2011年03月27日

Lupe Fiasco『Lasers』

遂にリリースされたHip-Hop界の救世主Lupeの3rdアルバム☆Lupe Fiasco『Lasers』
Lasers
発表年:2011年
ez的ジャンル:Hip-Hop界の救世主
気分は... :少しの変化が大きな変化をもたらす!

遂にリリースされたLupe Fiascoの3rdアルバム『Lasers』(2011年)です。
多くのHip-Hopファンが待ち望んでいでいた3rdアルバムですね。

Hip-Hop界の救世主Lupe Fiascoの紹介は2nd『Lupe Fiasco's The Cool』(2007年)に続き2回目となります。

前作『Lupe Fiasco's The Cool』のリリース直後に、"次作は『LupE.N.D』とのタイトルとなり、デビュー作『Lupe Fiasco's Food & Liquor』、2nd『Lupe Fiasco's The Cool』に続く三部作の最終作となる。そして、『LupE.N.D』のリリースを以って引退する"と言われていたLupe Fiascoですが、実際に作品がリリースされることはありませんでした。

その間にはセールスにこだわるレーベル側との間に軋轢があったようです。結果として、新たなコンセプトのもと『Lasers』のアルバムの制作に取り掛かったようです。しかし、作品が完成に近づいたものの、またもやレーベル側と意見が食い違いリリースが見送られます。その後、ファンによる署名活動や抗議集会なども起こった末、ようやくリリースされる運びとなりました。

アルバム・タイトル『Lasers』には、「Love always shine, everytime remember to smile(愛はいつも輝く、笑顔を忘れるな)」という意味が込められているようです。

また、LOSERS(敗者)のOの上にAを重ねてLASERSとしているアルバム・ジャケには、「1文字変えるだけで全く反対の意味にすることができる。転じて、世界を少し変えるだけで大きな変化を生み出すことができる」という思いが込められています。

その意味では、大きな困難に直面する私達にとってもシンクロしてくるテーマ、コンセプトを持った作品だと思います。

アルバムにはSarah Green、Skylar Grey、MDMA(Pooh Bear)、Trey Songz、Matt Mahaffey、Sway、Eric Turner、John Legendがゲストとして参加しています。

プロデューサーも多用なメンバーが起用されていますが、新進プロデューサーKing David "The Future"、ヒット連発のAlex Da Kidあたりが目立っています。

個人的には「The Show Goes On」「Words I Never Said」というシングル曲よりも、それ以外の曲の方に惹かれました。1曲1曲にずっしりとした手応えを感じることができます。その意味では、とてもストロングな印象を受けるアルバムです。

最近のHip-Hop作品では、Kanye West『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』と同じように、格の違いを感じたアルバムでした。

アルバムは見事、全米アルバム・チャート第1位、全米R&Bアルバム・チャート第1位に輝きました。

全曲紹介しときやす。

「Letting Go」
オススメその1。オープニングはLupe Fiasco作品でお馴染みの女性シンガーSarah Greenをフィーチャー。美しくも儚いトラックが醸し出す少しダークな音世界がアルバム全体の空気を作り出します。King David "The Future"プロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=xuUu6UrweWQ

「Words I Never Said」
アルバムからの2ndシングル。B.o.B「Airplanes」、Eminem feat. Rihanna「Love the Way You Lie」、Dr. Dre feat. Eminem & Skylar Grey「I Need a Doctor」といったヒット連発のAlex Da Kidがプロデュースし、「I Need a Doctor」にも参加していた女性シンガーSkylar Greyをフィーチャーしています。前述のAlex Da Kidプロデュース作がお気に入りの方であれば間違いない哀愁モードのスケールの大きな1曲です。残念ながら、僕はこのタイプの曲は得意ではありませんが・・・支持政党や宗教についても言及している議論を巻き起こしそうな内容です。
http://www.youtube.com/watch?v=btQKGvVRnZ8

「Till I Get There」
オススメその2。僕の一番のお気に入り曲。ATCQDe La Soul好きの僕にとって、こうしたリラックスした雰囲気はど真ん中です。Needlzプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=J0HQz6GRppc

「I Don't Wanna Care Right Now」
オススメその3。Lupe Fiasco作品でお馴染みMDMA(Pooh Bear)をフィーチャー。彼はいろいろな意味でLupeに深く関わっているようですね。The Audiblesプロデュース。Lupeにはこうしたエレクトロなダンサブル・トラックが似合うと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=WKgJJwF6xmc

「Out of My Head」
オススメその4。レーベル・メイトTrey Songzをフィーチャー。メロディアスでキャッチーな哀愁チューンに仕上がっています。一緒にツアーを回ったり、苦労を分かち合った仲だけあって息もピッタリといった感じですね。Miykal Snoddyプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ZCeMMsAY5UE

「The Show Goes On」
アルバムに先駆けて昨年リリースされたシングル。Modest Mouse「Float On」ネタを使ったシングル向きの軽快な1曲。Lupeが力強く畳み掛けるライムとキャッチーなフックがいいですね。Kane Beatzプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=Rmp6zIr5y4U

「Beautiful Lasers (2 Ways)」
MDMAをフィーチャー。King David "The Future"プロデュース。鬱を乗り越えたLupe自身の体験をもとに書かれたアルバム中最もパーソナルな1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=PFSnnnvIPl4

「Coming Up」
オススメその5。MDMAをフィーチャー。King David "The Future"プロデュース。本作で最も多くの曲でプロデュースしている新進プロデューサーKing Davidですが、個人的には彼のプロデュース曲で最も好きです。自然と体を揺らしながらハンドクラップしてしまう程好いトラックが僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=nR68g7WbVGQ

「State Run Radio」
オススメその6。Matt Mahaffeyをフィーチャー。Right Or WrongやSelfといったロック・バンドで活躍するMatt MahaffeyをLupeが気に入り、一緒に仕事したいとオファーしたようです。正直、ラッパーとロック・アーティストの共演ってあまり好きではないのですが、そんな僕でもこの曲の仕上がりには大満足です。King David "The Future"プロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=2QKYUtemTs0

「Break the Chain」
UKのラッパーSwayとスウェーデンを拠点にするロック・バンドStreet Fighting Man のヴォーカルEric Turner(Eric自身はボストン出身)をフィーチャー。同じくスウェーデン出身のIshiがプロデュースを務めています。そんなメンツのせいか、サウンドはヨーロピアンなエレクトロ・サウンドになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=MRUVa2OJsj4

「All Black Everything」
オススメその7。客観的に聴けば、本曲がアルバムのハイライトという気がします。Lupe自身もアルバムのフェイバリットに挙げているようです。タイトルから想像がつくようにリリックにもサウンドにもスケールの大きさと感じる感動的かつ完璧な仕上がりだと思います。Wizzo Buchananプロデュース。Jimmy Durante「I'll Be Seeing You」をサンプリング。
http://www.youtube.com/watch?v=71McnVwWPwU

「Never Forget You」
オススメその8。John Legendとの共演。John Legend好きの僕としては嬉しい共演です。Jerry "Wonda" Duplessis/Syience/Arden Altinoプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ye5npKxUjSI

国内盤には「I'm Beamin」「Shining Down」 (Feat. Matthew Santos) の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

何故か未紹介のままになっている『Lupe Fiasco's Food & Liquor』(2006年)についても、そのうち取り上げたいと思います。

『Lupe Fiasco's Food & Liquor』(2006年)
フード&リカー(初回限定盤)

『Lupe Fiasco's The Cool』(2007年)
The Cool
posted by ez at 02:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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