発表年:1968年
ez的ジャンル:魅惑のブラジリアン・ポップ
気分は... :心をポップ・モードに!
今回はSergio Mendes & Brasil '66の『Fool On The Hill』(1968年)です。
セルメンを聴いて心の中をポップ・モードにしたい気分っす!
これまで紹介してきたSergio Mendes作品は以下の6枚。
『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil '66』(1966年)
『Equinox』(1967年)
『Look Around』(1968年)
『Crystal Illusions』(1969年)
『Vintage 74』(1974年)
『Sergio Mendes & the New Brasil '77』(1977年)
『Fool On The Hill』は、第2期Brasil '66の幕開けとなるアルバムです。
本作からSergio Mendes(p、vo)、Lani Hall(vo)以外のメンバーを一新し、Karen Philipp(vo)、Sebastiao Neto(b)、Dom Um Romao(ds)、Rubens Bassini(per)の4名が新メンバーとして加わっています。メンバー全員がブラジル人ミュージシャンで固められているのが、第2期Brasil '66の特徴かもしれません。
さらに本作ではGracinha Leporace(vo)、Oscar Castro-Neves(g)がレコーディングに参加しています。Gracinha Leporaceは後にBossa Rioのメンバーとなり、さらにSergio Mendesと結婚することになります。
メンバー・チェンジをした効果があったのか、アルバムは全米チャート第3位となり、「Fool On The Hill」(全米チャート第6位)、「Scarborough Fair」(同第16位)といったヒット・シングルも生まれ、商業的に大成功を収めました。
第1期Brasil '66同様に魅惑のブラジリアン・ポップを満喫できますが、アレンジ・センスに磨きが掛かった印象を受けます。
本作で特徴的なのは、人気ブラジル人シンガー・ソングライターEdu Loboの作品を4曲も取り上げている点です。また、The Beatles、Simon & Garfunkelといった当時の有名アーティストの超有名曲をフレッシュなアレンジで聴けるのもポイント高いです。
プロデュース&アレンジはSergio Mendes、さらにDave Grusinがオーケストレーションを担当しています。
人気絶頂期のセルメンを満喫しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Fool on the Hill」
オススメその1。タイトル曲はお馴染みThe Beatlesの名曲カヴァー(Lennon-McCartney作)。小粋なアレンジでThe Beatlesのオリジナルとは異なる雰囲気の「Fool on the Hill」を聴かせてくれます。かなりの名カヴァーなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Cm9EwchY4ys
「Festa」
Dori Caymmi/Paulo Cesar Pinheiro作品にLani Hallが英詞をつけたもの。軽快パートとロマンティック・パートが繰り返されるドラマティックな仕上がり。
「Casa Forte」
オススメその2。Edu Loboの人気曲。当ブログではEdu Loboのオリジナル、Elis Reginaのカヴァーを紹介済みです。本曲と言えば、魅惑のスキャット・パートがお馴染みですが、本ヴァージョンでも存分に満喫できます。いつ聴いても名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=cE4xFov8HX0
「Canto Triste」
Edu Lobo/Vinícius de Moraes作品にLani Hallが英詞をつけたもの。ムーディーなストリングスをバックにした哀愁バラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=79hgeNAeQfY
「Upa, Neguinho」
Edu Lobo/Gianfrancesco Guarnieri作。クラブ世代からの支持も高い人気曲ですが、当ブログではEdu Lobo & Maria Bethaniaヴァージョンや、Elis Reginaの『Elis Especial』ヴァージョン、『Elis Regina in London』ヴァージョンを紹介です。セルメン・ヴァージョンではポップで親しみやすい「Upa, Neguinho」を楽しむことができます。
「Lapinha」
オススメその3。Baden Powell/Paulo Cesar Pinheiro作。Baden Powellによるサンバ・チューンをミステリアス&エレガントに聴かせてくれます。ここではGracinha Leporaceがヴォーカル、Oscar Castro-Nevesがギターで加わり、盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=hO0upi9pUAs
「Scarborough Fair」
オススメその4。Simon & Garfunkelでお馴染みの名曲。「Fool on the Hill」同様、抜群のアレンジ・センスで一味違った「Scarborough Fair」を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=WMcHP2mnZKw
「When Summer Turns To Snow」
Dave Grusin/Alan Bergman/Marilyn Bergman作。Mendes自身のヴォーカルも楽しめるバラード。しっとりと聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=V8ejZtZKjI0
「Laia Ladaia (Reza)」
オススメその5。Edu Lobo/Ruy Guerra作。ラストもEdu Lobo作品で締め括ってくれます。当ブログではLennie Dale & Sambalanco Trio、Tamba 4、The Carnivalのヴァージョンも紹介済みです。セルメンはBrasil '65時代も本曲をカヴァーしていますね。本ヴァージョンはエレガントな躍動感がグッとくる仕上がりです。
Sergio Mendes作品の過去記事もご参照下さい。
『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』(1966年)
『Equinox』(1967年)
『Look Around』(1968年)
『Crystal Illusions』(1969年)
『Vintage 74』(1974年)
『Sergio Mendes & the New Brasil '77』(1977年)