発表年:1991年
ez的ジャンル:フレンチHip-Hopの牽引者
気分は... :セ・シ・ボン!
フレンチHip-Hopの第一人者MC Solaarのデビュー・アルバム『Qui Seme Le Vent Recolte Le Tempo』(1991年)です。
MC Solaarの紹介は2nd『Prose Combat』(1994年)に続き2回目になります。
また、彼の参加作品としてGuru『Jazzmatazz』(参加曲「Bien, Le Mal」)、Urban Species『Listen』(参加曲「Listen」)を紹介しています。
僕が初購入したフレンチ・ラップ作品が本作『Qui Seme Le Vent Recolte Le Tempo』でした。ただし、当時は彼がフレンチHip-Hopのリーダーになるとの認識は全くなく、一番のお気に入り曲「Victime De La Mode」以外はそれ程熱心に聴いていませんでした・・・
その後、Guru『Jazzmatazz』(1993年)への参加で、僕のMC Solaarへの関心が再燃し、2nd『Prose Combat』でフレンチHip-Hopのジャジーな魅力にハマった次第です。
今でも一番好きなのは『Prose Combat』ですが、『Qui Seme Le Vent Recolte Le Tempo』もフレンチHip-Hopシーンの重要作として外せない1枚ですね。
今聴き返すと、内容的にも『Prose Combat』のようなジャジー・スタイルが確立する前で、いろんな音楽スタイルのエッセンスが入っていて面白いですね。特に大ヒットした1stシングル「Bouge De La」に代表されるようにラガのエッセンスが印象的です。当時はラガマフィンHip-Hopが流行っていましたからね。
相棒Jimmy JayとBoom Bassがプロデュースを手掛けています。
まずは僕のイチオシ「Victime De La Mode」と「Qui Seme Le Vent Recolte Le Tempo」の2曲だけでもチェックみて下さい!
Hip-Hopが苦手な人でも、フレンチラップならば語感の響きがソフトなので聴きやすいかもしれませんよ。
全曲紹介しときやす。
「Intro」
波の音で始まるお洒落なイントロ。
「Qui Seme Le Vent Recolte Le Tempo」
オススメその1。タイトル曲はシングルにもなりました。Lou Donaldson「One Cylinder」ネタのグルーヴィー・トラックが実にクール!フレンチの響きがソウル・ジャズとよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=MMOeePXGeIc
「Matiere Grasse Contre Matiere Grise」
オリエンタルなイントロに続き、MC Solaarのフレンチ・ラップらしいフロウを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=KPIQehJR8ms
「Victime De La Mode」
オススメその2。当時も今もアルバムで一番のお気に入りはコレ。Ben Sidran「Hey Hey Baby」ネタのループが気持ち良いメロウ・トラックにかなりグッときます。当時本曲を聴いて"フレンチ・ラップってオシャレ!"と感じたものです。シングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=uDtqGdtLkTc
「L'Histoire De L'Art」
Soon E MCをフィーチャー。MC Solaarに続くフレンチラッパーとして注目されていたのがSoon E MCです。彼の1stアルバム『Atout... Point De Vue』(1993年)も当時よく聴きました。もっとも『Atout... Point De Vue』を購入してから、初めて本作にSoon E MCが参加していたことに気付きましたが。二人の共演であれば、ジャジーな仕上がりを期待してしまいますが、本曲はかなりUSラップっぽいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=mqbu6QrFjFI
「Armand Est Mort」
オススメその3。Marvin Gaye「Inner City Blues」、Kool & The Gang「N.T.」
ネタのニューソウルなトラックが実に格好良いですね。サックスも加わり、ニューソウル・モードを盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=z-aJDDxA5zM
「Quartier Nord」
スピードの感のあるトラック、スクラッチ、フロウが一気に突き抜けます。
http://www.youtube.com/watch?v=agJ6IrOWxek
「Interlude」
ジャジーなインタールード。
「A Temps Partiel」
オススメその4。Grover Washington Jr.「Knucklehead」ネタのループとジャジー・リズムがマッチしたトラックがグッド!フレンチHip-Hopらしいジャジー感がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=6klkEjsJrrw
「Caroline」
この曲もシングルになりました。哀愁トラックにシリアス・モードのラップさらにはMelaazの女性ヴォーカルが加わります。
http://www.youtube.com/watch?v=PjELabiPItw
「La Musique Adoucit Les Moeurs」
ユル〜い雰囲気のトラック&フロウがいい感じ。P-Funk作品でもお馴染みClip Payneがスペシャル・ゲスト扱いでヴォーカル参加しています。
「Bouge De La(Part.1)」
オススメその5。フランスで大ヒットしたアルバムからの1stシングル。Cymande「The Message」ネタのダンサブル・トラックにラガ風味のラップが絡みます。ここでもMelaazの女性ヴォーカルが加わっています。
http://www.youtube.com/watch?v=v4iZ_eQiSTY
「Bouge De La(Part.2)」
「Bouge De La」のパート2。よりレゲエ色が強くなったダビーな仕上がりです。当ブログで紹介したAswadによる「The Message」のカヴァー(アルバム『Distant Thunder』収録)と一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=mAidVb_lkcI
「Ragga Jam」
タイトルから察しがつくように、前曲に続きラガマフィンHip-Hopな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=gemhif9wZgw
「La Devise」
オススメその6。MC Solaarらしくはありませせんが、キャッチーで疾走感のあるトラックがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=g575cm1WdvY
「Funky Dreamer」
ラストはファンキーに締め括ってくれます。One Way feat. Al Hudson「Music」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=jen6pDCo8Qo
MC Solaarの過去記事や彼の参加作品の過去記事もご参照下さい。
『Prose Combat』(1994年)
Guru『Jazzmatazz』(1993年)
Urban Species『Listen』(1994年)