2011年09月19日

D'Angelo『D'angelo』

謎のブラジリアン作品はソフト&グルーヴィー!☆D'Angelo『D'angelo』
D'Angelo
発表年:1971年
ez的ジャンル:ソフト&グルーヴィー系ブラジリアン
気分は... :あのR&Bのカリスマではありません。

今回はブラジルの謎のグループD'Angelo唯一のアルバム『D'angelo』(1971年)です。

D'Angeloと言っても、『Brown Sugar』『Voodoo』等でお馴染みのR&BのカリスマD'Angeloとは異なるアーティストですのでお間違いなく(笑)

今回紹介するブラジルのD'Angeloについては、正直全く情報がありません。
多分、ジャケに写っている9人組グループだと思いますが、ライナーノーツを読むとソロ・アーティストのような解釈もできる書き方になっています。

いずれにしても本作『D'angelo』(1971年)が唯一のアルバムのようです。

僕が保有するCDには"セルメン・クローンの決定盤"という謳い文句が添えられており、ジャケを見る限りでもセルメン・クローンというイメージですが、実際に聴いてみると異なる印象を受けました。

確かに、キュートな女性コーラス(厳密には混声コーラスですが)を配したソフトなブラジリアン・サウンドというではセルメン・フォロワーかもしれませんが、サイケでグルーヴィーなオルガン・サウンドが強調されており、そのあたりでセルメンとは少し方向が異なります。

全10曲中5曲がブラジリアン・ソウルの大物アーティストTim Maiaの1stアルバム『Tim Maia』(1970年)の収録曲で占められています。具体的には「Corone Antonio Bento」「Padre Cícero」「Cristina」「Primavera」「Azul da Cor do Mar」の5曲です。

それ以外にAntonio AdolfoIvan LinsJorge Benなどの作品を取り上げています。

B級感の漂うアルバムですが、サイケ&グルーヴィーなブラジリアン・サウンドの珍味として楽しめると思います(なんじゃ、そりゃ?)。

全曲紹介しときやす。

「Corone Antonio Bento」
Luis Wanderley/Joao do Vale作。オープニングはサイケ&グルーヴィーなバランソ・チューン。キンキーなビート感とお色気女性コーラスがいい感じです。

「Padre Cícero」
Tim Maia/Cassiano作。ソフト・サイケな仕上がりが印象的です。60年代後半のブラジリアン・サイケがお好きな人であればグッとくるのでは?

「Curto de Veu e Grinalda」
Moraes Moreira/Galvao作。本作のハイライトと言えば、このソフトロック調のバランソ・チューンになるのでは?オリジナルはOs Novos Baianosです。ここではキュートな女性ヴォーカルとグルーヴィーなオルガン・サウンドがサイコーです。

「BR-3」
Antonio Adolfo/Tiberio Gaspar作。ブラジルのソウル・キングToni Tornadoのヴァージョンでお馴染みの楽曲です。ここではインストで聴かせてくれます。少し切ない前半と開放的な後半のコントラストが印象的です。

「Agora」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro de Souza作。Ivan Lins作品のカヴァーです。ドラマチック&メロウなクロスオーヴァー・サウンドがグッド!

「Eu Tambem Quero Mocoto」
Jorge Ben作。僕の一番のお気に入り。Archie Bell & The Drells「Tighen Up」ライクなファンキー・リズムとハッピー・フィーリングなヴォーカルがグッド!

「Cristina」
Carlos Imperial/Tim Maia作。ピースフル・コーラスとファンキーなオルガン・サウンドにグッときます。

「Primavera」
Cassiano/Silvio Rochael作。メロウ・サウンドとビューティフルな女性コーラスが印象的なムーディー・チューン。

「Procurando Tu」
Antonio Barros/J. Luna作。どこか切ないオルガン・サウンドにグッとくる哀愁グルーヴ。

「Azul da Cor do Mar」
Tim Maia作。感動的な演奏が胸に迫ります。

全く関係ありませんが、R&BのカリスマD'Angeloの過去記事もどうぞ(笑)

D'Angelo『Brown Sugar』(1995年)
ブラウン・シュガー

D'Angelo『Live At The Jazz Cafe, London』(1996年)
LIVE

D'Angelo『Voodoo』(2000年)
Voodoo
posted by ez at 02:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック