2006年06月19日

A Tribe Called Quest『The Low End Theory』

Hip-Hopのジャズ的アプローチを明示した金字塔的アルバム☆A Tribe Called Quest『The Low End Theory』
The Low End Theory
発表年:1991年
ez的ジャンル:Jazzy系Hip-Hop
気分は... :E組が面白い!

先ほどクロアチア戦終了。
引き分けの瞬間、手を叩いて喜んでいる(アホな)日本人の女性サポーターの姿が実に印象的だったね。

これで日本のグループリーグ敗退はほぼ決定的であろう。でも、日本は決勝トーナメント進出に値するサッカーはしていないから、この結果はわりと冷静に受け止められる。ブラジル戦は過度の期待をせず、世界最強チームに日本のサッカーがどの程度通用するのかを楽しんで観戦したいと思いマス。

それよりも日本が属するF組が決勝トーナメント1回戦で当たるE組(イタリア、チェコ、アメリカ、ガーナ)の大混戦ぶりが面白い。この組のレベルの高さを観れば、日本のグループリーグ敗退は当然の結果だと思う。

特に、昨日期待のコメントをしたガーナが強豪チェコ相手に鮮やかな勝利を飾ったのは嬉しかったね。個人的には、イタリア、ガーナの2チームが残って欲しいですね。もし、イタリアが2位通過なんて状況になれば、多分F組1位通過が予想されるブラジルとイタリアがいきなり激突なんてことになる☆実現して欲しいなぁ〜!

さて、今日はクロアチア戦の結果を引きずらないように、オトボケ系Hip-Hopでも?ということでA Tribe Called Questっす。

最近、発表されたレア・トラック集『The Lost Tribes』が現在の僕のiPodヘビロテになっているA Tribe Called Quest☆今回は、そんなA Tribe Called Questの作品の中から傑作2nd『The Low End Theory』(1991年)をセレクト。

A Tribe Called Quest(ATCQ)は、昨年9月に投稿した3rdアルバム『Midnight Marauders』(1993年)以来っす。ATCQは、僕が本ブログで最初に投稿したHip-Hopアーティストであり、今でもマイ・フェイバリットHip-Hopアーティストっす。

特に、本作『The Low End Theory』は、Hip-HopにおけるJazzテイスト導入を強烈に意識させた名盤だと思いヤス。僕もこの作品でATCQを知り、翌年出たRemixアルバム『Revised Quest for the Season』(1992年)でずっぽりハマリ、デビュー作『People's Instinctive Travels and the Paths of Rhythm』(1990年)に遡り、3rdアルバム『Midnight Marauders』で昇天したパターンでシタ。

『Midnight Marauders』の記事投稿でも書いたけど、カラフルなトラックが印象的な3rd『Midnight Marauders』に対して、極力無駄な音を排除したシンプルなトラックを聴かせる2nd『The Low End Theory』は、モノクロのイメージがありマス。

本作『The Low End Theory』発表前に Jarobiが脱退し、Q-Tip、Phife Dawg、Ali Shaheed Muhammadの3人体制になった。本作では、ゲストとして、ジャズ界の大物ベーシストRon Carterをはじめ、Brand Nubian、Leaders Of The New School(Busta Rhymes在籍のグループ)などがフィーチャーされていマス。

個人的には、ATCQの最高傑作は『Midnight Marauders』だけれども、それはこの2nd『The Low End Theory』があったからこそだと思いマス。その意味で、Hip-Hop史上に残る作品は『The Low End Theory』かもね!

「Check the Rhime」、「Scenario」、「Jazz (We've Got) 」の3大クラシックをはじめ名曲揃いっす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Excursions」
いきなりジャジーなムード満点な、ドラムとベースによるシンプルなトラックによるオープニング。この激シブのトラックに案外Q-Tipの個性的な声質が案外マッチするところが妙ですな。The Last Poets「Time Is Running Out」、Art Blakey and The Jazz Messengers「A Chant for Bu」ネタ。

「Buggin' Out」
この曲も低音のジャズ・ベースでグイグイ押しまくるトラックが印象的な曲。Jack DeJohnette's Directions「Minya's the Mooch」、
Lonnie Smith「Spinning Wheel」ネタ。

「Rap Promoter」
ジャズ・ファンク・テイストのシンプルなトラックがカッチョ良い曲。Eric Mercury「Long Way Down」ネタ。

「Verses From the Abstract」
Ron Carterがアコースティック・ベースで参加のホンワカ・ムードのピースフルなナンバー。Heatwave「Star of the Story」、Joe Farrell「Upon This Rock」 ネタ。

「Show Business」
Brand Nubianをフィーチャーしたパーティー・チューン。激シブ・トラックもいいけど、やっぱりこの手の楽しい系もないとATCQらしくないよね。James Brown「Funky President」ネタ。

「Vibes and Stuff」
僕の大好きなジャズ・ギタリストGrant Greenの「Down Here on the Ground」ネタのトラックを使ったナンバー。この曲収録のGrantのアルバム『Alive!』はぜひ本ブログで取り上げたい1枚っす。

「Check the Rhime」
アルバムからの1stシングルとなったクラシック・ナンバー。ATCQ得意のオトボケのフリースタイルが何ともイイ感じ!本ブログでも紹介したThe Average White Band「Love Your Life」ネタのホーンセクションも印象的っす。ラップパートはMinnie Riperton「Baby, This Love I Have」ネタっす。

「Everything Is Fair」
Funkadelic「Let's Take It To The People」ネタのファンク・テイストのナンバー。

「Jazz (We've Got) 」
アルバムからの3rdシングルとなったクラシック。本作一番の聴きどころなのでは?タイトルもそうだが、このジャジーなトラックこそ本作を象徴するものだと思う。この激シブ・トラックを最初に聴いた時には、結構興奮して、何度もこの曲ばかりリピートして聴いた記憶がありマス。先にも書いたけど、Q-Tipの声がこのジャジーなトラックにヤケに馴染むのが不思議だね。

