2006年07月13日

Harlem River Drive『Harlem River Drive』

Eddie Palmieriによるサルサとジャズ、ソウル/ファンク、ロックの融合☆Harlem River Drive『Harlem River Drive』
Harlem River Drive
発表年:1971年
ez的ジャンル:サルサ系ラテン・レアグルーヴ
気分は... :サルサのようでサルサでない!

先日The Salsoul Orchestraを記事投稿した時に、懐かしくなって、Fania All-Stars、Eddie Palmieri、Willie Colonあたりのサルサ・アーティストのアルバムを久々に聴いていた。

そんな中で、今iPodで良く聴いているのがEddie Palmieriの1972年のシン・シン刑務所での名作ライブ『Recorded Live at Sing Sing』だ。プエルトリコ移民二世のEddie Palmieriは、兄Charlie Pamieriと並ぶニューヨーク・サルサを代表するピアニスト。

Eddie Palmieriは、兄Charlie Pamieri、Ray Barretto、Johnny Pachecoらと共に1960年代のニューヨーク・ラテン・シーンを牽引し、1970年代初めのサルサ・ブームを築き上げた功労者の一人と呼べるであろう。

一方で、70年代のサルサ・シーンの中心と言えば、Fania All-Starsで一躍有名になったレコード会社Faniaだったが、Faniaとは距離を置くかたちで、独自のニューヨーク・ラテン音楽を構築しようとしたEddie Palmieriは異色の存在だったのかもしれない。

そんなEddie Palmieriの全盛期は1970年代前半の作品群であろう。『Recorded Live at Sing Sing』もそんな中の1枚だ。でも、残念なことに、アマゾンでは『Recorded Live at Sing Sing』を新品入手が困難なようなので、アマゾンで新品入手できそうなHarlem River Drive『Harlem River Drive』(1971年)を今回は取り上げマス。

Harlem River Driveは、Eddie Palmieriらを中心としたニューヨーク・ラテン・ミュージシャンらによるプロジェクト的なグループであり、そのプロジェクトによるスタジオ作が『Harlem River Drive』である。

先のEddie Palmieri『Recorded Live at Sing Sing』も厳密には、Eddie Palmieri with Harlem River Driveというクレジットになっている。その意味で『Harlem River Drive』と『Recorded Live at Sing Sing』は兄弟アルバムと呼べるかもしれない。

ただし、『Harlem River Drive』と『Recorded Live at Sing Sing』は、かなり異なった印象的を受ける。

『Recorded Live at Sing Sing』の方は、ニューヨーク・サルサの全盛を切り取ったようなモロにサルサなアルバムであり、歌詞もスパニッシュで歌われる。

一方の『Harlem River Drive』は、サルサのアルバムというよりも、ニューヨーク・ラテンとジャズ、ソウル/ファンク、ロックを融合を試みたアルバムであり、歌詞も全て英語である。今で言えば、ラテン・レアグルーヴという括りになるのかも?

『Harlem River Drive』の方は、参加メンバーもニューヨーク・ラテン・ミュージシャン以外にも、Bernard Purdie、Cornell Dupree、Randy Breckerといったお馴染み凄腕スタジオ・ミュージシャンの名がクレジットされていマス。

サルサと他ジャンルの融合を図ったEddie Palmieriのユニークな意欲作として、ご堪能下さい。

全曲紹介しときやす。

「Harlem River Drive (Theme Song)」
ソウルフルなラテン・グルーヴに仕上がったテーマソング。単なるサルサ・アルバムではないことがこの1曲でわかりマス。兄Charlie Pamieriのオルガンがえらくカッチョ良いね!

「If (We Had Peace Today)」
これはメロウなミディアムだね。同じラテン系ということで言えば、AztecaやMaloあたりのメロウ・ナンバーと似ているかもね。

「Idle Hands」
ファンキーなラテン・ファンク。今回聴いていたら、少しニューソウルっぽいテイストも漂っている印象を受けた。なかなか奥深い手強いナンバー。

「Broken Home」
Jimmy Normanのボーカルが前面にプッシュされたソウルフルかつフリーキーなナンバー。この曲もCharlie Pamieriの幻想的なオルガンが実にインパクトがあるね。

「Seeds of Life」
フリーソウルのコンピ『Free Soul Vibes』にも収録されたレアグルーヴ・ファンにはお馴染みのナンバー。James Brownノリのカッチョ良いラテン・ジャズ・ファンクに仕上がっていマス。

Eddie Palmieriの作品で言えば、『Vamonos Pal Monte(山へ行こう)』『Superimposition』『Justicia 』というTicoレーベル三部作は、未聴ですが機会があれば、ぜひ聴いてみたい作品ですね。

コレクション枚数は少ないですが、サルサもぼちぼち紹介していきますねっ!
posted by ez at 02:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
真っ黒いラテン・グルーヴ。
ワタシはコノ路線が大好きなんです。

が。

たった5曲。
ワズカ30分。

ボリュームの少なさが、この傑作の唯一の欠点。

もっと、腹いっぱい聴きたいですね!
Posted by bugalu at 2006年07月13日 20:23
☆bugaluさん

ありがとうございます。
たしかに10曲くらいは聴きたい気がしますね。
ラテン・レアグルーヴ方面は詳しくないので、
bugaluさんのブログで少し勉強させていただきます。
Posted by ez at 2006年07月14日 02:31
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