発表年:2011年
ez的ジャンル:ジャジー・ポップ系女性ヴォーカル
気分は... :諸刃の剣?
今回はワシントンDC出身の女性ヴォーカリストAkua Allrichのデビュー・アルバム『A Peace of Mine』です。
彼女の詳しいプロフィールは不明ですが、名門ハワード大学でジャズ・ヴォーカルを学び、英語を含むポルトガル語、フランス語、スペイン語など6ヵ国語を話すマルチリンガルという才女のようです。名前やルックスからもアフリカ系のルーツを強く感じさせます。
Musiq Soulchildを手掛けたこともあるJermaine Mobleyがプロデューサーに起用されたデビュー・アルバム『A Peace of Mine』ですが、彼女の持つ音楽性の多様さを楽しめる1枚に仕上がっています。
基本はジャズ・ヴォーカルですが、曲によってキュートなポップ・ヴォーカル、魂のソウル・ヴォーカルを器用に使い分けているのが素晴らしいですね。サウンド面でもジャズを中心に、ジャジー・ポップ、ソウル/R&B、レゲエ、ブラジル音楽、アフリカ音楽といったさまざまなジャンルのエッセンスが散りばめられています。
試聴する前は、ジャジー・ソウル/ジャジー・ポップな作品をイメージしていましたが、実際に聴いてみるとヴォーカル・スタイルの多様さと、レゲエ、ブラジル音楽、アフリカ音楽まで取り入れたサウンドの多様さに魅了されました。
こういったジャンルレスの女性アーティストって商業的には売り出し方が難しいかもしれませんが、内容的にはかなり面白いと思います。
全曲紹介しときやす。
「Hard To Get」
オープニングはボッサ・テイストのジャジー・ソウル。ネオ・ソウル/ネオ・フィリー系の音が好きな人は気に入るであろう1曲。キュート女性ヴォーカル+ボッサ・テイスト+ジャジー・ソウルという組み合わせがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=j0GrFvdDzCg
「Sweet Dreams Man」
個人的には一番のお気に入り。オーガニック感が心地好いジャジー・ポップ。Giovancaあたりと一緒に聴きたくなる晴れモードの1曲。アフリカン・リズムのパーカッシヴ感も僕好み。
「Gypsy Lover」
レゲエ調サウンドに気だるいヴォーカルが絡む1曲。モロにレゲエじゃなくてレゲエ調ジャジー・ソウルといった趣がいい感じ。
「If I Had a Chance」
Akua Allrichの基本はジャズなのだ!と実感させてくれる感動ジャズ・バラード。オープニングの「Hard To Get」のキュートな歌声と同一人物なのか?と思いたくなる本格派ヴォーカルで堂々と歌い上げます。
「All The Things You Are」
スタンダード・カヴァー1曲目。Oscar Hammerstein II作詞、Jerome Kern作曲。1939年のミュージカル『Very Warm for May』のために書かれた楽曲です。当ブログではJohn Lewis & Sacha Distelのカヴァーを紹介済みです。ここではピアノ・トリオをバックに表情豊かなヴォーカルを披露してくれます。
「Too Hard」
Aretha Franklinあたりへのリスペクトを感じるソウルフル・バラード。ゴスペル調のコーラス&サウンドをバックに魂のヴォーカルを聴かせてくれます。前曲のジャズ・ヴォーカルと全く異なるスタイルのソウル・ヴォーカルを難なくこなしてしまうAkuaに脱帽です。
「Just Wait」
前曲に続き、ソウルフルな味わいの仕上がり。ブルージーな雰囲気がグッド!
「Fire」
アフリカン・テイストを前面に打ち出した1曲。Akuaの中にあるアフリカンなDNAをしっかり感じ取ることができます。
「Sweet」
再びレゲエ・チューン。ここではダビーなレゲエ・サウンドでディープに迫ってきます。
「I'm not Crazy」
レゲエ調のジャジー・ポップ。Akuaの持つ無国籍な雰囲気にマッチした仕上がりです。
「You Make Me Crazy」
ノスタルジックな雰囲気のジャズ・チューン。即興で1曲やってみました!的なリラックスした雰囲気が伝わってきます。
「Black Orpheus」
スタンダード・カヴァー2曲目。Luiz Bonfa作の名曲「カーニバルの朝(「Manha De Carnaval」)」です。当ブログではDexter Gordon、Gerry Mulligan、Balanco、Astrud Gilberto、Jack Marshall & Shelly Manne、Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholm、Oscar Petersonのカヴァーを紹介済みの超定番曲ですね。前半は気だるいボッサ・モードですが、中盤以降はエレクトロな雰囲気も加わったブラジリアン・グルーヴが展開されます。
「Guess Who I Saw Today」
スタンダード・カヴァー3曲目。Elisse Boyd作詞、Murray Grand作曲。ブロードウェイ・ミュージカル『New Faces of 1952』の挿入歌です。当ブログではElsie Bianchi Trioのカヴァーを紹介済みです。ラストは味わい深いジャズ・バラードでジャズ・アルバム(?)らしく、しっとりと締め括ってくれます。
サッカーのコパ・アメリカ「ボリビア対アルゼンチン」は、地元アルゼンチンがまさかの引き分けスタートでした。
後半のメッシ、テベス、アグエロ、ディ・マリアという布陣は豪華でしたね。
一方でメッシというエースをどう生かすのか?
アルゼンチンは(今大会に限らず)当面この課題に悩まされそうですね。
バルサ・ファン、メッシ大好きの僕ですが、アルゼンチン代表を考えるとメッシに固執しすぎない方がいい気もします。絶対的エースの存在が諸刃の剣とならぬことを願うばかりです。
個人的には左ディ・マリア、右ラベッシの攻撃力を重視して欲しいですね。そうなると中央に配するFWは誰がベストなのか?