発表年:2011年
ez的ジャンル:実力派女性ネオ・ソウル
気分は... :今回のLedisiは僕好み...
今回は新作R&BアルバムLedisi『Pieces Of Me』です。
女性ネオ・ソウル・シンガーLedisiの紹介は『Lost & Found』(2007年)に続き、2回目となります。
3rdアルバム『Lost & Found』(2007年)は派手さはないものの、本格派の女性ネオ・ソウル作品としてグラミーのBest R&B Albumにノミネートされるなど評価の高い1枚でした。個人的にもかなりお気に入りの1枚で、『ezが選ぶ2007年の10枚』にセレクトするか否か最後まで迷った記憶があります。
そして、Jam & Lewis、Raphael Saadiqもプロデュースで参加した前作『Turn Me Loose』(2009年)は全米R&Bアルバム・チャート第1位となり、『Lost & Found』に続きグラミーBest R&B Albumにノミネートされました。
でも何故か『Turn Me Loose』は当ブログで紹介していません。
良い作品だとは思いましたが、『Lost & Found』に比べて商業的成功を意識した作品というイメージがあって紹介を躊躇したのかもしれません。
そうした中での新作『Pieces Of Me』でしたが、僕好みの"派手さはないけど本物のレディ・ソウル"作品に仕上がっています(笑)。アルバム全体をLedisi自身がしっかりコントロールしているように感じられるのが嬉しいですね。欠けていた1ピースがしっかりハマった感じです。
前作『Turn Me Loose』でのJam & Lewis、Raphael Saadiqのような目立つ存在の参加はありません。
それでも盟友Rex Rideoutをはじめ、Chuck Harmony、Claude Kelly、Kay Gee(Naughty by Nature)、Mike City、Salaam Remi、Carvin & Ivan(Carvin Haggins、Ivan Barias)等R&Bファンにはお馴染みの仕事人たちがプロデューサーとして起用されています。また、男性R&BシンガーJaheimがゲスト参加し、John Legendもソングライティングで参加しています。
このあたりの人選も僕好みです(笑)
聴けば聴くほど、味わいの深まるレディ・ソウルにじっくりと耳を傾けましょう。
※YouTubeで本作をチェックする方へ
6/26時点でYouTubeでの本作音源をチェックしたら、オフィシャルPVのある「Pieces Of Me」以外は少しテンポを早くしたものがアップされており、実際のCD音源とは異なる印象になっているのでご注意を!ここでもそうした音源は紹介しません。
全曲紹介しときやす。
「Pieces Of Me」
先行シングルにもなったタイトル曲。Chuck Harmony/Claude Kellyの強力コンビがプロデュース&ソングライティングを手掛けています。僕の場合、Chrisette Michele『Epiphany』での素晴らしい仕事ぶりが印象に残るコンビですね。ここでもじっくりしっかり聴かせるミディアム・スロウでLedisiの魅力を引き出しています。琴の音色を思わせるサウンドも日本人には印象的ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=McUj4t3TkPA
「So Into You」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。二人に加え、ギターで先導するDarrell Crooksもソングライティングに参加しています。盟友Rex Rideoutと息の合ったコンビネーションで仕上げたネオ・ソウルらしいミッド・チューン。個人的にはこういうさり気ない曲って好きなんですよね。
「Bravo」
Jon Jon Traxx/Claude Kellyプロデュース。Claude Kellyの本領発揮といった感じですね。彼らしい哀愁メロディをLedisiがしっかりと歌い上げます。
「Stay Together」
Jaheimとのデュエット。Rex Rideout/Ledisiプロデュース。Jaheimとの相性は抜群ですね。素晴らしい大人のネオ・ソウルに仕上がっています。Rex Rideoutによるジャジーなサウンド・プロダクションもグッド!
「Coffee」
Kay Gee/KoShah E. Daniels/Paperboy Fabe Nahounou/Balewa Muhammadプロデュース。Naughty by NatureのKay Geeの参加が注目です。そんせいかGrover Washington Jr.「Black Frost」ネタのトラックが実に印象的です。
「Hate Me」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。実力派ギタリストMichael Ripollがギター&ソングライティングで参加しています。ブルージーな味わいが激シブの1曲です。
「Shut Up」
Mike City/Ledisi Youngプロデュース。ミッドナイトな疾走感が心地好い軽快なダンス・チューン。さすがMike Cityですね。アルバム全体のいいアクセントにもなっています。黙って踊れ!って感じでしょうか。
「Shine」
Jon Jon Traxx/Claude Kelly/Ledisiプロデュース。タイトルの通り、ポジティヴモードの"シャイン"な仕上がりです。派手さはありませんが、なかなか完成度の高い1曲です。
「I Miss You Now」
Phatboizプロデュース。John Legendがソングライターの一人としてクレジットされています。哀愁モードたっぷりに艶っぽく歌うLedisiのヴォーカルが素晴らしいです。
「BGTY」
Salaam Remiプロデュース。60年代ソウルへのオマージュを感じる本格的ソウル・チューン。Ledisiの実力を考えれば、こういうタイプの曲がハマるのは予測できますが、1曲で止めているのが構成の妙だと思います。
「Raise Up」
Rex Rideout/Ledisiプロデュース。聴けば聴くほど味わいが増してくる本格派レディ・ソウルらしい1曲。前述のLedisi自身がアルバムをしっかりコントロールという印象を最も感じる1曲です。
「I Gotta Get To You」
Carvin & Ivan(Carvin Haggins、Ivan Barias)/Ledisiプロデュース。ラストは美しいネオ・ソウル・チューン。アルバムの余韻に浸れる素晴らしいエンディングです。
『Soulsinger: The Revival』(2000年)
『Lost & Found』(2007年)
『It's Christmas』(2008年) ※クリスマス・アルバム
『Turn Me Loose』(2009年)