2011年08月04日

Sirius B『Posto Nove』

クラブジャズ世代のブラジリアン・フュージョン☆Sirius B『Posto Nove』
ポスト・ノーヴィ
発表年:2001年
ez的ジャンル:クラブジャズ系ブラジリアン・ジャズ/ボサノヴァ
気分は... :光り輝くもの・・・

今回は夏らしいブラジリアン・ジャズ作品Sirius B『Posto Nove』(2001年)です。

Sirius BはUKで結成されたブラジリアン・ジャズ・ユニット。

UKのラテン/ブラジリアン・ジャズを牽引するパーカッション奏者/DJであるSnowboyが主宰するパーティー"The Hi-Hat"の準レギュラーとして活動するようになり注目されました。

デビュー・アルバム『Sem Fronteiras』(1999年)を皮切りに、『Posto Nove』(2001年)、『Ouro Batido』(2002年)、『Bagunca』(2004年)、『Casa Do Sol』(2006年)といったアルバムをリリースしています。

本作におけるメンバーは、リーダーのJoe Cavanagh(key)を中心に、Kevin Figes(fl、sax)、Greg Cordez(b)、Paul Downes(ds)、Sam Tomkins(per)、Cathy Jones(per)、Azhar(vo)という7名。

何故かYouTubeにSirius Bの音源が全く無く、唯一あったのが『Ouro Batido』収録の「High'n Dry」でした。

Sirius B「High'n Dry」(From 『Ouro Batido』)
http://www.youtube.com/watch?v=TM224u--uA0

全体としてはクラブジャズを通過してきたブラジリアン・フュージョン/ボサノヴァといった感じです。レア・グルーヴ/クラブジャズ好きのツボを抑えたアレンジ、演奏が心憎いですね。また、リード・ヴォーカルAzharの歌声がアルバム全体に華やかな雰囲気をもたらしてくれます。

デビュー作『Sem Fronteiras』と比較すると、今日紹介する2nd『Posto Nove』は完成度がかなり高くなった印象を受けます。

「Felicidade」「Batucada-Consolacao」「Influencia Do Jazz」といった有名曲カヴァーが目立ちますが、オリジナルもなかなか魅力的です。そのあたりが1stからの成長かもしれませんね。

ブラジル音楽好きも、ブラジル音楽を普段あまり聴かない方も楽しめる

Sirius Bはおおいぬ座の恒星であり、Siriusはギリシャ語で「焼き焦がすもの」「光り輝くもの」を意味するようです。

UKブラジリアン・ジャズの"光り輝く"1枚を満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Something New」
オープニングは爽快ブラジリアン・フュージョン。躍動するサンバのリズムと涼しげなフルート、そしてキュートなAzharのヴォーカルがマッチしたクラブジャズ好きにはど真ん中な仕上がりです。少しミステリアスな雰囲気があるのもいいですね。Joe Cavanagh/Azhar作。

「Posto Nove」
タイトル曲はアコースティック・ボッサ・ジャズ。ラウンジ感覚の女声スキャット・ボッサ・ジャズという点ではBalanco好きの人がハマる1曲だと思います。Joe Cavanagh/Azhar作。

「Felicidade」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Morais作のボッサ名曲のカヴァー。当ブログではRamsey Lewis TrioKenny DrewMilton Nascimentoのカヴァーも紹介済みです。原曲の持つ魅力を上手く引き出したビューティフル・カヴァーです。

「Batucada-Consolacao」
「Batucada」(Paulo Sergio Valle/Marcus Valle作)、「Consolacao」(Vinicius de Moraes/Baden Powell作)という2大名曲のメドレー。ブラジル/クラブジャズ好きにとって超クラシック2曲のメドレーは嬉しい限りですね。これで悪いはずがない!

ちなみに「Batucada」については作者Marcos Valleのヴァージョンをはじめ、お馴染みのWalter WanderleyのカヴァーやSergio Mendes & Brasil'66のカヴァーも紹介済みです。

また、「Consolacao」については、はTamba 4Tenorio Jr.Celso FonsecaA Bossa EletricaAgustin Pereyra LucenaSambalanco Trioのカヴァーを紹介済みです。

「Savage World」
躍動するブラジリアン・フュージョン。クラブジャズを通過して創られたブラジリアン・フュージョンといった仕上がりがいいですね。

「Under The Stars」
ロマンティックなメロウ・ボッサ。しっとりとしたAzharのヴォーカルにグッときます。Kevin Figesも盛り上げてくれます。Joe Cavanagh/Azhar作。

「Um Jeitinho De Joe」
Joe Cavanaghの美しいピアノと共に始まるインスト。ゲスト参加のMatt Sibleyのソプラノ・サックスが盛り上げてくれます。

「Fallen Angel」
ラテン・テイストのキュート&ヒップな仕上がり。ラウンジ好き、ガールズ・ポップ好きの人は相当グッとくるキャッチーな1曲だと思います。Joe Cavanagh/Azhar作。

「Influencia Do Jazz」
Carlos Lyraの名曲カヴァー。アルバムで最も"ジャズ"を感じる小粋な1曲。Kevin Figesのサックス・ソロも素晴らしいですね。単にブラジリアン・フュージョン/ボサノヴァだけに止まらないグループの懐の深さを感じる1曲です。

「Prima Vera」
Joe Cavanagh/Azhar作。ラストは美しくミステリアスなブラジリアン・フュージョンで締め括ってくれます。

国内盤にはボーナス・トラックとして「Savage World」のHouse Mixが追加収録されています。

ご興味のある方は他のSirius Bもチェックを!
3rd『Ouro Batido』(2002年)がオススメです。

『Sem Fronteiras』(1999年)
Sem Fronteiars

『Ouro Batido』(2002年)
Ouro Batido

『Bagunca』(2004年)
Bagunca (+Bonus)

『Casa Do Sol』(2006年)
カーザ・ド・ソウ
posted by ez at 01:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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