2011年08月11日

Bebel Gilberto『Momento』

コスモポリタンBebelによるハイブリッドなブラジル音楽☆Bebel Gilberto『Momento』
モメント
発表年:2007年
ez的ジャンル:ハイブリッド系新世代ブラジリアン・ミュージック
気分は... :涼しげな微風が...

今回はBebel Gilbertoの3rdアルバム『Momento』(2007年)です。

ブラジル音楽界の巨人Joao GilbertoとMiuchaの娘Bebel Gilbertoの紹介は、4thアルバム『All In One』(2009年)、デビュー・アルバム『Tanto Tempo』(2000年)に続き3回目となります。

Joao Gilbertoの娘ということで、どうしても"ブラジル音楽"という枠で捉えられることが多いBebel Gilbertoですが、90年代からN.Y.に在住し、さまざまな国のミュージシャンと交流しながらハイブリッドな音楽をクリエイトしてきたコスモポリタンなアーティストというのが彼女の実態ですよね。

デビュー作『Tanto Tempo』(2000年)、2nd『Bebel Gilberto』(2004年)に続く、3rd『Momento』(2007年)でもコスモポリタン路線をさらに推し進めた音世界を聴かせてくれます。

本作ではBebel本人に加え、Guy SigsworthおよびBrazilian Girlsがプロデューサーとして大きく貢献しています。前作でもプロデューサーを務めていたGuy SigsworthBjorkなども手掛けていますね。

Brazilian GirlsはN.Y.を極点に活動するグループであり、共演した「Bring Back The Love」をはじめ、メンバーのDidi GutmanSabina Sciubbaがプロデュースを手掛けた曲もあります。アルゼンチン出身のキーボード奏者Didi GutmanはBebelのツアー・バンドのメンバーも務めていました。

それ以外にもBebelのバンドメンバーでもあるN.Y.在住の日本人ギタリストMasa Shimizuも3曲でソングライティングを手掛けるなど存在感を示しています。ブラジル音楽ファンにはブラジル新世代オールスターズOrquestra Imperialとの共演にも注目ですね。

さらにレコーディングには、人気ブラジル人ギタリストCelso FonsecaForro In The DarkのメンバーMauro Refosco、Jorge Continentino等も参加しています。

全体としては、N.Y.経由のハイブリッドな新世代ブラジリアン・ミュージック作品という印象ですね。

さきほど中山美穂主演の映画『東京日和』(1997年)を観ていたのですが、大貫妙子が歌う主題歌「ひまわり」を聴いていたら、僕の中でBebel Gilbertoと見事にリンクしてしまいました。大貫妙子とBebel Gilberto・・・ジャンルは全く異なるアーティストですが、心の中に涼しげな微風を届けてくれる点では共通していませんか?

全曲紹介しときやす。

「Momento」
Guy Sigsworth/Bebel Gilbertoプロデュース。Bebelの持つコスモポリタンな感性をGuy Sigsworthが上手く引き出したタイトル曲。BebelとMasa Shimiz、Mauro Refoscoの共作曲です。エレクトロ・サウンドと生音が違和感なく融合しています。
http://www.youtube.com/watch?v=yMWfV4sGZFY

「Bring Back The Love」
Brazilian Girlsとの共演作。クールな疾走感が心地好いブラジリアン・エレクトロニカ・チューン。僕の一番のお気に入り曲です。暑さを凌ぐクールダウンに最適な1曲!
http://www.youtube.com/watch?v=CNo9UrbFJX4

「Close To You」
Guy Sigsworth/Bebel Gilbertoプロデュース。コスモポリタン感覚の新世代ブラジリアン・サウンドを満喫できます。う〜ん、クールネス!
http://www.youtube.com/watch?v=ul53qyo6olI

「Os Novos Yorkinos」
Bebel Gilberto/Didi Gutman/Sabina Sciubbaプロデュース。Brazilian GirlsのメンバーDidi Gutman、Sabina SciubbaがBebelと共にプロデュース/ソングライティングを手掛けています。ニューヨークで出会ったコスモポリタン達が創り上げたブラジル音楽・・・BebelやBrazilian Girlsを象徴するかのような1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=weQxyxFqAk4

「Azul」
Guy Sigsworth/Bebel Gilbertoプロデュース。ミステリアスな"揺らぎ"を持った1曲。21世紀らしいボッサ・サウンドを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=Q4sXaWCZ8Us

「Cacada」
Bebel Gilberto/Didi Gutmanプロデュース。叔父Chico Buarqueの名曲をカヴァー。Bebelの澄み切った歌声が心を晴れやかにしてくれます。Celso Fonsecaも爽快ギターで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=TqPNxVd8JpI

「Night And Day」
Bebel Gilberto/Beco Dranoffプロデュース。ご存知Cole Porter作のスタンダードをカヴァー。ジャジー・テイストのシンプルなアレンジで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=2nSj-6haWuk

「Tranquilo」
Bebel Gilberto/Berna Kappas/Kassinプロデュース。Orquestra Imperialはブラジル新世代オールスターズとも呼べる大所帯ダンスホール・バンドです。トロピカル・ムード満点の開放的かつエレガントな演奏をバックにBebelもリラックスしたヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=lRzfgk8YVFQ

「Um Segundo」
Bebel Gilberto/Didi Gutman/Sabina Sciubba/Masa Shimizuプロデュース。BebelとMasa Shimizuの共作曲。幻想的なアコースティック・チューンがいい感じ!

「Cade Voce?」
Guy Sigsworth/Bebel Gilbertoプロデュース。「Bring Back The Love」と並ぶ僕のお気に入り曲。偉大なブラジル人ミュージシャンを両親に持つサウダージなDNAとBebelの才能を磨き上げたN.Y.の感性が凝縮された美しい1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=kLJaUl3d-kQ

「Words」
ラストはBebelとMasa Shimizuらの共作。Masa Shimizuの美しいギターのみをバックにした、しっとりとしたBebelのヴォーカルでアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=rpveNPWkKwg

国内盤にはボーナス・トラックとして、「Bring Back The Love (Ondular Remix)」「Bring Back The Love (Shrift Remix)」というリミックス2曲が追加収録されています。

『Tanto Tempo』(2000年)
タント・テンポ

『Bebel Gilberto』(2004年)
ベベウ・ジルベルト

『All In One』(2009年)
All in One

興味がある方はBrazilian GirlsForro In The DarkOrquestra Imperialあたりをチェックするのも面白いかも?

Brazilian Girls『Brazilian Girls』(2005年)
ブラジリアン・ガールズ

Brazilian Girls『Talk To La Bomb』(2006年)
Talk to La Bomb

Brazilian Girls『New York City』(2008年)
ニューヨーク・シティ

Forro In The Dark『Bonfires of Sao Joao』(2006年)
Bonfires of Sao Joao

Forro In The Dark『Light A Candle』(2009年)
Light a Candle (Dig)

Orquestra Imperial『Carnaval So Ano que Vem 』(2007年)
カルナヴァル・ソ・アノ・キ・ヴェン
posted by ez at 02:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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