発表年:1972年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ソフトロック
気分は... :夢なら覚めないで!
今回はブラジリアン・ソフトロックの人気作Ronald Mesquita『Brasil 72』(1972年)です。
Ronald Mesquita(Ronie Mesquita)はBossa Rioの活動などで知られる実力派ドラマー。Tenorio Jr.『Embalo』のドラムもMesquitaですね。
今日紹介する『Brasil 72』は1972年にフランスのBarclayからリリースされたアルバムです。
レコーディング・メンバーは、Ronald Mesquita(ds、per)、Ricardo Do Canto(b)、Rolando Faria(per、g、vo)、Ricardo Pontes(fl、per、as)、Marily Tavares(vo)、Gilson Peranzzetta(p、el-p、per、g)の6名。Marily TavaresとRolando Fariaの男女ヴォーカルがいいですね。また、サウンド面ではGilson Peranzzettaの貢献が大きいと思います。
中身の方は、Sergio Mendes、Bossa Rioの流れを汲むメロウなソフト・ボッサ、軽快なジャズ・サンバを満喫できる1枚に仕上がっています。また、70年代らしくメロウなエレピなどのクロスオーヴァー・サウンドも聴くことができます。
キラー・トラック「Balanca Pema」、カフェ・アプレミディ人気曲「Quatro De Dezembro」など小粋なブラジリアン作品が数多く収録されています。
Sergio Mendes、Bossa Rioがお好きな方はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Balanca Pema」
オープニングはJorge Benの名曲カヴァー。Jorge Benのオリジナルは『Samba Esquema Novo』(1963年)に収録されています。当ブログではMarisa Monteのカヴァーも紹介済み。本ヴァージョンは本作のキラー・トラックとも呼べるグルーヴィーなソフト・ボッサに仕上がっています。小気味良いリズムをバックに、Marily TavaresとRolando Fariaが小粋な男女ヴォーカルで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=DSBjAte1f9k
「Dabadeia」
Luis Gonzaga Jr./Cesar Costa-Filho/Aldir Blanc作。Marily Tavares & Rolando Fariaの哀愁スキャットがサウダージ気分にさせるボッサ・チューン。
「Aguas De Marco」
Antonio Carlos Jobimの名曲「三月の水」のカヴァー。当ブログではTania Maria、 Sergio Mendes & Brasil '77、
Stacey Kent(フランス語ヴァージョン)のカヴァーも紹介済みです。ここでは軽快かつエレガントなジャズ・ボッサの「三月の水」を聴くことができます。
「Cancao Do Sal-Tema De Tostao」
Milton Nascimentoのメドレー。「Cancao Do Sal(塩の歌)」は女王Elis Reginaのヒットで知られる楽曲。先日紹介したBossa Rio『Bossa Rio』でもカヴァーしており、Mesquitaのお気に入り曲なのかもしれませんね。「Tema De Tostao」は先日紹介したMilton Nascimento『Milton』のボーナス・トラックに収録されていました。ここでは大人のボッサ・チューン「「Cancao Do Sal」〜小粋なジャズ・サンバ「Tema De Tostao」といった流れで聴かせてくれます。
「Fechado Pra Balanco」
Gilberto Gil作品のカヴァー。当ブログではElis Reginaのカヴァーも紹介済みです。ここではクールでテンポの良い仕上がりで聴かせてくれます。Marily TavaresとRolando Fariaの息の合ったヴォーカルがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=miiOTJogIsA
「O Gato」
Luis Gonzaga Jr.作。エレピの音色がクロスオーヴァー色を感じさせる小粋なボッサ・グルーヴ。
「Tarde Em Itapoa」
Toquinho & Vinicius De Moraes作の名曲「イタプアンの午後」のカヴァー。個人的にはアルバムで一番のお気に入りのメロウ・ボッサ。Marily TavaresとRolando Fariaの男女ヴォーカルが実にロマンティック!
「Casa De Campo」
Ze Rodrix/Tavito作。感動的なバラード。この切ない雰囲気は梅雨の時期にピッタリかも?
「Quatro De Dezembro」
Tiao Motorista作。カフェ・アプレミディのコンピにも収録されていた人気曲。明るく開放的なサンバ・チューンを聴いていると、心も晴れやかな気分になります。
「Papagayo」
Gilson Peranzzetta/Joao Cortez作。クロスオーヴァーな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=B68Fz1RHMr8
「Zanzibar」
ラストはフロア・キラー・チューンとしてお馴染みのEdu Loboの名曲カヴァー。Earth,Wind & Fireのカヴァーでお馴染みですね。当ブログではSteen Rasmussen Feat. Josefine Cronholmのカヴァーも紹介済みです。ここではクール&スピーディーなブラジリアン・グルーヴに仕上がっています。
Ronald Mesquita(Ronie Mesquita)参加作品として、Bossa Rio、Tenorio Jr.『Embalo』もどうぞ!
Bossa Rio『Bossa Rio』(1970年)
Bossa Rio『Alegria!』(1970年)
Tenorio Jr.『Embalo』(1964年)