発表年:2003年
ez的ジャンル:アリゾナ系デザート(砂漠)ロック
気分は... :不毛の地でも音楽は鳴り続ける...
世の中は、自分の思い通りに行かないことが実に多い。
だからと言って、そこで立ち止まっていては前進できない。
でも、そこで焦ることはない。人間焦るとロクな行動をしないから?
何も考えず、頭の中を空っぽにしてみるのも悪くはない。
そんな気分にマッチする乾いたロックCalexico『Feast Of Wire』(2003年)っす。
Calexicoは、マルチ・プレイヤーJoey Burnsとパーカッション奏者John Convertinoを中心としたロック・バンドらしい。グループ名のCalexicoとは「California+Mexico」を意味するんだとか。アメリカとメキシコの境界に位置するアリゾナ州ツーソンを拠点にする彼ららしいグループ名である。
Calexicoの音楽は、“デザート(砂漠の)ロック”と呼ばれる。デザートロックが何かは正直詳しくないが、砂漠の不毛地帯のような乾いたテイストのロックをさすようだ。特にCalexicoの場合は、ペダル・スティール、アコーディオン、トランペット、パーカッションなど駆使したメキシカン・テイストのデザートロック・サウンドが特徴だ。
僕が持っているのはCalexicoの4thアルバムとなる『Feast Of Wire』(2003年)だ。Joey BurnsとJohn Convertinoがかつて在籍したデザートロックの雄Giant Sandのアルバム『Cover Magazine』(2002年)と一緒に購入したと記憶している。
よく言われることだが、『Feast Of Wire』は砂漠の中を旅するロードムービーのサントラのようなアルバムだ。砂漠の中のポツンとある古びたバーで、昼間からビールでも飲んだくれている連中の風景が思い浮かぶ。
決して明るくはないけど、湿っぽくはない、実に乾いた印象のこの作品を聴いていると、不思議と日々の忙しさから解放された気分になり、くよくよ悩んでいたことも馬鹿らしい気分になってくる。その意味では何か失敗をやらかした日や、悩んでいる日に缶ビールでも飲みながら、気持ちをプチリセットするにはピッタリの音楽かもしれない。
物事うまくいかないマイナスモードの時には、とかく余計なことを考えがちだ。
そんな時には不毛の地の音楽でも聴きながら、頭を空っぽにしてみるといいさ!
オススメ曲を紹介しときやす。
「Sunken Waltz」
アコーディオンの美しくも悲しげな音色が印象的なワルツ・ナンバー。
「Quattro (World Drifts In)」
砂漠の中をただひたすら走り続けるドライブのような、乾いた疾走感漂うナンバー。
「Black Heart」
哀愁出しまくりのストリングスをバックに、切なく歌われるバラード。悲しい時には、こんな曲で一度悲しみにどっぷり浸かってしまうのもいいかもしれない。
「Not Even Stevie Nicks...」
詳しくはわからないけど、やっぱりアノ元Fleetwood MacのStevie Nicksのことでしょうね?気のせいかStevie Nicksが歌うとピッタリのような気がしてくる。ほんのりメロウなアルバム中一番のお気に入り曲。なんか静かなるパワーが湧いてきマス。
「Close Behind」
これはAntonio Banderas主演のエル・マリアッチ・シリーズあたりのサントラに似合いそうな実にメキシカンなナンバー。
「The Book and the Canal」
ポストロック、ミニマル・ミュージックのような印象も受ける哀愁のインスト。
「Attack El Robot! Attack!」
これはエレクトロニカなナンバー。メキシカンなエレクトロニカって案外珍しいかもね!
「Across The Wire」
昔のRy Cooderあたりを思い出すナンバー。そう言えば、テックス・メックスなんて音楽もあったよね。
「Dub Latina」
「Guero Canelo」
これはCalexicoらしい泣きのメキシカン・テイストに溢れる2曲。再びエル・マリアッチ登場!って雰囲気かな☆
「Crumble」
ジャズ・テイストのナンバー。トランペットの哀愁感が何ともイイっす。
さぁ、また1日が始まるけど、人間何とかなるものさ!