発表年:1977年
ez的ジャンル:ライト・メロウ系ポップ/ソウル
気分は... :キャンディーズは永遠です!
今週は何をやっても全く気乗りしない絶不調の1週間でしたが、さらに追い討ちをかけるようにスーちゃんこと田中好子さんの訃報が飛び込んできました。
何度かブログでも書いたことがありますが、キャンディーズ大好き!だった一人としてかなりショックです。
キャンディーズの歌は勿論好きでしたが、伊東四朗、小松政夫らと出演していたバラエティ番組『みごろ!たべごろ!笑いごろ!!』がとにかく大好きでした。当時、小学生であった僕にとって1週間で一番楽しみにしていたTV番組だったかもしれません。当時、バラエティ番組でコントも上手にこなすことができるアイドルはキャンディーズぐらいしかいなかったような気がします。
僕の中のスーちゃんは、天然&マイペース・キャラというイメージでした。
女優になってからは、自然体かつ独特の存在感がありましたね。最近のドラマでは志田未来、山田優らと共演していた『正義の味方』(2008年)のマイ・ペースで天然なお母さん役が、スーちゃんキャラそのまんまな感じで大好きでした。
年齢を重ねがら、益々素敵な女優さんへステップアップしている印象を持っていたので、若すぎる死は残念でなりません。
僕の一番好きなキャンディーズ・ソングです!
キャンディーズ「アン・ドゥ・トロワ」
http://www.youtube.com/watch?v=fSf2Ha591LU
謹んでご冥福をお祈りいたします。
スーちゃん、本当にありがとう!
今回はベテラン女性ソウル・シンガーDionne Warwickが1977年にリリースした『Love at First Sight』です。
Dionne Warwickの紹介は『Then Came You』に続き2回目になります。
Warner Bros.での最終作となる本作『Love at First Sight』は、デビュー以来最もチャート・アクションで大失敗したDionne作品かもしれません。それがきっかけでAristaへ移籍することになったのかもしれませんが・・・
ただし、今日聴き返してみると、ライト・メロウなポップ/ソウル作品として内容はかなり充実しており、再評価が高まっている1枚だと思います。僕の場合、当時さっぱり売れず、後年再評価が高まった作品に弱いんですよね(笑)
本作では当時勢いのあった白人プロデューサー・コンビSteve BarriとMichael Omartianが起用されています。
Steve Barri & Michael Omartianと言えば、1976年の全米No.1ヒット「Theme from "S.W.A.T.」でお馴染みのディスコ/ファンク・ユニットRhythm Heritageの活動で知られていますね。
Rhythm Heritage「Theme from "S.W.A.T.」
http://www.youtube.com/watch?v=oThp3B11kQ0
Steve Barri & Michael OmartianさらにはEd Greene(ds)、Scott Edwards(b)というRhythm Heritageの中核メンバーを中心に、Jay Graydon(g)、Ray Parker Jr.(g)、Ben Benay(g)、Peter Larson(p)、Victor Feldman(per)、ホーン・セクションのErnie Watts、Fred Selden、Chuck Findley、Steve Madaio、Lew McCreary、Dick Hyde等といったミュージシャンがレコーディングに参加しています。
全体としてはMichael Omartianのコンテンポラリー/アーバンなサウンド・センスで、エレガントにソウル/ポップスを歌うDionneの魅力を上手く引き出していると思います。個人的にはDionneとMichael Omartianのマッチングはかなりハマっている気がします。
ライト&メロウ好きの人は要チェックな1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Keepin' My Head Above Water」
オープニングは名コンビDennis Lambert & Brian Potterの作品。適度にダンサブルなポップ・チューン。ストリングス・アレンジなどでフィリー・ソウル・テイストも感じられます。
「Love In The Afternoon」
B. Weisman/Evie Sands/R. Germinaro作。Barbra Streisandもカヴァーしていましたね。Barbraヴァージョンとはかなり異なる印象ですが、Dionneのイメージにジャスト・フィットした素晴らしいアレンジに惹かれます。60年代のDionneがお好きな人ならば気に入る1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=6tQrEwtHjDs
「A Long Way To Go」
Barry Man & Cynthia Weil作の名曲。当ブログで紹介した作品で言えば、Emotions『Rejoice』、Tamiko Jones『Love Trip』でカヴァーされています。David Fosterも在籍していたグループSkylarkやもカヴァーしていましたね。曲自体が名曲ですが、Dionneらしいポップ・ソウルな仕上がりの好カヴァーに仕上がっています。
「Do I Have To Cry」
J. David & L. Stack作。60年代のBurt Bacharach/Hal David作品を彷彿させる絶品バラード。エレガントなアレンジも含めてBacharach好きの人であれば、かなりグッとくる仕上がりです。
「Don't Ever Take Your Love Away」
Isaac Hayes/L.W. Jodes作品。本作らしいコンテンポラリーなアレンジにグッとくる哀愁バラード。本作と同じ1977年にDionneとHayesは共演ライブ・アルバム『A Man And A Woman』をリリースしています。
Isaac Hayes & Dionne Warwick 『A Man And A Woman』(1977年)
「One Thing On My Mind」
Evie Sands & R. Germinaro作。Phyllis Hymanも取り上げています。Michael Omartianの手腕が光る軽快なアーバン・メロウ・グルーヴ。僕の一番のお気に入り曲。
http://www.youtube.com/watch?v=2ix-g8F-WeQ
Phyllis Hyman「One Thing On My Mind」
http://www.youtube.com/watch?v=Evb190E9h-Q
「Early Morning Strangers」
Barry Manilow/Hal David作。Barry Manilow自身のヴァージョンは『Barry Manilow』(1973年)に収録されています。Cherも『I'd Rather Believe in You』(1976年)でカヴァーしていましたね。ライト・メロウなポップ・チューンはDionneにぴったりな1曲だと思います。Barry ManilowはArista移籍第一弾アルバムとなる次作『Dionne』(1979年)でプロデュースを務めることになります。
本曲はCherヴァージョンもグッドだと思います。
Cher「Early Morning Strangers」
http://www.youtube.com/watch?v=wbATHwPp-ew
「Livin' It Up Is Startin' To Get Me Down」
Peter Larson/Josh Rubins作。L.A.らしい爽快感の漂う仕上がり。ライト・メロウ好きの人はグッとくる1曲なのでは?
「Since You Stayed Here」
Peter Larson/Josh Rubins作。作者Peter Larson自身のピアノをバックに、しっとりと歌い上げる感動バラード。
「Do You Believe In Love At First Sight」
Frank McDonal/Chris Rae/Ron Roker/Gerry Shury作。ラストは軽快なリズムが心地好いポップな仕上がり。晴れやかな気分でアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=JnXcSrFv5fk
興味がある方は本作と同じSteve Barri & Michael OmartianコンビがプロデュースしたWaters『Waters』(1977年)や、Rhythm Heritageの諸作へ展開するのも楽しいのでは?
Waters『Waters』(1977年)
Rhythm Heritage『Disco-fied』(1976年)
Rhythm Heritage『Sky's The Limit』(1978年)
Rhythm Heritage『Disco Derby』(1979年)