2011年10月19日

Luciana Souza『Duos II』

名ギタリストたちとのデュオ第2弾!グラミー・ノミネート作品☆Luciana Souza『Duos II』
Duos II
発表年:2005年
ez的ジャンル:ブラジリアン女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :秋の夜長にしっとりと・・・

今日は秋の夜長にピッタリな1枚。
しっとりとした大人のブラジリアン女性ジャズ・ヴォーカル作品Luciana Souza『Duos II』(2005年)です。

シンガー/ギタリスト/コンポーザーWalter Santosを父親に、詩人Tereza Souzaを母親に持つブラジル、サンパウロ生まれの女性ジャズ・シンガーLuciana Souzaの紹介は、『Tide』(2009年)、『The New Bossa Nova』(2007年)に続き3回目となります。

本作『Duos II』『Brazilian Duos』(2002年)に続く、ブラジル人ギタリストたちとのデュオ作品の第2弾アルバムです。また、本作は第48回(2005年度)グラミー賞でベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバムにノミネートされ、彼女の出世作となりました。

正直、『Brazilian Duos』『Duos II』のどちらを紹介するか迷いましたが、今の時期によりフィットする作品ということで『Duos II』をセレクトしました。

『Brazilian Duos』では、父親Walter Santosをはじめ、Romero LubamboMarco Pereiraといったギタリストと共演したLucianaでしたが、本作では前作からのRomero LubamboMarco Pereiraに加え、新たにSwami Jr.Guilherme Monteiroが参加しています。

ヴォーカル&ギターのみと聞いて、単調なアルバムを想像される方もいるかもしれませんが、コレがなかなか奥深いアルバムとなっています。音数が少ない分、一音、一声がダイレクトに伝わってくるのがいいですね。また、ブラジル音楽好きの人であれば、選曲にもニンマリするはずです。

大人の洗練されたジャズ・ヴォーカルとブラジル音楽の奥深さを楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Sai Dessa」
オープニングのパートナーはRomero Lubambo。Natan Marques/Ana Terra作の本曲は今は亡き女王Elis Reginaのレパートリーとして有名な曲ですね。Elisヴァージョンのファンキー・モダン・サンバの印象が強い曲ですが、ここでも軽快で小気味良い仕上がりになっています。ヴォーカル&ギターのみとは思えない躍動感が魅力です。

Elis Regina「Sai Dessa」
 http://www.youtube.com/watch?v=w3bcP79hyCw

「Nos Horizontes Do Mundo」
ギターはSwami Jr.。Paulinho da Viola作の美しい名曲を、Lucianaがサウダージ感たっぷりに歌い上げます。Swami Jr.の哀愁ギターも素晴らしいです。

「A Flor E O Espinho/Juizo Final」
ギターはSwami Jr.。「A Flor E O Espinho」(Nelson Cavaquinho/Guilherme de Brito/Alcides Caminha作)と「Juizo Final」(Nelson Cavaquinho /Elcio Soares作)というサンバの巨匠Nelson Cavaquinhoのメドレーです。憂いを帯びた大人の哀愁サンバをしっとり歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=G8Q9pcWwaD4

「Muita Bobeira」
ギターはRomero Lubambo。この曲はLucianaのオリジナル。Lubamboの巧みなギターに先導されて、Lucianaがジャズ・シンガーらしい小粋なスキャット&ヴォーカルで魅了してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=qeLucyur5nQ

「Modinha」
ギターはMarco Pereira。Tom Jobim/Vinicius de Moraes作。Jobim作の美しい名曲を情感たっぷりの哀愁ヴォーカルで聴かせてくれます。海辺で一人たたずむ光景にぴったりの曲。

「No Carnaval/Vento」
ギターはGuilherme Monteiro。Jota/Caetano Veloso作「No Carnaval」、Toninho Horta作「Vento」のメドレー。前者はToninho Hortaの1st『Terra Dos Passaros』(1979年)、後者は当ブログで紹介した『Toninho Horta』(1980年)に収録されています。ここでは秋の夜長にピッタリな大人の素敵なジャジー・チューンを満喫できます。

「Sambadalu(Para Luciana Souza)」
ギター&ソングライティングはMarco Pereira。Marco Pereiraの見事なギターに合わせて、Lubamboが巧みなスキャットを聴かせてくれます。

「Aparecida」
ギターはRomero Lubambo。Ivan Lins/Maurício Tapajos作。Ivan Linsのオリジナルは当ブログでも紹介した『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)に収録されています。オリジナルもサウダージ感たっぷりで大好きですが、本ヴァージョンも実に雰囲気があってグッときます。

「Trocando Em Miudos」
ギターはRomero Lubambo。Francis Hime/Chico Buarque作品。父親Walter Santosの影響で本曲をレコーディングしたようです。ミステリアスな音空間に引き込まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=8Fwr8Pls8dU

「Chorinho Pra Ele」
ギターはRomero Lubambo。Hermeto Pascoal作。リラックスした雰囲気の中で、Lucianaがエンジョイしながらスキャットしている感じがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=fKZbiEZn0JY

「Atras da Porta」
ギターはMarco Pereira。Francis Hime/Chico Buarque作品。この曲もElis Reginaヴァージョンでお馴染みですね。本ヴァージョンも味わい深い哀愁バラードに仕上がっています。

「Voce」
ギターはGuilherme Monteiro。ラストはWalter Santos/Tereza Souzaという両親が1960年に書いた作品。ミステリアスな雰囲気でひとひねりしているところがいいですね。

本作を気に入った方は『Brazilian Duos』 (2002年)もどうぞ!

『Brazilian Duos』(2002年)
Duos Brasileiros

Luciana Souzaの過去記事もご参照下さい!

『The New Bossa Nova』(2007年)
New Bossa Nova

『Tide』(2009年)
Tide
posted by ez at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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