発表年:1974年
ez的ジャンル:ペルー産ラテン・ファンク
気分は... :初のペルー作品紹介です!
今回はラテン・ファンクの隠れ名盤として90年代に再評価が高まったレア・グルーヴ・ファンに人気の1枚Black Sugar『Black Sugar II』です。
Black Sugarはペルーで結成されたラテン・ファンク・グループ。
メンバーは、Victor "Coco" Salazar(g、per、vo)、Miguel "Chino" Figueroa(key、per)、Carlos "Pacho" Mejía(vo)、Roberto Valdez(b)、Jose "Arroz" Cruz(ds)、Antonio Ginocchio(tp、vo)、Luis Calixto(tb、vo)、Pedro Gosicha(as、fl)、Coco Lagos(per)、Miguel Salazar(per)という10名編成。
Victor "Coco" Salazar、Miguel "Chino" Figueroaが在籍していたLos Far Fenを母体として1970年にグループが結成されました。
Black Sugar名義では、『Black Sugar』(1971年)、『Black Sugar II』(1974年)という2枚のアルバムをリリースしています。
ペルーのアーティストを紹介するのは初めてかもしれませんね。
僕がBlack Sugarを初めて聴いたのは、ラテン・ロック/ファンクを集めたコンピ『Chicano Power!』(1998年)でした。
Azteca、Malo、Sapo、Santanaといったチカーノ・ロック/ファンクのお馴染みのグループに混じり、Black Sugarの「Too Late」、「Viajecito」(いずれも『Black Sugar』収録)が紹介されていました。
そんな出会いだったので南米産ラテン・ファンクというよりも、Azteca、Malo、Sapo等のチカーノ・ロック/ファンクに近いものを感じます。
今日紹介するのは2nd『Black Sugar II』(1974年)ですが、僕自身が所有しているのは2nd『Black Sugar II』全9曲に、1st『Black Sugar』から3曲、1978年録音のシングル「La Camita '78/Muevete, Muevete」の2曲、さらに前身のLos Far Fenの3曲を加えた全17曲構成で1997年にリリースされたアルバム『Black Sugar』です。なかなかお得盤ですよ。
『Black Sugar II』に絞って話せば、Donny Hathawayの「Valdez In The Country」、Stevie Wonderの「Don't You Worry About A Thing」というソウル・カヴァー2曲が目立ちますが、オリジナルもなかなか充実していてソウル/ロック/ジャズのエッセンスも取り入れたラテン・ファンクを聴かせてくれます。
ペルー人アーティストのアルバムに馴染みがないので、ミステリアスなイメージがあるかもしれませんが、前述のようにAzteca、Malo、Sapo等と同じ感覚で聴けるので、そのあたりの音が好きな人であれば違和感なく聴くことができると思います。
ペルー産ラテン・ファンクを堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Fuego」
オープニングからラテン全開です。軽快なラテンのリズムと豪快なホーン・アンサンブルで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=mJ8UzIQFMOM
「Valdez In The Country」
本作のハイライト。名盤『Extension Of A Man』に収録されていたDonny Hathaway作品のカヴァー。当ブログではフリーソウル・クラシックとして人気のCold Bloodのカヴァーも紹介済みです。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、Black Sugarらしいラテン・ファンクに仕上げています。
http://www.youtube.com/watch?v=Fwc9uRDtX64
「Don't You Worry About A Thing」
「Valdez In The Country」と並ぶ本作のハイライト。Stevie Wonderの名曲カヴァー。当ブログではIncognito、Weldon Irvine、Sergio Mendes & Brasil '77のカヴァーも紹介済みです。ハイテンションのオリジナルと比較すると、少し落ち着いた雰囲気のカヴァーに仕上がっています。ジャケのようなサンセット・モードが似合う演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=pwFZtj5WIXI
「The Dawn Of My Madness」
Victor Salazarのギターが冴え渡るラテン・ファンク・チューン。スピード感が魅力です。
「I Want To Believe」
僕の一番のお気に入り。フリーソウル好きの人であればハマる1曲だと思います。Azteca、Malo、Sapoあたりと聴くと相性ピッタリの躍動するラテン・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=I2KUSiSzScA
「Checan」
ハイテンションの高速ラテン・ファンク。素晴らしいバンド・アンサンブルを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=JORpoK5DxzY
「Kathy」
タイトルは異なっていますが、Weldon Irvine「Liberated Brother」のカヴァーです。Horace Silverのカヴァーでも知られている曲ですね。シンセでスペイシーな雰囲気を醸し出しているのが印象的です。
「All Your Love」
ラテン・フレイヴァーのメロウ・ソウル。「Don't You Worry About A Thing」と同じくサンセット・モードがマッチします。
http://www.youtube.com/watch?v=AkLoiTM1DXk
「Wake Up」
ラストは灼熱のファンキー・ソウル。なかなかスリリングで格好良いです!
http://www.youtube.com/watch?v=oGYtBcNKr6A
1st『Black Sugar』(1971年)もセットでどうぞ!
『Black Sugar』(1971年)