2011年07月04日

The Spinners『Can't Shake This Feelin'』

James Mtume/Reggie Lucasプロデュース作☆The Spinners『Can't Shake This Feelin'』
Can’t Shake This Feelin’
発表年:1981年
ez的ジャンル:名門男性ソウル・グループ
気分は... :主人公よりも仕掛人に注目ですが・・・

今回は名門ソウル・グループThe Spinnersが、1981年にリリースしたアルバム『Can't Shake This Feelin'』です。

60年代から長きに渡り活躍するデトロイト出身のソウル・グループThe Spinnersの紹介は、今回が初めてになります。

本来、最初に紹介するThe Spinners作品としては、『2nd Time Around』(1970年)、『Spinners』(1973年)、『Mighty Love』(1974年)、『New and Improved』(1974年)、『Pick of the Litter』(1975年)、『Happiness Is Being With the Spinners』(1976年)といったG.C.Cameron(1967-72年)、Philippe Wynne(1972-77年)が在籍していた時代のアルバムが相応しいのかもしれませんね。

本作におけるSpinnersメンバーは、John EdwardsHenry FambroughBilly HendersonPervis JacksonBobbie Smithの5名。Sam CookeフォロワーJohn Edwardsを中心にディスコ全盛時代へアジャストしようとしていた時期です。
そんな新たなスタイルを模索していたSpinnersが本作『Can't Shake This Feelin'』で新たにプロデューサーとして迎えたのが、洗練されたアーバン・ファンク・サウンドで注目されていたJames Mtume/Reggie LucasというMtumeコンビでした。

僕が本作を気に入っているのもThe Spinners自体への興味よりも、James Mtume/Reggie Lucasプロデュース作への関心からです。

レコーディングでは、Tawatha(back vo)、Hubert Eaves III(key)、Ed "Tree" Moore(g)、Basil Fearrington(b)、Howard King(ds)といったMtumeメンバーが全面バックアップしています。Hubert Eaves IIIは以前に紹介したD-Trainでの活躍でもお馴染みですね。

それ以外にもMarcus Miller(b)、Dean Gant(key)、Harry Whitaker(key)、Luther Vandross(back vo)、Norma Jean Wright(back vo)、Ullanda McCullough(back vo)、Bernie Worrell(syn)等がレコーディングに参加しています。

また、アレンジャーにはAl McKay、Paul Laurence、Dunn Pearson Jr.等も起用されています。

正直、商業的には不発に終わった本作ですが、James Mtume/Reggie LucasらしいN.Y.アーバン・サウンドを満喫できるという点で魅力的な1枚だと思います。

主人公であるThe Spinnersについては殆ど触れていませんが、本作に限って言えば、Mtume/Lucasによるサウンドを楽しめば良いと思います。

全曲紹介しときやす。

「Can't Shake This Feelin'」
オススメその1。James Mtume/Reggie Lucas作。タイトル曲はMtume/LucasらしいN.Y.アーバン・ファンク・サウンドを堪能できる軽快なダンス・チューン。Dunn Pearson Jr.のアレンジによるホーン・セクションも盛り上げてくれます。

「Knack For Me」
Paul Lawerence作。キーボード中心のサウンド作りが後のMtumeを予感させる1曲。

「You Go Your Way (I'll Go Mine)」
Tawatha作。シングルにもなったアーバン・メロウなバラード。シングル向きの曲だとは思いませんが、悪くはないと思います。

「Love Connection (Raise The Window Down)」
James Mtume/Reggie Lucas作。この曲もシングルになりました。P-Funk的なノリも感じられるファンク・チューンに仕上がっています。

「Never Thought I'd Fall In Love」
この曲もシングルになりました。ファルセット・ヴォーカルとポップ&メロウなファンク・サウンドの組み合わせがキャッチーです。

「Didn't I Blow Your Mind」
The Delfonicsのヒット曲をカヴァー(Thom Bell/William Hart作)。悪くはないですが、こうしたカヴァーを本作でやる意味があったんですかね。

「Send A Little Love」
オススメその2。Al McKay/David Bryant/Tony Haynes作。Al McKayがソングライティング/アレンジを手掛けています。軽快なアーバン・ダンサーは本作らしい狙いがよく反映された1曲に仕上がっています。

「Love Is Such A Crazy Feeling」
オススメその3。Dean Gant作。軽快なギター・カッティングが心地好いアーバン・メロウなダンス・チューン。爽快な疾走感がたまりません。

「Got To Be Love」
オススメその4。James Mtume/Reggie Lucas作。本曲をハイライトに挙げる人は多いのでは?Mtume/LucasらしいN.Y.アーバン・ファンクで締め括ってくれます。

主人公が脇のままの記事になってしまいましたが、次回The Spinnersを取り上げる時には、もっとSpinners自体にフォーカスします(笑)

興味がある方は、他のJames Mtume/Reggie Lucasプロデュース作品もチェックを!

Phyllis Hyman『You Know How To Love Me』(1979年)
You Know How to Love Me

Stephanie Mills『What Cha Gonna Do With My Lovin'』(1979年)
ホワッチャ・ゴナ・ドゥ・ウィズ・ラヴィン

Stephanie Mills『Sweet Sensation』(1980年)
Sweet Sensation + 1

Stephanie Mills『Stephanie』(1981年)
ステファニー

Sadane『One Way Love Affair』(1981年)
ワン・ウェイ・ラヴ・アフェア

Marc Sadane『Exciting』(1982年)
エキサイティング

Sunfire『Sunfire』(1982年)
サンファイア(+1)
posted by ez at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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