発表年:2011年
ez的ジャンル:UKアーバン・フューチャー・ソウル
気分は... :周囲に惑わされず自分らしく!
先程までゴルフの全英女子オープンをTV観戦していましたが、日本の宮里美香選手と同組の世界ランク第1位ヤニ・ツェン(台湾)のプレーは凄すぎますね。男子ゴルフにおける全盛期のタイガー・ウッズを思わせる、一人だけ別次元のゴルフをしている印象を受けました。
また、3日間ヤニ・ツェンと同組ながら、彼女の別次元のプレーに影響されず自分のプレーに徹してる宮里美香選手の冷静さにも感心してしまいました。
3日目終了時点で2位のヤニ・ツェンですが、最終日も圧倒的な強さを見せつけて逆転優勝するような気がします。
今回は、クラブ・ミュージック・リスナーから高い支持を得ているUKの人気男性シンガーBen Westbeechの2ndアルバムとなる最新作『There's More To Life Than This』です。
Ben Westbeechはブリストル出身の男性シンガー/プロデューサー/DJ。
Gilles Petersonにその才能を見出され、彼が主宰するBrownswood Recordsの第一弾アーティストとして、2006年にデビュー・シングル「So Good Today」をリリースし、脚光を浴びます。さらに2007年には1stアルバム『Welcome To The Best Years Of Your Life』をリリースし、名曲「Get Closer」をはじめクラブ・ミュージック好きを虜にしました。
また、当ブログで紹介したJazzanova『Of All The Things』、Kero One『Early Believers』、あるいはJose James『Blackmagic』などで彼のヴォーカルがフィーチャーされています。さらにBreach名義でシングルをリリースしています。
僕自身も『Welcome To The Best Years Of Your Life』は大好きな作品ですが、当ブログでは紹介する機会を逸していました。反省してまぁ〜す。
さて、2ndアルバムとなる本作『There's More To Life Than This』ですが、Brownswood Recordsではなく、ハウスの老舗レーベルStrictly Rhythmからのリリースです。僕の中では90年代のN.Y.ハウスのイメージが強いレーベルなので意外な気もしましたが・・・
しかしながら、Ben Westbeech自身は"ハウス・ミュージック"をテーマに2ndアルバムを制作した模様であり、その意味ではStrictly Rhythmからのリリースというも頷けます。
そんなコンセプトを反映するように、Georg Levin、Danny J Lewis、Chocolate Puma、Motor City Drum Ensemble、Midland、Henrik Schwarz、Hugh Pescod、Rasmus Faber、MJ Coleといったクラブ・ミュージック好きにはお馴染みの多彩なクリエイターがプロデューサーに起用されています。
※一部クレジットがない楽曲があるため、MJ Coleプロデュース曲は未確認です。
実際の音としては、それ程モロにハウス・ミュージックという感じはしません。個人的に最近ハマっているハウス作品としてRichard Earnshaw『In Time』があるのですが、そうした作品と比較するとハウスというよりも、ハウス系プロデューサーと創り出したフューチャー・ソウルといった印象を受けます。
1st『Welcome To The Best Years Of Your Life』のような派手さはありませんが、聴きどころは多い1枚に仕上がっていると思います。
スーツでビシッときめたジャケのように、大人のアーバン・フューチャー・ソウルといった雰囲気も漂う1枚です。
全曲紹介しときやす。
「The Book」
Georg Levinプロデュース。Georg Levinはドイツ出身のクリエイター。自身も『Can't Hold Back』(2003年)、『Everything Must Change』(2010年)といったアルバムをリリースしています。シンガー同士のコラボらしく、メロディアスで歌心のある哀愁チューンに仕上がっています。
「Something For The Weekend」
オススメその1。ハウス好きにはお馴染みのDJ/プロデューサーDanny J Lewisプロデュース。Ben Westbeechらしいセンスとハウス・サウンドがマッチした、アーバン・フューチャー・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=3mECuK4qUh0
「Falling」
オススメその2。アルバムからのシングル曲。Lovebirdsプロデュース。Lovebirdsは人気ハウス・ユニットKnee DeepのメンバーSebastian Doringによるソロ・プロジェクトです。本作らしいメロウ&エレガントなハウス・ミュージックに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=65MqSNcNH-k
「Same Thing」
Chocolate Pumaプロデュース。Chocolate Pumaはオランダ、アムステルダムを拠点に活動するハウス・ユニット。少しダークな仕上がりが印象的です。
「Justice」
オススメその3。Motor City Drum Ensembleプロデュース。Motor City Drum Ensemble(MCDE)はドイツ出身Danilo Plessowによるハウス・プロジェクト。ポスト・デトロイト・ハウスのクリエイターとして、その方面から高い支持を得ています。本曲もMCDEらしいディープで中毒性の高い仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=zmTtPf4SLNU
「Stronger」
Midlandプロデュース。Midlandはイギリス、リーズ出身の新鋭プロデューサーHarry Agiusのソロ・プロジェクト。ダーク&ディープな哀愁ハウス・ワールドが展開されます。
「Inflections」
オススメその4。Henrik Schwarzプロデュース。ドイツ出身のDJ/プロデューサーHenrik Schwarzが意表を突いた哀愁アコースティック&エレガントな味わいのプロダクションで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=rS--ztq--0g
「Sugar」
Hugh Pescodプロデュース。Hugh Pescodは1st『Welcome To The Best Years Of Your Life』で「Gotta Keep On」「Pusherman」のソングライティングを手掛けていました。ここでは哀愁メロディがグッとくるフューチャー・ソウルを聴かせてくれます。
「Let Your Feelings Show」
Georg Levinプロデュース。哀愁メロディで疾走します。アーバンな味わいもあってキャッチーな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=w72zXdHMock
「Butterflies」
オススメその5。Ben Westbeechプロデュース。人気ハウス・クリエイターRasmus Faberもピアノで参加。アルバムで最もクラブジャズを感じる1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=dcZsybs5pQ8
「Summers Loss」
オススメその6。Rasmus Faberプロデュース。Rasmus Faberによる美しくも切ないトラックとBenの哀愁ヴォーカルが素晴らしい音空間を創り出しています。
http://www.youtube.com/watch?v=U7NGm1tSBGg
「Beat In My Heart」
国内盤のボーナス・トラック。ピアノが印象的なポップな仕上がりです。
「Friday」
オススメその7。ラストはビート感のあるノリの良いソウル・チューン。"ハウス"をコンセプトにした本作の中では違和感のある曲ですが、仕上がりはグッドです。
ラスト2曲はアルバムにクレジットが無いのでプロデューサー等の詳細がわかりません。このあたりは国内販売元にしっかりフォローして欲しいですよね。本作で唯一の不満です。
未聴の方は1st『Welcome To The Best Years Of Your Life』もどうぞ!
「So Good Today」、「Get Closer」といった人気曲はぜひチェックしておきましょう。
『Welcome To The Best Years Of Your Life』(2007年)
「So Good Today」
http://www.youtube.com/watch?v=7vhd1pDS5dM
「Get Closer」
http://www.youtube.com/watch?v=cujLaY97JvU
「Dance With Me」
http://www.youtube.com/watch?v=poduAVPau_g