発表年:1989年
ez的ジャンル:魔法のメロディ系UKロック/ポップ
気分は... :メンタルを立て直す!
大震災の影響という訳ではありませんが、3月末までに完了すべき仕事が山積しています。震災前のスケジュールでは、先週からフル稼働で処理する予定だったのですが、物理的・心理的な理由から全く進捗しませんでした。
被災地の方のご苦労を思えば些細な問題ですが、震災を言い訳にズルズル行ってしまうのはマズいですね。メンタルを立て直して、今日から仕事も平常モードに戻れるように気合い入れたいと思います。
今回はPrefab Sproutが1989年にリリースした『Protest Songs』です。
これまで当ブログで紹介してきたPrefab Sprout作品は以下の5枚(発売順)。
『Steve McQueen』(1985年)
『From Langley Park to Memphis』(1988年)
『Jordan:The Comeback』(1990年)
『Andromeda Heights』(1997年)
『Let's Change the World with Music』(2009年)
ファンはご存知のとおり、『Protest Songs』は2ndアルバム『Steve McQueen』(1985年)のリリース直後に2週間という短期間でレコーディングされた作品です。しかし、お蔵入りとなり、4年後の1989年にリリースされた訳有り作品です。
Thomas Dolbyプロデュースの『Steve McQueen』の後で、"『Steve McQueen』ほどコントロールされていないアルバムを作りたい!"という欲求がリーダーPaddy McAloonに湧き起こり、セルフプロデュースによる作り込みすぎないアルバムを制作した模様です。しかし、短いインターバルでのアルバム・リリースにレコード会社がGOサインを出さず、お蔵入りとなってしまいました。
結局、再びThomas Dolbyをプロデューサーに迎えて『From Langley Park to Memphis』をレコーディングし、3rdアルバムとして1988年にリリースしました。
こうして、本来は3rdアルバムとしてリリースされるはずであった『Protest Songs』は、4thアルバムとして1989年にリリースされることになります。
リリース経緯や他作品とは異なる仕上がり感から、ファンの間でも好き/嫌いが分かれる作品かもしれません。確かに他のPrefab Sprout作品と比較して地味な印象は拭えませんが、一方でThomas Dolbyの手を介さない、素材そのままのPrefab Sproutを味わうことができる魅力もあります。
僕も昔は地味なアルバムだなぁ!という印象が強かったのですが、改めて聴いてみると、他作品とは異なる魅力が詰まった作品となっており、Prefab Sproutのディスコグラフィの中でいいアクセントになっているアルバムという印象ですね。
最初に聴くPrefab Sprout作品ではありませんが、でも欠かすことができないPrefab Sprout作品でもあります。
Paddy McAloonを中心に、Martin McAloon、Wendy Smith、Neil Contiという4人のメンバーが織り成すピュアなPrefab Sproutワールドを満喫しましょう!
全曲紹介しときやす。
「The World Awake」
Paddy McAloonらしい(良い意味での)青臭いメロディと♪オ〜オ〜イェイ♪という不気味な低音コーラスが印象的なオープニング。
「Life Of Surprises」
本作の一番人気でしょうね。ベスト盤にも収録されている人気曲です。Prefab Sproutならではの魔法のメロディと至極のポップ・サウンドを満喫できる名曲です。聴いていると訳もなく胸に込み上げてくるものがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=Ljxjlpb-6fs
「Horsechimes」
本作らしいアコースティックな味わいを満喫できます。作り込みすぎていないリラックス・ムードの臨場感がいいですね。
「Wicked Things」
60年代モータウン調のキャッチーかつコンパクトな演奏が印象的です。音だけ聴いているとスタカンっぽいですよね。
「Dublin」
Paddyの弾き語りです。シンプルなサウンドが柔らかい魅力を醸し出しています。本作ならではの1曲かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=k9ob1mPJ0q8
「Tiffanys」
ノスタルジックな味わいが印象的な楽しげなポップ・チューン。
「Diana」
1984年のシングル「When Love Breaks Down」のB面曲だった楽曲の再レコーディング。タイトルの通り、故ダイアナ妃について歌ったものです。本作らしい控えめなアレンジがいい効果を出していると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=6NnDg74r8uM
「Talking Scarlet」
僕の一番のお気に入り曲。理由は簡単!Wendyのキュートなヴォーカルが目立っているからです(笑)。透明感はアルバム中でも随一だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=wugnf_luRlw
「'Til The Cows Come Home」
Prefab Sproutらしいファンタジーな仕上がりですが、Thomas Dolbyプロデュース曲ほど派手ではありません。
http://www.youtube.com/watch?v=bv4yNv-tFcM
「Pearly Gates」
ラストは「天国の門」について歌った厳粛なバラード。今日本作を取り上げたのも本曲を聴きたかったからかもしれません。今の状況で聴くと、余計に胸に響くものがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=DRrN2gJba90
Prefab Sproutの過去記事もご参照下さい。
『Steve McQueen』(1985年)
『From Langley Park to Memphis』(1988年)
『Jordan:The Comeback』(1990年)
『Andromeda Heights』(1997年)
『Let's Change the World with Music』(2009年)