2006年07月31日

Bob Marley & The Wailers『Kaya』

レゲエの神様によるラブ&ピースフルな1枚☆Bob Marley & The Wailers『Kaya』
Kaya
発表年:1978年
ez的ジャンル:ラブ&ピースフル系ルーツ・レゲエ
気分は... :ピースフル(^ ^)V

昨年、生誕60周年を迎えたレゲエの神様Bob Marley
今年の夏も『Bob Marley Icon Tribute』、『Jamaican Children〜Tribute to Bob Marley』(このアルバムのジャケが超カワイイ!)といったトリビュートが発表され、その人気は衰えることを知らない。

そんなBob Marley & The Wailersのオリジナル作品から今回は1978年発表の『Kaya』をセレクト。

バビロン・システム(西欧文化・資本が支配する社会)に対するレベル・ミュージックとしての“レゲエ”という観点からは、Bobに加え、Peter Tosh、Bunny Wailerの3人が揃った『Catch a Fire』(1973年)、『Burnin'』(1973年)あたりを聴くべきかもしれない。

でも、ここ数年の僕の気分は、以前に本ブログでも紹介した『Exodus』(1977年)や『Kaya』(1978年)あたりが断然お気に入りだ。2枚共ジャマイカの政治的争いに巻き込まれたBobが祖国を離れ、ロンドンでレコーディングされたものである。

Bobの激動の70年代の中で、このロンドン滞在は、トラブルから解放されたという意味で、平和で穏やかな日々だったのではないかと思う。そのリラックス感が、聴衆へのメッセージ・ソングに加え、内省的なラブソングの録音にもつながったのではないか?

そんな理由から、『Exodus』や『Kaya』といった作品は、レゲエのカリスマとしてのBob Marleyよりも、一人の人間としてのBob Marleyに触れることができるような気がして好きなんだよね。

『Kaya』の発表直後、Bobは祖国ジャマイカで歴史的なイベント「ワン・ラブ・ピース・コンサート」を開き、JLPとPNPというジャマイカの2大政党のトップを招き、ジャマイカの政治的な大混乱を招いていた張本人たちである2人をステージ上で握手させるという歴史的な偉業をやってのけたのだった。もはやBobは単なるレゲエ・ミュージシャンを超越していた...

再び、Bobは走り出したのだった。
そう思うと、『Kaya』での穏やかで、安らいだ世界を聴きながら、“ぼちぼち行こうや”と声をかけたくなるよね。

ちなみに、『Kaya』とはガンジャ(マリファナ)のことである(やばっ!)。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Easy Skanking」
リラックス・ムードの演奏が心地良いオープニング・ナンバー。日々のややこしいことから解放されるカンジだよね。そう何とかなるさ!テイク・イット・イ〜ジ〜♪

「Kaya」
♪ガンジャ(マリファナ)を一服〜♪と明るく、大胆なことを歌っているタイトル曲。アイランド・レコードから世界デビューする以前のLee 'Scratch' Perryと組んでいたLee Perry時代のレパートリーの再演。

僕も詳しくないけど、ガンジャ(マリファナ)自体はジャマイカでも違法だったけど、Bobを初めとするラスタの神(Jah)を崇拝するラスタマンたちにとって、ガンジャを一服するという行為は、一種のJah崇拝の儀式的な意味合いもあったみたいですね。

まぁ、ドレッド・ヘアーだって、元々は体に金属を入れてはいけないラスタの戒律に基づく髪型ですもんね!

「Is This Love」
『Exodus』収録の「Waiting in Vain」と並ぶ、マイ・フェイバリット・ボブ・マーリー。人間Bobを感じられるメロディアスなラブソングはホント気持ちいいね!「Waiting in Vain」と「Is This Love」を交互に繰り返しにずっと聴いていたい気分デス。

カヴァー曲で言えば、Carly Simonのバージョンが一番好きかな(アルバム『Hello Big Man』収録)。話は逸れますが、『Hello Big Man』はCarly Simonの中でもかなり地味な作品だけど、Mike Mainieriプロデュースのなかなかの佳作ですよ!

「Sun Is Shining」
「Satisfy My Soul」
この2曲もLee Perry時代の再演。「Sun Is Shining」はBobならではの張り詰めた緊張感が印象的な曲。逆に、「Satisfy My Soul」はりラックス・モードのまったりナンバー。『Exodus』収録の「Turn Your Lights Down Low」あたりと一緒に聴くといいカンジ!

「She's Gone」
これも人間Bobらしいラブソング。レゲエの神様も彼女に逃げられるとアタフタ?普通の男同様に恋愛に関しては女々しいカンジが共感できる(笑)

「Crisis」
危機への警告というメッセージと実にメロディアスな曲調のアンバランスさが印象的な曲。タモリの空耳アワーではないが、途中に♪アブナイ!アブナ〜イ♪と聴こえる部分があって、ピッタリだと思ったことがあるのは僕だけだろうか?

「Time Will Tell」
アコースティック・ギターとパーカッションによるシンプルな演奏がとってもいいカンジのナンバー。淡々とラスタマンとしての心意気を歌い上げます。

『Exodus』、『Kaya』と少し偏ったかたちで、Bob Marley作品を紹介してしまっているが、このあたりが入門編としてもメロディアスで聴きやすいのではと思います。

レゲエと言えば、中島美嘉チャンのラヴァーズ・シングル「My Sugar Cat」がとっても気になる最近の僕デス。
posted by ez at 01:56| Comment(0) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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