「What?」
ATCQらしいコミカルなオトボケ・ナンバー。Paul Humphrey「Uncle Willie's Dream」ネタ。

「Scenario」
アルバムからの2ndシングルであり、これまたクラシック・ナンバー。Busta RhymesをはじめとするLeaders Of The New Schoolのメンバーが参加しています。Brother Jack McDuff「Oblighetto」、Jimi Hendrix「Little Miss Lover」ネタの何か不穏な雰囲気漂うトラックと、ハイテンションのマイクリレーがいいカンジっす。僕はBusta Rhymesは特別好きではないけど、Leaders Of The New Schoolの2ndアルバム『T.I.M.E.』(1993年)はよく聴きました。

本作収録のオリジナルもいいですが、個人的には『Revised Quest for the Season』収録のYoung Nation Mixが好きですね。『The Lost Tribes』収録のリミックスも最近よく聴いていマス。

この後、「韓国対フランス」戦。日本とは対照的に初戦勝利の韓国が強豪フランス相手にどんな戦いぶりをするのか、アジア全体のサッカーのレベルを知る意味でも、今大会のフランスを占う意味でも楽しみですね。
posted by ez at 00:38| Comment(6) | TrackBack(1) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
イタリアが好きな理由としてイタリアのRockやPopsを贔屓にしてるというのがあります。特に70年代を中心とするプログレッシブロック作品の数々は欧米の影響下にあるもの独自のカラーのものひっくるめて独特の強烈な魅力を放っているものばかりです。フランスやドイツ、スペイン、オランダなどにも勿論プログレ作品はありますがイタリア産のものは格別な感があるのです。
チェコにもプログレ作品が数多くありそれらは90年代以降顕著です。
ブルガリアにもFSBという高い水準のスタジオミュージシャンズプログレポップバンドが存在してました。
ブラジルやアルゼンチン等南米にも優れたプログレ作品があり (つづく)
Posted by マルチP at 2006年06月19日 13:50
(つづき)
アルゼンチンの80年代からの現役バンド、PABLO EL ENTERRADOR は南米の中では大好きで70年代後半のジェネシス風のサウンドで魅了します。
チェコの殆どのプログレ系作品はまだ聴いてないんですが興味深いのは間違いありません。
特にイタリアのプログレ系アーティストには、レ・オルメ、ムゼオローゼンバッハ、トリアーデ、イルパエーゼデイバロッキ、アレア、オザンナ、ボッテガデッラーテ、ラッテエミエーレ、ニュートロルス、PFM、バンコ、フェスタモビーレ、ルスティケリエボルディーニ、ゴブリン、イルボーロ、フォルムラトレ、RDM、アルティエメスティエリ、クエラベッキアロカンダ、などの沢山の魅力的な作品がありそれらは宝物的なニュアンスさえありマス。
Posted by マルチP at 2006年06月19日 14:21
サッカー イタリアチーム、チェコチーム、オランダチーム、フランスチーム、アルゼンチンチーム、頑張れ〜\(^o^)/
勿論EnglandもMFを工夫して頑張れ〜
強い!エクアドル、も頑張れ〜
Posted by マルチP at 2006年06月19日 14:30
☆マルチPさん

できれば記事投稿に関連するコメントを頂けるとありがたいです。
他の閲覧者の方々が、Hip-Hopを扱った記事に、アーティストとは無関係のプログレのコメントを見ると違和感を感じると思います。特にHip-Hopとプログレの場合、プログレ好きの人に“Hip-Hopサイコー!”と言っても通じないのと同様に、Hip-Hop好きの人に“プログレの傑作!”と訴えても、ちぐはぐなコミュニケーションにしかならないような気がします。本ブログのスムーズな運営・管理のため、何卒ご理解・ご協力の程お願い申し上げます。
Posted by ez at 2006年06月19日 18:28
確かに考えてみればそうですね★コメントを書くスペースを履き違えたようです。
ちょっと安易に対応してしまいました申し訳ありません。m(__)m(サッカーの話題繋がりのつもりだったんですが…)
因みにヒップホップは私の場合一部を除いてあまり夢中なジャンルとはいえません。優れたものを聴いてないからかもしれませんが、概ねHIPーHOPに対する印象は薄く物足りなさが残るのが現状です。
ラップになると更に興味から外れることになります。
かつてのフィラデルフィア・ソウルなどのメロディアスでゴージャスな音は大好きです。
Posted by マルチP at 2006年06月19日 20:08
☆マルチPさん

こちらこそ失礼なことを書いて申し訳ありませんでした。
より多くの閲覧者の方々に本ブログを楽しんで頂きたい思いゆえ、何卒ご容赦願います。

本ブログは、特定のジャンル・年代に固執しないで、なるべく幅広い作品を紹介したいと思っていますが、音楽の嗜好は十人十色であり、各ジャンル、アーティスト、作品のスキ/キライがあって当然だと思います。本ブログ自体も、ジャンル・年代に固執しないといっても、実際にはメロウな音楽、グルーヴ感のある音楽が大好きな僕の嗜好バレバレのセレクトになっていますし(笑)

各人の嗜好の中で“スキ”が共通するものは深く共感しあい、“スキ”がかみ合わない部分は相互不可侵であまり価値観をゴリ押ししなければ、みんなで楽しい音楽ライフを共有できるのではと思います。

どうも失礼致しましたm(_ _)m
Posted by ez at 2006年06月19日 22:20
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