発表年:1970年
ez的ジャンル:ミナス系MPB
気分は... :アルセお見事!
昨日はボクシングのスーパー・ファイト「マニー・パッキャオ対シェーン・モズリー」に注目していましたが、パッキャオが大差の判定勝ちで完勝しました。
3Rにダウンを喫したモズリーは、パックマンの脅威に怯えたまま防御一辺倒で試合終了。正直つまらない試合になってしまいましたね。
むしろ、前座のSバンタム世界タイトル戦「バスケスJr.対アルセ」の方が大興奮のファイトでした。大逆転で挑戦者アルセがバスケスJr.を下し、メキシコ人初の4階級制覇を成し遂げました。僕も観ていて「いつバスケスJr.が止めを刺すのだろう」と思っていたので、終盤一気に形勢逆転させたアルセの粘りにはかなり驚きました。おそらく、年間ベスト・マッチ候補になるでしょうね。
さて、今回はブラジルものからMilton Nascimento『Milton』(1970年)です。
ミナスを代表するアーティストMilton Nascimentoの紹介は、『Minas』(1975年)に続き2回目となります。
本当はLo Borgesと共演した歴史的名盤『Clube Da Esquina』(1972年)を紹介しようと思ったのですが、全21曲を紹介するにはそれなりにパワーが要るので今回は断念しました(笑)
今日紹介する『Milton』(1970年)は、『Milton Nascimento(Travessia)』(1967年)、『Courage』(1968年)、『Milton Nascimento』(1969年)に続く4thアルバムになります。
本作ではWagner Tiso率いるSom Imaginarioが初めてMiltonのバックを務めています。
Miltonのバック・バンドであると同時にプログレッシヴ・ロック・グループとしても知られるSom Imaginario。Wagner Tiso(p、org、vo)、Ze Rodrix(org、fl、per、vo)、Tavito(g、b、vo)、Frederyko(g、vo)、Luiz Alves(b)、Robertinho Silva(ds)というメンバーが生み出すロック・サウンドが、Miltonを新たな音世界へ導いてくれます。
それ以外にNana Vasconcelos、Lo Borgesがゲスト参加しています。
Som Imaginarioという強力バッキングを得て一段とスケール・アップしたMiltonワールドを堪能しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Para Lennon E McCartney」
邦題「レノン&マッカートニーに捧ぐ」。Lo Borges/Marcio Borges/Fernando Brant作。タイトルからわかる通り、Beatlesへの想いが込められたオープニング。Beatles風のメロディとブラジルらしいロック・サウンドに思わずニンマリ。Beatlesの影響力の大きさ再認識できる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=e9-c8b76OMk
「Amigo, Amiga」
邦題「友人」。Milton Nascimento/Ronaldo Bastos作。Miltonらしい少し憂いのある音世界を堪能できます。ミナスの神秘といった雰囲気が漂うのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Odne45Avnoo
「Maria Tres Filhos」
邦題「マリアと三人の子どもたち」。Milton Nascimento/Fernando Brant作。小気味良いバッキングにグッときます。オルガンが利いていますね!
「Clube da Esquina」
邦題「街角クラブ」。Milton Nascimento/Lo Borges/Marcio Borges作。前述の歴史的名盤『Clube Da Esquina』(1972年)にはNo.2が収録されていますが、本曲はそのNo.1ということになります(2曲は全く別の曲ですが)。本曲もMiltonらしい味わい深い哀愁メロディを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=Ji5eVpru_e0
「Canto Latino」
Milton Nascimento/Ruy Guerra作。憂いのある前半、明るく希望に満ちた中盤、美しい終盤とドラマチックに変化していくのがいいですね。Som Imaginarioが表情豊かなサウンドで盛り上げてくれます。
「Durango Kid」
Toninho Horta/Fernando Brant作。Toninho Hortaらしい美しいメロディで感動に包まれます。Toninho Horta好きの人は間違いなくハマる1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=xFhqzqnc7Ns
「Pai Grande」
邦題「偉大なる父」。Milton Nascimento作。名曲の誉れ高い1曲ですね。ミナスの大地のような壮大なスケール感を持った偉大な楽曲だと思います。Som ImaginarioのバッキングがMiltonワールドと見事にシンクロしています。
「Alunar」
Lo Borges/Marcio Borges作。本曲ではDori Caymmiがアレンジを担当。美しくドラマチックなブラジル・ロックに仕上がっています。本作ならではのダイナミックなロック・サウンドを堪能できます。個人的にはアルバムで一番面白い曲だと思います。特にロック・ファンはグッとくると思います。
「A Felicidade」
Antonio Carlos Jobim/Vinícius de Moraes作。ラストはサウダージ・モードのJobim作品で締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZPs0VbGKX6g
CDには「Tema de Tostao」、「O Homem Da Sucursal」、「Aqui E Pais Do Futebol」、「O Jogo」の4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。本編とは雰囲気が異なりますが、サッカー好きにはリラックスした「Aqui E Pais Do Futebol」、「O Jogo」の2曲にグッときます。
他の初期Milton Nascimento作品もチェックを!
『Milton Nascimento(Travessia)』(1967年)
『Courage』(1968年)
『Milton Nascimento』(1969年)
Milton Nascimento & Lo Borges『Clube Da Esquina』(1972年)