2006年09月04日

Lee Morgan『Candy』

天才トランペッターLee Morganが残した唯一のワン・ホーン作品☆Lee Morgan『Candy』
Candy
録音年:1958年
ez的ジャンル:キザ男系天才肌Jazz
気分は... :キザだけどカッチョええねぇ〜!

天才ジャズ・トランペッターLee Morgan(1938-1972年)の2回目の登場っす。

前回紹介した『Lee Morgan Vol.3』(1957年)と並び代表作の呼び声の高い『Candy』(1958年)っす。

前回の時も書いた通り、Miles Davisという別格の存在を除いて、僕の一番お気に入りのトランペッターがLee Morganだ。

彼の最も有名な作品と言えば、ジャズ・ロックの人気盤『The Sidewinder』(1963年)だが、Morganの首尾一貫してカッコ良いそのダンディズムを堪能するには、『Lee Morgan Vol.3』(1957年)、『City Lights』(1957年)、『The Cooker』(1957年)、『Candy』(1958年)、『Here's Lee Morgan』(1960年)あたりの作品がオススメっす。

特に、今回紹介する『Candy』は、数多くのMorganのリーダー作の中で、唯一のワン・ホーン・カルテット作品である。メンバーは、Lee Morgan (tp)、Sonny Clark(p)、Doug Watkins(b)、Art Taylor(ds)の4人。Sonny Clarkの参加がこの作品の魅力を高めていますね。

内容的には、スタンダードを中心に軽快で粋な演奏を聴かせてくれます。いい意味での軽さがこのアルバムの魅力かもね!

お馴染みのReid MilesデザインのジャケもMorganのキザ男のイメージとピッタリですよね。録音時のMorganはまだ19歳。ティーンにして、このダンディズムにはおそれいります。

全曲紹介しときヤス。

「Candy」
作詞Mack David、作曲Joan Whitney、Alex Kramerのスタンダード。オリジナルは多分Nat king Coleだと思いマス。Dinah Shore、Jo Staffordなどでヒットしました。Big Maybelleなどでも有名ですね。

Morganのカルテットは、このスタンダードを実に陽気で楽しく聴かせてくれマス。Sonny Clarkの軽やかなタッチの小粋なピアノに続き、Morganの勢いを感じるソロを堪能できマス。Doug Watkinsの太いベース、Art Taylorのブラッシュもいいカンジ。ホント、7分が実に短く感じる見事な1曲ですね。

「Since I Fell for You」
Bud Johnson作品のスタンダード。雰囲気たっぷりのバラードですが、Morganがダンディーに決まりすぎてマス。

「C.T.A.」
アップテンポのスピード感が気持ちいいナンバー。忙しないカンジが印象的ですな。

「All the Way」
Frank Sinatra主演の映画『The Joker Is Wild(抱擁)』の主題歌として有名なスタンダード。Sinatra自身のバージョンはアカデミー主題歌賞を受賞しまシタ。Billie Holidayなども取り上げていますよね。個人的にこの曲は、Bill Evans Trio『Waltz For Debby』の時にも紹介した笠井紀美子さんのバージョン(アルバム『My One and Only Love』収録)に一番愛着がありマス。

そんなスタンダードを実にロマンチックに聴かせてくれマス。実にリリカルなMorganのソロにうっとりですな。『Lee Morgan Vol.3』収録の名曲「I Remember Clifford」あたりとセットで聴きたい気分ですね。アルバム中一番のお気に入りっす。

「Who Do You Love, I Hope?」
Morganらしいヤンチャな若者らしいトランペットが堪能できるナンバー。こういったワルっぽいカンジもMorganの魅力ですよね。

「Personality」
Bing Crosby、Bob Hope、Dorothy Lamour共演の映画『Road To Utopia(アラスカ珍道中)』の中でDorothy Lamourが歌っていた挿入歌。Morganの余裕たっぷりなカンジが、小憎らしいくらいにカッチョ良いですな。

「All at Once You Love Her」
CD化に伴い追加されたボーナス・トラック。実にスリリングでエキサイティングが演奏を堪能できマス。

本作と『Lee Morgan Vol.3』をセットで聴けば、アナタもキザ男Lee Morganの虜になると思いますよ!

そのうち本作の魅力を一層高めてくれたSonny Clarkの作品も取り上げないとね。『Sonny Clark Trio』(1957年)、『Cool Struttin'』(1958年)あたりかな?
posted by ez at 00:51| Comment(4) | TrackBack(1) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブログを拝見しました。凄い情報量に圧倒されました。ところでteddy pendergrassの1983頃のロンドンライブという映像を探しているんですが何か入手方法はあるでしょうか?当時VHSであったんですが(日本未発売)買いそびれたので、どうしても手に入れたいのです。
79年のラスベガスのライブDVDは今年発売で手に入れたんですが・・・
Posted by 大竹 at 2006年09月04日 17:12
☆大竹さん

ありがとうございます。
Teddy Pendergrassいいですね。「When Somebody Loves You Back」、「Close The Door」とか好きです。

確かに1979年のライブはDVDで見つかりますが、ロンドンライブというのは見当らない感じですね。DVD化されていないのであれば、VHSを中古市場で探してみては?
Posted by ez at 2006年09月05日 01:08
ワンホーンなのに渋く行かず、カッコ付けまくるトコロがやっぱリー・モーガン。
最初は、ワンホーンと言うフォーマットが、リー・モーガンっぽくないと思って、あんまり好きじゃないアルバムだったんですが、よっく聴けば、やっぱり、ジャズ界の悪太郎は、素直に吹かずトコトン格好つけようとする。仰る通り「小僧」ですね。
最近は好んで聴くアルバムです。
Posted by bugalu at 2006年09月06日 00:19
☆bugaluさん

ありがとうございます。

> ジャズ界の悪太郎

イメージぴったりですね。僕の場合、bugaluさんのようにプレイヤーではないので、ジャズの本当の醍醐味部分に触れることができないのが、いつも悔しい限りです。
でも、そんな永遠のジャズ初心者の僕でも魅了されるカッチョ良さをこの悪太郎は持っていますね。
Posted by ez at 2006年09月06日 12:48
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