発表年:1975年
ez的ジャンル:ブラジリアン・フュージョンの草分け
気分は... :今日と明日が出会う時・・・
今回はブラジルを代表するクロスオーヴァー/フュージョン・グループAzymuth(Azimuth)のデビュー・アルバム『Azimuth』です。
Azymuth(Azimuth)は1971年頃に知り合ったJose Roberto Bertrami(key)、Alexandro(Alex) Malheiros(b)、Ivan Conti(ds)によって結成されたグループ。当初はAzimuthというスペルでの表記でした。
グループ名はMarcos ValleがNovelliと共作した楽曲「Azimuth」に由来しています。
グループは1975年にデビュー・アルバム『Azimuth』をリリース。2ndアルバムとなる『Aguia Nao Come Mosca』(1977年)より、"i"を"y"に改めたAzymuthという表記になりました。
日本では、2nd『Aguia Nao Come Mosca』収録の「Voo Sobre O Horizonte」、3rd『Light As A Feather』(1979年)収録の「Fly Over The Horizon (Vôo Sobre O Horizonte)」、4th『Outubro 』(1980年)収録の「Outubro 」といった楽曲が、NHK-FMの人気番組『クロスオーバーイレブン』のオープニング/エンディングに使われたことで、一気にその知名度が上がりました。
「Voo Sobre O Horizonte」(From 『Aguia Nao Come Mosca』)
http://www.youtube.com/watch?v=fvAL2nS7yAw
「Fly Over The Horizon (Voo Sobre O Horizonte)」
(From 『Light As A Feather』)
http://www.youtube.com/watch?v=iq8wAlookHA
「Outubro」(From 『Outubro 』)
http://www.youtube.com/watch?v=H8KGlYqmhDY
その後もコンスタントに作品をリリースしていたAzymuthでしたが、1988年にBertramiがグループを脱退し、後釜としてJota Moraesがグループに加入しています。さらにMoraesが抜けた後にはMarinho Boffaがグループに参加していました。
1996年にBertramiがグループに復帰し、その後はオリジナル・メンバー3名で今日までコンスタントに活動し続けています。
これまで当ブログでは、Azymuthが参加したMarcos Valle『Previsao Do Tempo』、Jazzanova『Of All The Things』、Marcos Valle E Celso Fonseca『Pagina Central』や、Alex Malheirosの娘Sabrina Malheirosの『New Morning』といった作品を紹介してきましたが、ようやくAzymuth本体の作品を紹介することができます。
一定年齢以上のクロスオーヴァー/フュージョン・ファンには『クロスオーバーイレブン』のイメージ(特に「Fly Over The Horizon」)が強いグループかもしれませんね。一方、若いリスナーはクラブ方面での再評価からAzymuthに興味を持った方が多いのかもしれません。
僕も年代的には『クロスオーバーイレブン』世代であり、実際に番組やオープニングの「Fly Over The Horizon」はよく聴いていました。しかしながら、『クロスオーバーイレブン』を懐かしんでAzymuthを聴きたいというよりも、若いリスナーからも高い支持を得ているAzymuthを再確認したいというニーズの方が強いですね。
その意味でデビュー・アルバム『Azimuth』(1975年)は僕のニーズにマッチした1枚です。派手なシンセ・サウンドは控えめで、ブラジルらしさが強調されたメロウ・サウンドの楽曲が多いのがいいですね。
再発CDの中にはリミックス盤の付いた2枚組CDもあります。
『Azimuth』(リミックス盤付2枚組)
なお、本作ではJose Roberto Bertrami(key)、Alex Malheiros(b)、Ivan Conti(ds)の3名に加え、Arinvaldo Contesini(per)もメンバーとしてクレジットされています。
クール&メロウなブラジリアン・フュージョンは実に涼しげです。
全曲紹介しときやす。
「Linha Do Horizonte」
オススメその1。Paulo Sergio Valle/Luis Alberto Del Parana作。メロウ・サウンドと爽快ヴォーカルが魅力のオープニング。フュージョン・ファン以上にブラジル音楽ファンがグッとくるメロディアスな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=QphbSRFWKxE
「Melo Dos Dois Bicudos」
Alex Malheiros/Ivan Conti/Jose Roberto Bertrami作。ブラジルのグループらしいジャズ・ファンク・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=5ucP95nML9Y
「Brazil」
オススメその2。Alex Malheiros/Ivan Conti/Jose Roberto Bertrami作。Bertramiのフェンダー・ローズのメロウな響きが心地好い1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=nrG0cqnCOEY
「Faca De Conta」
オススメその3。Jose Roberto Bertrami作。僕のど真ん中のブラジリアン・メロウ・グルーヴ。メロウなフュージョン・サウンドと幻想的なヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=xWkEw3x_BAM
「Caca A Raposa」
Alex Malheiros/Ivan Conti/Jose Roberto Bertrami作。壮大なスケール感を持ったジャズ・ファンク・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=RqLg0f0vF7I
「Estrada Dos Deuses」
Alex Malheiros/Ivan Conti/Jose Roberto Bertrami作。ブラジリアン・リズムとスペイシーなシンセが印象的な仕上がり。
「Esperando Minha Vez」
オススメその4。Alex Malheiros/Thereza Malheiros作。サンバのリズムが心地好く響く、ヴォーカル入り爽快フュージョン。涼しげなサウンドは素麺のようにツルっといけちゃいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=frIWN4jbaNc
「Montreal City」
オススメその5。Jose Roberto Bertrami作。クールなミッド・チューン。ダバダバ・スキャットとソウルフルなサウンドがグッド!
「Manha」
Jose Roberto Bertrami作。ブラジリアン・メロウ・フュージョンらしい1曲。エレピのメロウ感と幻想的なシンセがAzimuthらしいのでは?
「Periscopio」
Alex Malheiros/Ivan Conti/Jose Roberto Bertrami作。ラストは骨太なロック調の仕上がり。何の情報もなく本曲を聴いても絶対Azimuthだとは思わないのでは?
『Aguia Nao Come Mosca』(1977年)
『Light As A Feather』(1979年)
『Outubro』(1980年)
『Cascades』(1982年)
いや〜Rohodesフェチにとっては「Azimuth」は外せませんです。
ご紹介のこのアルバムもRohodesサウンド満載で私もとても好きです。
彼らは今も現役でLIVEをこなしていて
ほんと凄すぎますね。
ありがとうございます。
ブラジリアン・フュージョンの草分けだけあって、単に心地好いだけで終わらない、独特のフュージョン・ワールドへ連れていってくれますよね。
Azymuthをはじめ、ブラジル人ミュージシャンはベテランになっても若々しいですよね。