発表年:1977年
ez的ジャンル:クリスタル系アーバン・ソウル
気分は... :☆ラブリー☆
年に何度かたまらなくBill Withersが聴きたくなる夜がある。
何故だか、彼の歌を聴いていると、気持ちが穏やかになり、人に優しくなれる気がする。
僕がBill Withersという人のソロ作品に辿り着くまでは結構長い道のりだったかも?
僕がBill Withersの歌をリアルタイムで初めて聴いたのは、Grover Washington Jr.の大ヒット曲「Just the Two of Us」(1980年)だった。オシャレなクリスタル・サウンドと共に、Billの大人のボーカルを聴きながら、まだガキだった僕は大人のアーバン・ナイトに憧れたものだった。
次にBillに出会ったのは、大好きなRalph MacDonaldの1984年のアルバム『Universal Rhythm』(未CD化)。名曲「In The Name Of Love」にBillのボーカルがフューチャーされていた。「In The Name Of Love」については以前にRoberta Flackのバージョンを紹介したことがあるけど、このBillのボーカル・バージョンもRobertaバージョンに負けず劣らず大好きだった。
大学生になり、R&B/ブラック・コンテンポラリーにのめりこむようになり、当時流行っていたClub Nouveau「Lean on Me」(1986年)のオリジナルがBill Withersであることを知った。なんか意外なカンジがしたなぁ。
そして90年代に入り、フリーソウルの虜になった僕は、そのムーブメントの中で、ついにゲスト・ボーカルではないBill Withers名義の作品を聴くことができた。「Just the Two of Us」を聴いてから苦節十数年、やっと出会えました。
僕の中でアーバン/メロウ・ソウル系のボーカリストのイメージが強いBill Withersだが、元々はニューソウル系のアーティストなんですね。
彼の代表作と言えば、ニューソウル時代の「Lean on Me」、「Use Me」を含む『Still Bill』(1972年)か、アーバン/メロウ・ソウル系の本作『Menagerie』(1977年)あたりだと思う。
ということで、みんな大好き「Lovely Day」収録の『Menagerie』をセレクト。
本作はBill本人に加え、「Risin' To The Top」でお馴染み本ブログでも紹介したKeni Burkeなどもプロデューサーとして名を連ね、Ray Parker, Jr.、Keni Burke、Ralph McDonald、Russell Kunkelらのミュージシャンが参加していマス。このメンバーを見ただけでも、アーバン/メロウのいい香りがしてきますよねぇ。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Lovely Day」
GAPのCMでもお馴染みの名曲。R&BチャートでもTop10に入るヒットを記録していマス。この和み系グルーヴはいつ聴いても、ほんとラブリー気分になれますねぇ。Billとソウル・ファンにはお馴染みのソングライターSkip Scarboroughの共作ナンバーっす。
Soul System「It's Gonna Be A Lovely Day」、Wade Elliott、Sybil、Kirk Franklin「Gonna Be A Lovely Day」といったカヴァーや、Biz Markie「Friends」 、Harlem World「Minute Man」、DJ Jazzy Jeff & the Fresh Prince「Lovely Daze」、TWDY feat Too Short「Player's Holiday」、Twista「Sunshine」などの元ネタになっています。個人的には、Soul Systemによるハウス・カヴァー「It's Gonna Be A Lovely Day」を昔よく聴いていたなぁ。
「I Want To Spend The Night」
BillとKeni Burkeの共作ナンバー。どうしても「Lovely Day」が注目の本作だけど、僕のイチオシはこの曲。このメロウネスこそ、僕の大好きなBill Withersの世界である。ホント、恋人と二人だけの世界に浸ることのできる名曲だと思いマス。
「Tender Things」
「I Want To Spend The Night」の続編のようなナンバー。勿論「I Want To Spend The Night」同様大のお気に入りデス。この2曲を続けて聴けば、メロウ好きの人は極楽モードに突入すること間違いナシ。
「Lovely Night For Dancing」
Leon Wareを思わせるステキなアレンジが印象的なナンバー。この曲もKeni Burkeとの共作デス。
「Then You Smile At Me」
ストリングスも入ったニューソウルの名残りを感じるナンバー。
「She Wants To (Get On Down) 」
Keni Burke色が強く出たファンク・チューン。Keniのベースがいいカンジ。
「Wintertime」
Earth,Wind & Fire風のミディアム・ファンク。
「Let Me Be The One You Need」
Skip Scarboroughとの共作によるロマンチック・バラード。アーバン・ナイトの雰囲気たっぷりのオススメ曲っす。
僕の持っているCDにはボーナストラックとして、Kanye West「Roses」の元ネタ曲「Rosie」が収録されていマス。Harlem World、Twistaといったプロデュース曲で「Lovely Day」を使ったり、KanyeってかなりのBill Withers好きだと思うね。