発表年:1977年
ez的ジャンル:マッスル・ショールズ系メロウ・ロック
気分は... :NFL開幕!
いよいよNFLが開幕しました。
開幕ゲームの「パッカーズ対セインツ」は見応え十分の試合でしたね。
この試合内容であれば、両チームが今シーズンのNFCチャンピオンシップで顔を合わせる可能性もあるのでは?ロジャーズとブリーズという両エースQBは、さすがNFLと思わせる素晴らしいものでしたね。
さて、わが愛するドルフィンズの開幕は同地区の強豪ペイトリオッツをホームに迎えることになります。正直、ペイトリオッツとは実力差があると思いますが、開幕戦での対決は番狂わせも起きやすいので期待してしまいます。まずは守備陣が踏ん張って、ペイトリオッツの焦りを誘いたいですね。
今回はLeblanc & Carr『Midnight Light』(1977年)です。
Leblanc & Carrは、ヴォーカリストLenny LeBlancとギタリストPete Carrの2人組ユニット。本作『Midnight Light』が唯一のアルバムです。
マッスル・ショールズのスタジオ・ミュージシャンとしてお馴染みのPete Carrは、1950年フロリダ州デイトナ・ビーチ生まれ。Duane & GreggのAllman兄弟と同郷であり、地元ではAllman Joysとライバル関係のバンドに在籍していました。さらにThe Allman Brothers Bandの前身Hour Glassの2nd『Power of Love』にはメンバーとしてレコーディングに参加しています。
Hour Glass解散後、地元デイトナ・ビーチに戻り、その時にマサチューセッツ出身のヴォーカリストLenny LeBlancと出会います。二人は意気投合したものの、別々の道を歩んでいきました。その後Pete Carrはマッスル・ショールズへ移り、プロデューサー/セッション・ミュージシャンとして数々の実績を積んでいきます。やがて、Lenny LeBlancもマッスル・ショールズでセッション・ベーシスト/ヴォーカリストとして活動するようになり、二人は再合流することになりました。
二人はそれぞれBig Tree Recordsとのソロ契約に成功します。そして、Pete Carrの初ソロ・アルバム『Not A Word On It』(1976年)にLenny LeBlancが参加し、Lenny LeBlancの初ソロ『Lenny LeBlanc』(1976年)をPete Carrがプロデュースしました。
こうした流れの中で組まれたデュオがLeblanc & Carrです。
本作『Midnight Light』(1977年)は"AORファンに人気の高い1枚"ということらしいですが、個人的にはAOR作品という印象はあまり受けませんね。
DoobiesやEaglesといった当時の人気ウエスト・コースト・ロックやブルー・アイド・ソウルのエッセンスを取り入れたメロウなサザン・ロックというのが僕の印象です。
リアルタイムで聴いてはいませんが、聴いた瞬間に懐かしさを感じる、(良い意味で)昔の洋楽の匂いがする作品です。
特別なことはしていなけど、安くて美味い大衆食堂のようなアルバムです。
気取らないメロウ作品を満喫しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Something About You」
オープニングはアルバムからの1stシングル。Four Topsのカヴァー(D-H-D作品)です。まるでウエスト・コースト・ロックのような開放的な爽快感がありますね。Doobiesが好きな人であれば気に入る仕上がりなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=hiZPg3PTRjs
「Falling」
本作のハイライト。アルバムからの2ndシングルであり、全米チャート第13位のヒットとなりました。哀愁メロウのバラードです。哀愁メロディと美しいコーラスにグッときます。Lenny LeBlanc/Eddie Struzick作。
http://www.youtube.com/watch?v=xFQU1AmVPtc
「How Does It Feel (To Be In Love)」
哀愁モードの中にもファンキーな味わいがあるブルーアイド・ソウル。個人的にはこういう曲多めでも良かった気がします。Pete Carr作。
http://www.youtube.com/watch?v=7CnuGLLm9fE
「Midnight Light」
タイトル曲はメロウ・スワンプ・カントリーな仕上がりです。ジワジワくる感じがいいですね。Lenny LeBlanc/Eddie Struzick作。
http://www.youtube.com/watch?v=33DY12LwHik
「Stronger Love」
マッスル・ショールズのミュージシャン仲間Robert Byrneの作品です。Leblancのヴォーカルの魅力を満喫できるブルーアイド・ソウル系のメロウ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=ZYS8JSlM6lc
「Johnny Too Bad」
ジャマイカのロック・ステディ/レゲエ・グループThe Slickersの名曲をカヴァー。この曲は当ブログでも紹介したJim Capaldi『Short Cut Draw Blood』(1975年)でカヴァーされており、そのセッションにPete Carrも参加していました。おそらくその影響もあるのでは?マッスル・ショールズ風に上手く調理したカヴァーだと思います。
「Desperado」
Eaglesの名曲カヴァー。オーソドックスですが、なかなか味わい深いナイス。カヴァーです。本家Eaglesの作品群をCD棚に15年近く放置したままの僕が言っても説得力がありませんが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=CR0zF3IKtWE
「Coming And Going」
Pete Carr作。「Desperado」の後からかもしれませんが、Eaglesの匂いがするロック・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=8sTMSvqATWA
「I Need To Know」
Lenny LeBlanc/Eddie Struzick作。カントリー調が苦手な僕ですが、メロウな味わいがあるので全く問題ありません。
「I Believe That We」
Pete Carr作。ラストは軽快な中にも哀愁が漂うロックン・ロールで締め括ります。
残念ながら本作のみでユニットは解散。二人は再び別の道を歩みました。Leblanc-Carr Band名義での『Live From The Atlantic Studios』というアルバムもありますが、Pete Carrが不参加の作品です。
Pete Carr『Not A Word On It』(1976年)
Pete Carr『Multiple Flash』(1978年)
Lenny LeBlanc『Breakthrough』(1981年)