2006年06月23日

Scritti Politti『Cupid & Psyche 85』

1985年時点で最も完成された白人によるハイテク系ダンス・ミュージック☆Scritti Politti『Cupid & Psyche 85』
Cupid & Psyche 85
発表年:1985年
ez的ジャンル:ブルーアイド・ソウル系UKダンス・ミュージック
気分は... :80年代サウンドの頂点☆

今、“最も80年代らしかったアルバム?”と聞かれれば、僕はScritti Politti『Cupid & Psyche 85』を思い出す。

イタリア語で"政治的文章"を意味する(イタリア語わからないけど...)Scritti Polittiは、Green Gartside中心に結成されたUKのグループだ。『Cupid & Psyche 85』(1985年)は、1stアルバム『Songs To Remember』(1982年)に続く2ndアルバム。

好き嫌いは別にして、このアルバムの登場は、当時多くの洋楽好きリスナーに衝撃を与えたと思うね(☆o☆)当時の最新テクノロジーを駆使しながら、レゲエ、ファンク、ソウル、テクノなどさまざまな音楽のエッセンスをアヴァンギャルドな感覚で取り入れた1985年最新型ダンス・ミュージック...『Cupid & Psyche 85』はそんなアルバムだった。

80年代半ば頃のビシバシ打ち込みシンセ・サウンドは、今聴くと仰々しくてキビしく感じるものが少なくないo(><)o本作のサウンドもそれと同種なはずなのだが、この作品だけは今聴いていても全然イケてる。おそらく、ボーカルと曲作りのユニークさが彼らの個性を際立たせ、それがサウンドとうまくマッチしているからだと思う。

女性ボーカルだと勘違いするほどのGreen のハイトーン・ボーカルは、最初は多少違和感を覚えるのだが、何回も聴いていくうちにクセになってしまう( ̄ー ̄☆)Greenのボーカルを聴くと、懐かしきアイドル的ロックグループだったC-C-Bのボーカルを思い出す♪誰か♪Romantic♪止めて♪胸がぁ〜っ、胸がぁ〜っ♪

『Cupid & Psyche 85』に収録されたヒット曲には「Wood Beez」、「Hypnotize」、「Absolute」のようにアルバム・リリース前に12インチ・シングルとしても注目を集めたものも多く、そういった12インチ的な感覚で統一されている点も、このアルバムの魅力の1つかもしれないよね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Wood Beez (Pray Like Aretha Franklin) 」
このアルバムを象徴するヒット・ダンス・チューン。サブ・タイトルにあるようにクイーン・オブ・ソウル”Aretha Franklinへのオマージュ・ナンバーだ。実際に♪毎晩、僕はAretha Franklinのようにお祈りする♪と歌われていマス。

約10日前にAretha Franklin『Young, Gifted And Black』を紹介したけど、この「Wood Beez」をプロデュースしているにも、その『Young, Gifted And Black』をプロデュースしていたArif Mardinであるという点が実に興味深い。

サウンド的には、エレクリック・ポップとソウル・ミュージックとHip-Hopサウンドを一度解体し、アヴァンギャルドなセンスで再構築させた実にユニークな12インチ感覚のナンバーっす。

「Hypnotize」
これも12インチ・シングルが話題となったナンバー。予想を裏切る意外な曲展開が魅力の曲。基本は、エレクリック・ファンクなんだけど、明らかに黒人アーティストのそれとは違うテイストが面白い。

「Absolute」
アルバム中一番好きなファンク・チューン。ロマンティックなテイストとファンクネスとひねくれアヴァンギャルド感覚がカオス的に入り交じったカンジが好きデス。

「Perfect Way」
珍しく、全米チャートでもスマッシュヒットとなった(最高位11位)シングル・カット曲。この期待感たっぷりのイントロがたまらなく好きだね。曲の完成度では、この曲が一番かもね?事実、Scritti Polittiのことを大変気に入っていたジャズの帝王Miles Davisはアルバム『Tutu』(1986年)のなかで「Perfect Way」をカヴァーしてマス。

「The Word Girl (Flesh and Blood) 」
Green Gartside流レゲエ・ナンバー。これは全英チャート6位の大ヒットとなりまシタ。本アルバムでは珍しく、のんびり、ゆったりモードのマッたりできるナンバー。

「Small Talk」
小気味よく軽快なダンス・ポップ。このアルバムのサウンドって、ゴージャスで、とってもダンスサブルなんだけど、一方で全然熱さがない。このどこか冷めたカンジが逆にイイのかもね?

「Lover to Fall」
実に可愛いカンジのエレクトリック・キャンディ・ポップなナンバー。僕は案外このテイストが好きだったりする。

一般的にScritti Polittiの代表作と言えば本作だけど、3rdアルバム『Provision』(1988年)も僕は同じ位好きだね。『Cupid & Psyche 85』に比較するとインパクトに欠けるけど、前述のMiles DavisZappのRoger Troutmanのゲスト参加は見逃せないし、曲も先に述べたエレクトリック・キャンディ・ポップなテイストのナンバーが揃っていマス。

『Provision』の後、約11年のブランクを経て『Anomie & Bonhomie』(1999年)を発表し、その後また長い沈黙に入った彼らだが、なんと最近7年ぶりの新作『White Bread, Black Beer』を発表!これには驚いたねぇ〜(゚□゚)ビックリ!

もう少しでW杯「日本対ブラジル」戦。あまり過度の期待をせず、でも熱く応援したいものっす\(^◇^)/ガンバレ!
posted by ez at 03:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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