2006年07月24日

Beastie Boys『Paul's Boutique』

悪ガキ3人組による緻密なHip-Hop☆Beastie Boys『Paul's Boutique』
Paul's Boutique
発表年:1989年
ez的ジャンル:悪ガキ系Hip-Hop
気分は... :サンプリングの嵐☆

今回は永遠の悪ガキどもBeastie Boysの2nd『Paul's Boutique』(1989年)デス。

以前にも書いたように、僕が最初に購入したHip-HopアルバムはDe La Soul『3 Feet High And Rising』(1988年)だった。

そんな僕にとって、Hip-Hopがアンダーグラウンドな音楽ではなく、メジャーなものであると印象づけてくれたのが、Run DMC『Rising Hell』(1986年)、Beastie Boys『Licensed to Ill』(1986年)の2枚デス。

Beastie Boysは、Mike D、MCA、John Berry、Kate Schellenbach(後にLuscious Jacksonへ加入)の4人で1981年に結成された。当初はハードコア・パンクのバンドであったが、プロデューサーRick Rubinとの出会いが、彼らをHip-Hopグループへと転身させ、Mike D、MCA、Ad-Rockの3人体制となり、Def Jamから発表したデビューアルバム『Licensed to Ill』(1986年)が大ヒットした。

しかし、その後契約のゴタゴタが訴訟問題へと発・し、Def Jamを離れ、新たにCapitolと契約を交わすこととなった。拠点もニューヨークからロサンゼルスへと移し、Dust Brothersをプロデューサーに揃えて、制作された作品が本作『Paul's Boutique』(1989年)である。

大ヒット作『Licensed to Ill』は、悪ガキの勢いをパンクとHip-Hopをミクスチャーしたようなサウンドで結実させた作品だった。それに対して、本作『Paul's Boutique』(1989年)は、緻密に作り込まれたトラックにより、サンプリングの醍醐味が味わえるアルバムだ。

残念ながら、僕は本作はリリース時には結局聴かずじまいで、その後90年代に入り、本格的にHip-Hopを聴くようになってから、後追いで聴いた。

本来、彼らの代表作と言えば、彼ららしいスタイルを確立した3rd『Check Your Head』(1992年)、4th『Ill Communication』(1994年)あたりかもしれないけど、個人的にはこの2ndも捨て難いっす。

特に、BeatlesPaul McCartney、Eaglesといったロック・ネタも多く、普段Hip-Hopを聴かないロック好きの人もネタ使いにニヤリとする作品も多いと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Shake Your Rump」
Alphonse Mouzon「Funky Snakefoot」のドラムブレイクがメチャかっちょ良い、シングルカット曲。Rose Royce「6 O'clock DJ (Let's Rock)」ネタのダークなサウンドも印象的ですね。この1曲で1st『Licensed to Ill』からの進化を明らかに感じることができますね。Dust Brothersの手腕はお見事ですな!

他にJames Brown fest. Afrika Bambaata「Unity」、Afrika Bambaataa「Jazzy Sensation」、Harvey Scales「Dancing Room Only」、Rose Royce「Born To Love You」、Rose Royce & Norman Whitfield「Yo Yo」、Ronnie Laws「Tell Me Something Good」、Funky 4 Plus 1「That's The Joint」、Sugarhill Gang「8th Wonder」ネタ。

「Johnny Ryall」
Paul McCartney「Momma Miss America」のドラムブレイクがBeatlesファンにはウレシイ限り。シンプルでストレートなトラックがかえっていいカンジかも?

他にDonny Hathaway「Magnificent Sanctuary Band」、Jean Knight「Mr. Big Stuff」、David Bromberg「Sharon」、DJ Grand Wizard Theodore「Military Cut (Scratch Mix)」ネタ。

「Egg Man」
名曲Curtis Mayfield「Superfly」をベースに、ヒッチコック監督の名作映画『サイコ』の有名なシャワーシーンで使われたBernard Herrmann「A Suite For Strings」ネタが絡んでくるトラックはかなり強烈だよね。かなり好きだね!

他にCommodores「I'm Ready」、Lightin' Rod「Sport」、Tower of Power「Drop it in the Slot」、Elvis Costello「Pump it Up」、Sly & The Family Stone「Dance To The Music」ネタ。

「Sounds Of Science」
「Johnny Ryall」以上にBeatlesファンを歓喜させる曲。なんと「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」、「When I'm Sixty-Four」、「The End」というBeatlesネタ3連発。特に「The End」の使い方はカッチョ良いよね☆他にJames Brown「Get Up, Get into It, Get Involved」、Isaac Hayes「Walk from Regio's」、Boogie Down Productions「My Philosophy」ネタ。

「High Plains Drifter」
The Fatback Band「Put Your Love (In My Tender Care)」ネタの官能トラックが印象的なナンバー。他はEagles「Those Shoes」、Loggins & Messina「Your Mama Don't Dance」、Ramones「Suzy is a Headbanger」といったロックネタ。

「Hey Ladies」
アルバムで一番好きなシングルカット曲。やんちゃなBeastie'sの魅力と緻密でファンキーなトラックが実にうまくまとめ上げられていると思いマス。

大好きなZapp「Dance Floor」をはじめ、James Brown「Ain't it Funky」、「Funky President」、Commodores「Machine Gun」、Bar-Kays「Holy Ghos」、Cameo「Shake Your Pants」、Jeanette 'Lady' Day「Come Let Me Love You」、Kool and the Gang「Jungle Boogie」、P-Funk All Stars「Pumpin it Up」、Roger「So Ruff, So Tuff」、Edwin Starr「Involved」といったネタをお気に入りデス。

「Car Thief」
これもファンキーかつミステリアスなトラックが魅力のナンバー。Funk Factory「Rien Ne Va Plus」、Funkadelic「I Bet You」、Jackson 5「I'll Bet You」、Trouble Funk「Drop the Bomb」、Donovan「Hurdy Gurdy Man」ネタ。

「What Comes Around」
Gene Harris & the Three Sounds「Put on Train」ネタの重く引きずるようなトラックが印象的ですね。Alice Cooper「It's Hot Tonight」、Led Zeppelin「Moby Dick」ネタ。

「Shadrach」
これもシングルカットされたナンバー。Rose Royce「Do Your Dance」、Sly Stone「Loose Booty」、Black Oak Arkansas「Hot and Nasty」ネタの絡みによるファンキーかつエッジの効いたトラックがカッチョ良いナンバー。

James Brown「Funky Drummer」、Trouble Funk「Good to Go」、Ballin'jack「Never Let'em Say」、Spoonie G & the Treacherous Three「SugarHill Groove」ネタ。

もしかしたら、ネタは一部あやしいものもあるかも?間違っていたらゴメンナサイ。
posted by ez at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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