2006年09月03日

The Rolling Stones『Sticky Fingers』

70年代Stonesの幕開けアルバム☆The Rolling Stones『Sticky Fingers』
Sticky Fingers
発表年:1971年
ez的ジャンル:Stones流南部ロック
気分は... :ジッパーを下げると...?

The Rolling Stonesは、『Black And Blue』(1976年)、『Beggars Banquet』(1968年)に続き3回目になりマス。

今回は、自らのレーベルRolling Stones Recordの第1弾アルバムであり、70年代Stonesの幕開けアルバム『Sticky Fingers』っす。

以前にも書いたけど、やっぱりStonesのピークは、『Beggars Banquet』(1968年)、『Let It Bleed』(1969年)、『Sticky Fingers』(1971年)、『Exile on Main St.』(1972年)の4枚だと思う。この4枚を聴かずしてStonesを語って欲しくないよね。

この4枚の中で個人的には前に紹介した『Beggars Banquet』がダントツで一番スキだけど、これからStonesを聴こうという人にとっては本作『Sticky Fingers』が、一番ストレートにStonesのカッチョ良さを感じることができる作品かもね?

『Beggars Banquet』から始まったStonesのアメリカ南部志向の1つの完成形がUK、USで共にNo1となった本作『Sticky Fingers』だと思う。新メンバーMick Taylorも、前作『Let It Bleed』では加入直後のレコーディングかつ数曲のみの参加で、まだゲストのような存在だったが、本作ではフル参加でかなりグループにも馴染んできていマス。

また本作はPOPアートの巨匠Andy Warholによるジッパー付きジャケット(ジッパーを下げると白ブリーフになっている)でも話題でしたね。このやや右寄りの下半身がリアルだよね(笑)

全曲紹介しときヤス。

「Brown Sugar」
アルバムからの1stシングルであり、全米チャート第1位にも輝いたStonesの代表曲の1つですね。最初のKeith Richardsのギターリフだけで完全KOの曲ですな。僕はこの曲のマラカスがたまらなく好きなんだよね。Bobby Keyesのサックスも盛り上げてくれマス。ちなみにBrown Sugarとは未精製のヘロインを意味するスラング。

「Sway」
南部らしいアーシーなナンバー。Mick Taylorのギターが聴きもの。Nikky Hopkinsのピアノも好サポート。

「Wild Horses」
アルバムからの2ndシングル。個人的には70年代以降のStones作品で最も好きなバラード。ホント胸に染みる名曲ですな。元ByrdsのGram Parsonsとの交流から生まれた曲であり、彼のグループThe Flying Burrito BrothersがStonesに先んじてシングルを発表している。Stonesバージョンの方が断然カッチョ良いけどねぇ。

「Can't You Hear Me Knocking」
ニューオリンズ風のブルージーな前半とSantanaを彷彿させるラテン風味になる後半とのコントラストが面白い曲。隠れたハイライト曲かもね。Mick Taylorのギターの活躍が目立ちマス。『Beggars Banquet』での大活躍が印象に残るRocky Dijon(conga)やStones作品初参加のBilly Preston(org)もサポート。

「You Gotta Move」
ミシシッピのブルースシンガーFred McDowellのカヴァー。この曲なんか聴いていると、改めてMick Jaggerの声質って南部ブルースとの相性がいいのが実感できる。Bill Wymanがエレピをプレイしていマス。

「Bitch」
「Brown Sugar」、「Wild Horses」級の超カッチョ良いアップ・テンポ・ナンバー。シングルにならなかったのが不思議なくらいパンチが効いているよね。全体の雰囲気はSrone流スタックス・サウンドといったところか。個人的超プッシュ曲っす。

「I Got The Blues」
Booker T. & The MG'sへのオマージュとして録音された実にソウルフルなナンバー。Mickのボーカルが素晴らしいですな。

「Sister Morphine」
Sister Morphineとは、Mickの元恋人Marianne Faithfullのこと。歌詞を書いたMarianneとクレジットをめぐってモメた。それを踏まえると、余計に痛々しく聴こえるね。Ry Cooder参加。

「Dead Flowers」
これもGram Parsonsの影響で作られたカントリー・ロック。個人的には、この手の曲はStonesではなく、Flying Burrito Brothersあたりに任せるべきだと思うね。

「Moonlight Mile」
元々「The Japanese Things」というタイトルだったらしい。そう言われると、どことなくミステリアスなオリエンタル・ムードが漂っているよね。

本作で自信を深めたStonesは次の2枚組大作『Exile on Main Street』(1972年)で、さらにStones流南部サウンドを熟成させていく。
posted by ez at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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