発表年:1967年
ez的ジャンル:ブリティッシュ・サイケ・ロック
気分は... :ユラユラ〜☆
僕はSteve Winwoodのソウルフルなボーカルが大好きだが、その割には彼のキャリアを代表するグループTrafficの作品への思い入れは、それ程高くない。
スキな度合いで言えば、「Spencer Davis Group>ソロ作品>Traffic」の順かな?純粋にSteve WinwoodのソウルフルなボーカルをグルーヴィーなR&Bノリのサウンドで堪能したいという僕のような人にとっては、Trafficは相性が悪いのかもね?
でもTrafficのアルバムは殆ど持っているし、Trafficの他の主要メンバーであるDave MasonやJim Capaldiのソロ作品も結構持っていて、案外好きだったりする。
Trafficというグループをきちんと聴くためには、Winwoodばかりにフォーカスするのではなく、Winwood以外のメンバーの個性も含めて、多様な音楽の要素を取り入れたTrafficサウンドを楽しむという聴き方が必要なのかもね?
Trafficとの出会いがうまくいかなかった僕だけど、それでも1stアルバム『Mr. Fantasy』と2ndアルバム『Traffic』は名作だと思う。
よく言われるように、Beatlesに例えるならば、『Mr. Fantasy』は『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』のような細部にもこだわったトータルな構成のサイケなアルバムであり、『Traffic』は『The Beatles(ホワイト・アルバム)』のような、各曲の完成度にこだわった叙情的なアルバムだ。
最近の僕の音楽嗜好で言えば、サイケな『Mr. Fantasy』の方が好みかも?
幻想的なジャケットのイメージそのままに、ユラユラとした不思議な浮遊感が気持ちイイ!このストレンジなテイストはCreamあたりにも通じるブリティッシュ・ロック・グループ独特の感じかもね?
メンバーは、Steve Winwood、Dave Mason、Chris Wood、Jim Capaldiの4人。ちなみにSteve Winwood在籍時のThe Spencer Davis Groupの最後のシングルであり、僕の大好きな名曲「I'm a Man」のレコーディングには、Dave、Chris、Jimの3人が参加している。
先に書いたように、Steve Winwoodが目立つグループだが、4人の強力な才能を楽しむアルバムだと思います。
全曲紹介しときヤス。
「Heaven Is in Your Mind」
ブリティッシュ・ロックらしさとサイケな雰囲気が融合したオープニング。中盤以降の幻想的だけどブルージーな展開がカッチョ良いね!
「Berkshire Poppies」
「House for Everyone」
Beatles『Sgt. Pepper'〜』の影響が顕著な2曲。Winwoodを中心に考えれば、こうした作品は不要な感じもするが、このあたりを堪能するのが本作を楽しむコツなのかも?「Berkshire Poppies」は、ドラッギーなタイトルのサイケ時代らしいナンバー。Small FacesのSteve Marriottなんかもゲスト参加していマス。「House for Everyone」は時計のネジを巻く効果音が印象的だよね。
「No Face, No Name, No Number」
これはWinwoodファンにはウレシイ、Winwoodの哀愁感たっぷりのソウルフルなボーカルを堪能できるバラード。このアルバムが制作されたバークシャーの田舎のような素朴な感じや、バロック風の幻想的なアレンジも実にいいねぇ〜!
「Dear Mr. Fantasy」
ユラユラとした不思議な浮遊感を満喫できるタイトル曲。この1曲に、この時代の雰囲気やTrafficというグループの音楽的な魅力が凝縮された名曲だと思いマス。特に後半の展開はスリリングでもっと長尺で聴きたいよね。
「Dealer」
実はアルバムで一番好きな曲がJim Capaldi作品のコレ。フルートの幻想的な音色とフォーキーなグルーヴ感のバランスがサイコーにカッチョ良い。
「Utterly Simple」
Dave Mason作品のラーガ・ロック。Masonのインド嗜好が全面にプッシュされたナンバー。シタールやタブラ好きの方にはオススメです。かく言う僕も結構このタイプにはヤラれやすい。
本作ではMasonの単独作が3曲もあり、その意味では一番音楽的主張が高かったのはMasonかもね?しかも、Masonはこの後グループを出たり、入ったりで、案外自己チューな性格な人だよね(笑)
「Coloured Rain」
やっぱりソウルフルなボーカルとオルガンがないと!というWinwoodファン向けのブルージーなナンバー。
「Hope I Never Find Me There」
これもDave Mason作品。このように聴いてくると、Mason作品が一番サイケ度が高い。後にスワンプ・ロック・ブームにも素早く対応したあたりを見ると、Dave Masonという人は時代に敏感に反応しやすいタイプなのかもね?
「Giving to You」
以前はプログレやジャズの雰囲気に支配されたインストの印象が強く、いつもスキップして聴いていなかったが、今回聴いてみると、Winwoodのオルガンが案外カッチョ良い。でも、この曲のハイライトはイントロとエンディングだね(笑)
僕の持っているCDには未収録だが、現在発売中の新品CDには、「Paper Sun」、「Hole In My Shoe」といった本作に先駆けてリリースされたシングル曲などがボーナス・トラックで追加されていマス。これはお得だよね!
Steve Winwood、Dave Mason、Jim Capaldiのソロ作品も、そのうち取り上げマス。
CDでは輸入盤でモノ、ステレオ版両方が収録されてるのを持ってます。
ペイパーサンって凄い好きな曲ですね。いかにもBritishぽい感じで。ピンクフロイドの初期シングル エミリーはプレイガール(大名曲) に雰囲気が似てマス。
初期ピンクフロイドといえば、シドバレット氏が亡くなったそうです…享年60歳。もっともっと作品を作って欲しかった。フロイドの1stは傑作なだけに。
ご冥福をお祈りします
ありがとうございます。
このアルバムはまずジャケに引き込まれますよね。
おっしゃる通り、ブリティッシュらしいサイケなサウンドが魅力のアルバムですね。
Syd Barrettは、本当に旅立ってしまいましたね。
ある意味、月の裏側から表側に舞い戻ってきたのかも?
供養のために『The Madcap Laughs』を久々に聴きました。
天国では安らぎを見つけて欲しいですね