発表年:1980年
ez的ジャンル:無国籍風ひねくれAOR
気分は... :勇敢なガウチョたちよ!
今月アタマに投稿した本ブログの2006年4月-6月アクセス数Top10でDonald Fagen『The Nightfly』(1982年)が第2位に入った。第1位になったDigital Underground『Sex Packets』は怪しげなアクセス数がかなり含まれるので、Donald Fagen『The Nightfly』が実質的な第1位だ。Steely Dan人気の根強さを改めて実感しやした。
ということで、Steely Danの実質的ラストアルバム『Gaucho』(1980年)っす。
*個人的には、約20年の空白を経て発表された『Two Against Nature』(2000年)を『Gaucho』までのアルバムと同列で扱いたくはない。
僕がリアルタイムで聴いた最初のSteely Danは以前にも記事投稿した『Aja』(1977年)だった。洋楽を聴き始めたばかりの中学生の僕にとって、『Aja』のスタイリッシュなサウンドは衝撃だったし、ヒットナンバー「Peg」をカセットで何度も繰り返し聴いていたなぁ。
そんな中でSteely Dan待望の新作というかたちで聴いたのが『Gaucho』(1980年)だった。正直、当時の僕の耳には『Aja』に比べて地味な作品という印象が強かった。悪くはないけど、インパクトには欠ける気がしたなぁ。
なので、『Aja』とDonald Fagenのソロ『The Nightfly』という強力作の狭間で分が悪い作品が『Gaucho』という感じだったね。
でも、最近(というかここ10年ほど)は『Gaucho』が大分気に入っている。
このアルバムの持つ無国籍なエキゾチック感覚が、とても心地良く僕の耳に入ってくるようになったみたいだね。
Donald Fagen、Walter Beckerのメンバーに加え、相変わらず(彦摩呂ふうに)ミュージシャンのグルメパークやぁ〜!
主なところは、ギターのHugh McCracken、Mark Knopfler、Rick Derringer、Larry Carlton、Steve Khan、ベースのChuck Rainey、Anthony Jackson、キーボードのDon Grolnick、Joe Sample、ドラムのRick Marotta、Jeff Porcaro、Bernard Purdie、Steve Gadd、パーカッションのRalph MacDonald、Victor Feldman、ホーンセクションのRandy Brecker、Michael Brecker、David Sanborn、Tom Scott、バックボーカルのValerie Simpson、Patti Austin、Michael McDonaldなど。
ちなみに、アルバムタイトルの『Gaucho』とは南米のカウボーイのこと。アルゼンチンなどでは、この言葉に“英雄”の意味を込めて使うのだとか。日本で言う“侍”みたいなニュアンスがあるのかもね。
全曲紹介しときやす。
「Babylon Sisters」
いきなりマッタリと気だるいカンジのオープニング。アルバム全体を支配する乾いたクールネスが特に印象的なナンバー。Donald Fagenのボーカルのひねくれ感と実にマッチした曲調だよね。そんな中でPatti Austinをはじめとする華やかな女性コーラス陣が、まさにバビロンの乙女達のように聴こえます。
「Hey Nineteen」
Top10ヒットとなったアルバムからの1stシングル。なんか不思議な曲調がクセになるナンバー。歌詞の♪19才の君じゃ憶えていないだろうが♪あれがAretha Franklin!ソウルの女王さ♪という部分が印象的だね。この歌のように、オヤジになると19才の子と共通の話題がなくなるのかね?でも、オレには音楽の話題があるさ!
「Glamour Profession」
イントロを聴いた時に、この一瞬調子っぱずれに聴こえる奇妙な浮遊感に、最初はレコードの回転がおかしいのかと思った(笑)アメリカンな都会の雰囲気でもあり、ヨーロピアンな雰囲気もある、よくわからんSteely Danらしいひねくれナンバー。今聴くと、『The Nightfly』の「New Frontier」のプロトタイプみたいにも聴こえるね。
「Gaucho」
ラテン・フレイヴァーのタイトル曲。ラテンといっても陽気なグルーヴではなく、まさに南米の勇敢なカウボーイのような男気あふれるラテン・ナンバーなところがいいよね。
「Time Out Of Mind」
アルバムからの2ndシングル。Dire StraitsのリーダーMark Knopflerのギターソロが話題だったね。コーラスもValerie Simpson、Patti Austin、Michael McDonaldという豪華な布陣。アルバムの他の曲と比べて、実に輪郭がはっきりしたカチッとした音が印象的ですな。キャッチーさとカッチョ良さで言えば、この曲が一番かもね?
「My Rival」
「Third World Man」
正直、昔はこのラスト2曲は飛ばして聴くことが多かった。でも、最近はこの2曲のシブ〜い感じが結構気に入っている。「My Rival」は、エスニック・ムードたっぷりの変てこナンバー。なんかこのユルユル感がいいね!「Third World Man」は、このアルバムの無国籍感を象徴する哀愁のナンバー。Donald Fagenらしいダンディズムにも溢れているよね。後半のダイナミックな展開は「Aja」を彷彿させるよね。
そう言えば、巷ではガウチョ・ファッションが流行っているらしい。
本ブログでも絶賛の嵐(?)だったTVドラマ『ギャルサー』の藤木直人演じた進之助のカウボーイ姿がその火付け役だったのだとか?
僕的にはジェロニモ・ファッションの方が興味ある???
「スティーリー・ダン」との出会いはこのアルバムがきっかけだった事もあり、そのあまりにも衝撃的な音に感動した記憶があります。
ホントいいアルバムですよね〜。
ありがとうございます。
僕も年を重ねるにつけ、キャッチーな『Aja』からシブ〜い『Gaucho』へ好みがシフトしてきている感じですかね。昔、「My Rival」、「Third World Man」を飛ばして聴いていた自分の耳がお恥ずかしい限りです。
ところで、「Gaucho」。
みんな同じ様に感じるのでしょうか?私も、昔は、「Aja」のほうが断然好きでだったのですが、「Gaucho」は、歳をとるにつれて好きになりました。
不思議です。どうしてでしょうね。
ところで、Steely DanのライヴがNYであるのですが、もう残ってるチケットが高すぎて、困ってます!
ありがとうございます。
さすがSteely Dan関連は一言!ってカンジですね(笑)
『Gaucho』は、ある意味とってもミステリアスな作品かもしれませんね。
個人的には、この作品の無国籍な雰囲気が年月と共にフィットしてきた感じですね。
NYでSteely Danのライブなんて、いかにも雰囲気あって良さそうですね(^0^)