オススメ曲を紹介しときやす。
「Like a Rolling Stone」
偉大なベスト500第1位が納得できる名曲。勿論全米チャートも第1位。
この曲のカッチョ良さの要因の1つであるハモンド・オルガンのプレイが、Al Kooperにとっての人生初オルガン演奏だったというエピソードも有名ですよね。この曲がなければ、オルガン・プレイヤーAl Kooperは誕生しなかったのかもね!
♪どんな気がする♪ひとりぼっちで♪帰り道のないことは♪全然知られぬ♪転がる石のようなことは♪と歌うこのメッセージは、今の不透明な時代に自分の人生を見つめ直すのにいい歌かもしれない。
よく考えると、この曲って6分以上もある。1965年当時、2〜3分のシングル曲が常識の時代に、こんな長尺の曲がチャートNo1になるって珍しいことだったんじゃないかな?
「Tombstone Blues」
スピード感溢れたロック・ビートのフォーク・ロック。初めて聴いた時、オープニングの「Like a Rolling Stone」に続く、この曲もしっかりロックしていて安堵したなぁ。
「It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry」
ブルース・フィーリングが魅力のナンバー。後にLeon Russellもカヴァーしていマス(アルバム『Leon Russell And the Shelter People』収録)。
「Ballad of a Thin Man」
Dylanがピアノ演奏を披露してくれる哀愁のバラード。ブルージーなカンジが今聴くと余計にカッチョ良いね!
「Queen Jane Approximately」
「Like a Rolling Stone」と同タイプのナンバー。LP時代だとこの曲がB面のオープニングであり、何か「Like a Rolling Stone」アゲイン!って気がして嬉しかったなぁ。
「Highway 61 Revisited」
パトカーのサイレンを模した印象的なサウンドで始まるナンバー。前のめりのカンジがいいよね。
「Just Like Tom Thumb's Blues」
とってもフォーク・ロックらしいナンバー。今回、このアルバムを久々に聴いて、こんなイイ曲だったけ?と再発見してしまいまシタ☆
「Desolation Row」
ラストは11分を超える大作。この曲だけはアコースティック・ギターのDylanに戻ってくれていマス。現代の狂った社会にメスを入れた強烈なナンバーだが、そのアコギの音色がやけにメロウに聴こえるのが不思議だね。
本作の1作前の作品『Bringing It All Back Home』収録の「Subterranean Homesick Blues」のPVをご覧になったことがありますか?
紙に書かれた歌詞をDylanが次々とめくっていくという単純なPVなんだけど、いつもこのPVを観ると“Dylanってラッパーじゃん!”って思える。DylanとHip-Hopのマッシュアップなんて案外アリのような気もする(どっかでもうあるのかもね?)。
70年代のDylan作品も好きなので、改めて紹介しマス。
のシングル盤買いました。
長尺の曲が当時話題になりました。
ラジオでも3分ほどしかながれませんでした。
ありがとうございます。
さすがRolling Stone誌が選んだ「偉大なベスト500曲」第1位ですね。