発表年:2010年
ez的ジャンル:UKソウルフル・ハウス
気分は... :こんなハウス作品を待っていた!
今回はUKソウルフル・ハウスの新作Richard Earnshaw『In Time』です。
厳密には新作と言っても、本国UKでは昨年リリースされた作品であり、今夏にようやく国内盤がリリースされました。
前にも書きましたが、最近ワケあってハウス/クラブ・ミュージックを聴く機会が多く、その手の作品を探している中で見つけたアルバムです。
さて本作の主役Richard EarnshawはUK出身のハウス・クリエイター。
2002年リリースの「People Are People」や、Sweet Robots Against The Machine(Towa Tei)のリミックス・アルバム『Re: Towa Tei』(2003年)における「Free (Richard Earnshaw Remix) 」で注目されるようになります。
「People Are People」(2002年)
http://www.youtube.com/watch?v=V7zIxXzmKj4
Sweet Robots Against The Machine「Free (Richard Earnshaw Remix) 」
http://www.youtube.com/watch?v=HhlY9yZS6jM
2008年には先日エントリーしたOpolopo『RF Presents Opolopo』(2007年)でも紹介した、大人気のハウス・クリエイターRasmus Faberがお気に入り作品、アーティストを紹介するRF Presentsシリーズの第4弾作品として、『RF Presents Richard Earnshaw』をリリースしています。
また、Fusion Groove Orchestra、The Little Big Band、One51、Orekid、Spiritchaser、United Soul、White Dwarfといったユニットでも活動しています。
今回紹介する『In Time』はRichard Earnshaw名義の初ソロ・アルバムです。
全10曲のうち9曲がヴォーカル入りであり、全体としたはヴォーカルを重視したソウルフルなハウス作品に仕上がっています。
ゲスト・ヴォーカリストとして、Erik Dillard、Carleen Anderson、Jocelyn Brown
Ursula Rucker、Nina Jayne、Natasha Young、Kenny Thomas、Imogen Ryallがフィーチャーされています。やはり、ハウス・ディーヴァJocelyn Brown、元Young DisciplesのCarleen Andersonあたりが注目ですね。また、ネオ・フィリー系のシンガー/ラッパー/詩人Ursula Ruckerは、The Roots作品や4Hero「Loveless」への参加で知られています。
また、人気ヴァイヴ奏者Roy Ayersも3曲でフィーチャーされています。
普段ハウスを聴かない人も楽しめるソウルフル・ヴォーカル・ハウス作品です。
全曲紹介しときやす。
「Good Love」
オススメその1。アメリカ人男性シンガーErik Dillardをフィーチャー。幻想的なイントロに続き、80年代シンセ・ファンク・テイストのダンス・ビートが展開します。ゴスペル仕込みのErik Dillardのソウルフル・ヴォーカルがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=0Ruvx_Rv8L4
「My Door Is Open」
オススメその2。Carleen Andersonをフィーチャー。彼女のアルバム『Soul Providence』(2005年)に収録されていた楽曲のヴォーカル・パートを抜き出し、Richardが新たなトラックを加えたものです。
Young Disciples時代を彷彿させるアシッド・ジャズ・テイストの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=795m0MCKBKY
「Worthy」
オススメその3。ハウス・ディーヴァJocelyn Brownをフィーチャー。これぞ歌モノ・ハウスの王道!といった感じのクラシック級の仕上がり。Jocelynのダイナマイト・ヴォーカルが炸裂します。こういう王道ハウス・チューンを求めてる人は多いのでは?この1曲のみでも本作をゲットする価値があると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=UH90mG3gpXk
「Rise」
Ursula RuckerとRoy Ayersをフィーチャー。幻想的なトラックをバックにUrsula Ruckerのポエトリー・リーディング調のヴォーカルが絡む様は、ネオ・フィリーとUKクラブ・ミュージックの融合といった雰囲気です。Roy Ayersのヴァイヴがさり気なく盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=hYfcUUK34sQ
「Circles」
オススメその4。Nina Jayneをフィーチャー。2004年にRoy Ayersをフィーチャーし、Richardがリミックスを手掛けた曲を新たに作り直したものです。夢の世界を軽やかに疾走しているかのような幻想的な音世界に魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=BahkuiLsoko
「Green Room」
本作で唯一のインスト。エッジの効いたシンセ・サウンドが印象的なフュージョン・テイストの仕上がり。
「Young And Foolish」
Natasha Youngをフィーチャー。Corinne Bailey RaeをフィーチャーしたThe stiX「Young And Foolish」のカヴァー。The stiXはArtful Dodgerでお馴染みのMark Hillのプロジェクトです。本ヴァージョンはジャジー&メロウなソウル・チューンに仕上がっています。
The stiX feat. Corinne Bailey Rae「Young And Foolish」
http://www.youtube.com/watch?v=Okrq7jbaUy4
「Waiting」
オススメその5。Kenny ThomasとRoy Ayersをフィーチャー。Kenny Thomasは90年代に『Voices』(1991年)、『Wait For Me』(1993年)といったアルバムをリリースしているロンドン出身の白人ソウル・シンガーです。疾走するソウルフル・ハウスで突き抜けていきます。
http://www.youtube.com/watch?v=Jtw8YthGtko
「Cry Me A River」
Imogen Ryallをフィーチャー。Julie London等でお馴染み、Arthur Hamilton作のポピュラー・スタンダードのカヴァー。Imogen Ryallは『RF Presents Richard Earnshaw』でもフィーチャーされていた白人ジャズ・シンガーです。ポピュラー・スタンダードをスタイリッシュな感覚で聴かせてくれるのが新鮮です。
http://www.youtube.com/watch?v=0G4-9lH7GKc
「In Time」
オススメその6。タイトル曲はErik DillardとRoy Ayersをフィーチャー。スケールの大きなソウルフル・ハウスに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=oolfVA_Sjlg
国内盤には「In Time」のリミックスが3ヴァージョン追加収録されています。あと購入特典として「Cry Me A River」のハウス・ヴァージョン(Richard Earnshaw Classic Vocal)のCDが付いてきました。
『RF Presents Richard Earnshaw』(2008年)
あまりハウスハウスしたものは苦手なんですが
このSoulful Houseはまったく別ものだと思います。
けっこう孤独にSoulful House聴いてたんですがezさんが紹介されてメチャうれしいっす。過去記事の「Rasmus Faber」なんかも結構好きで聴いております。
Soulful House関連の記事も引き続きお願いします〜
ありがとうございます。
僕の場合、元々NYガラージ・ハウスが好きだったので、やはり歌モノのソウルフル・ハウスがいいですね。ラテン/ブラジリアン・ハウスも好みです。
その意味でRasmus Faberはかなりど真ん中ですね。やはり、ハウスはわかりやすい方がみんなで盛り上がれるますよね。