発表年:2011年
ez的ジャンル:レジェンドDNA系女性R&B/Soul
気分は... :ジャケが感動的!
今回はLalah Hathawayの最新作『Where It All Begins』です。
Donny Hathawayの娘、Lalah Hathawayの紹介は、デビュー・アルバム『Lalah Hathaway』(1990年)に続き、2回目となります。
『Where It All Begins』は、前作『Self Portrait』(2008年)に続く、Stax移籍第2弾アルバムです。Stax移籍第1弾『Self Portrait』は、Lalah初の全米R&BアルバムTop10入りし、グラミーのBest Female R&B Vocal Performanceにもノミネートされました。
良質な作品をリリースしながらも商業的にはイマイチなLalahだったので、『Self Portrait』の成功は彼女に大きな自信をもたらしたのではないかと思います。
最新作『Where It All Begins』にも彼女の勢いを感じます。
Dre & Vidal、Mike City、JR Hutson(Leroy Hutsonの息子)、Jonathan "Jon Rych" Richmondというネオ・ソウル好きにはグッとくるプロデューサー陣が起用されています。それ以外にオールド・ファンには懐かしい大物Phil RamoneやLalah Hathaway自身もプロデュースを手掛けています。
今風R&B、大人のアーバン・ソウル、ジャジー&メロウ・チューンなど様々なタイプの楽曲が収録され、飽きのこない構成になっています。特に父Donny Hathawayのカヴァーは感動的です。
見づらいですが、ジャケのLalahのイラストのヘアー部分には父Donnyのアルバム・ジャケをアレンジしたものが配されています。Donnyファンは、このジャケを眺めているだけでジーンとくるのでは?
偉大な父と堂々と向き合えるLalahは、アーティストとして新たなステージに入ったのかもしれせんね。
全曲紹介しときやす。
「Strong Woman」
オープニングはDre & Vidalプロデュース。哀愁モードの今時R&Bに仕上がっています。オープニングにこのタイプのR&Bチューンを配したあたりに、本作への意気込みを感じます。
「Where It All Begins」
Lalah Hathaway/Ernest Greenプロデュース&ソングライティング。タイトル曲はLalahらしい大人のアーバン・ソウルに仕上がっています。昔からのLalahファンは安心して聴くことができる1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=QYc1CgGpHp4
「My Everything」
Jonathan "Jon Rych" Richmondプロデュース。この躍動するアップ・チューンを聴き、僕は本作の購入を決めました。僕の中ではAngie Stone作品のイメージが強いJonathan Richmondですが、ここでもいい仕事ぶりを見せています。
http://www.youtube.com/watch?v=PI9e8DjeS08
「Small of My Back」
JR Hutsonプロデュース&ソングライティング。JR HutsonはJill Scottの新作『The Light of the Sun』も手掛けており、最近目立っていますね。派手さはありませんが、落ち着きのある大人のアーバン・メロウに仕上がっています。聴けば聴くほど魅了されますね。
「If You Want To」
アルバムからの第1弾シングル。Jonathan "Jon Rych" Richmond/Lalah Hathawayプロデュース。勢いを感じるキャッチーな大人のR&Bチューンに仕上がっています。前作ではゲスト参加していたRahsaan Pattersonがソングライターの一人としてクレジットされています。当ブログでも紹介したRahsaan Pattersonの新作『Bleuphoria』にLalahが参加しており、そのお返しといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=B8yCyAiDubM
「Always Love You」
Mike Cityプロデュース&ソングライティング。切ない思いが伝わってくる素敵なラブソングに仕上がっています。さり気ないけど、こういう曲大好きです。
「Lie To Me」
Dre & Vidalプロデュース。哀愁モードの美しいR&Bバラードです。Lalahの素晴らしい歌唱力を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=vq5kdk93B3U
「This Could Be Love」
Lalah Hathaway/Ernest Green/Bobby Sparksプロデュース。落ち着いた雰囲気ですが、他の楽曲に比べると少し退屈かも・・・
http://www.youtube.com/watch?v=qKmCttyZ8no
「Wrong Way」
JR Hutsonプロデュース。爽快感のあるアコースティック・ソウル。アルバムのいいアクセントになっています。
「You Were Meant For Me」
父Donny Hathawayのシングル曲をカヴァー(William Peterkin作)。ある意味で本作のハイライトかもしれません。涙なしには聴けない素晴らしいカヴァーです。Lalahと共にPhil Ramoneがプロデューサーを務めています。父Donnyが本シングルをリリースした1978年に、Phil Ramoneがプロデュースした大ヒット・アルバムBilly Joel『52nd Street』がリリースされています。何か時代が一回りした感じがしますね。
「I'm Coming Back」
この曲もLalah Hathaway/Phil Ramoneプロデュース。当ブログでも紹介したデビュー作『Lalah Hathaway』収録曲の再レコーディングです(Gary Taylor作)。ジャズ・シンガーRachelle Ferrellをフィーチャーした、ジャジー&メロウなソウルに仕上がっています。ジャズ/フュージョン時代のLalahがお好きな人には嬉しい1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=QYc1CgGpHp4
「Dreamland」
Lalah Hathaway/Errol Cooneyプロデュース。ラストはドリーミーな小曲。なかなか味わい深いです。実際には本曲の後に隠れトラックが収録されています。
Lalahの他作品もチェックを!
『Lalah Hathaway』(1990年)
『A Moment』(1994年)
『The Song Lives On』(1999年)※Joe Sampleとのコラボ
『Outrun the Sky』(2004年)
『Self Portrait』(2008年)