発表年:2002年
ez的ジャンル:ネオ・フィリー+クロスオーヴァー系男性R&B
気分は... :このセンスに脱帽です!
今回はR&Bからクラブジャズ/クラブ・ミュージックまで幅広い音楽性が魅力のアーティストVikter Duplaixの1stアルバム『International Affairs』(2002年)です。
Vikter Duplaixは、フィラデルフィア出身のシンガー・ソングライター/プロデューサー/DJ。
彼のキャリアはJazzy Jeffが設立したA Touch Of Jazzでのスタジオワークからスタートしました。そこで人気プロデューサー/ソングライターJames Poyserとも出会っています。
そうした中でプロデューサー/ソングライターといった裏方として、Erykah Badu、Musiq Soulchild、Jaguar Wright、Eric Benet等のネオ・フィリー/ネオ・ソウル作品を手掛けています。
また、Vikterは人気DJ/プロデューサーKing Brittと高校の同級生であり、彼を通じてDJ/クラブ・ミュージックへもアプローチしていきます。例えば、King Brittのコンピ作品やクロスオーヴァー・ジャズの人気ユニットJazzanova作品でヴォーカリストとしてフィーチャーされています。さらにはDJ-Kicksとしてリミックス・アルバム『DJ Kicks: Vikter Duplaix』(2002年)をリリースしています。
そんな幅広い音楽性を持つVikterの1stアルバムが『International Affairs』(2002年)です。
アルバムの大半はVikterとJames Poyserの共同プロデュースであり、そこだけに着目するとネオ・フィリー全開な作品をイメージしてしまうかもしれません。しかしながら、アルバム全体としてはR&Bとクロスオーヴァー/Nu Jazzが融合した作品という印象が強いですね。それを裏付けるように、数曲で4HeroのMarc Macがプロデューサーとして参加しています。
改めて聴き直すと、2002年の時点でネオ・フィリーとクロスオーヴァー/Nu Jazzを違和感なく融合させてしまうセンスに脱帽してしまいます。
なかなか有りそうで無いスタイルの1枚だと思います。
全曲紹介しときやす(Vl.0収録曲)。
「Departure」
Vikter Duplaix/James Poyserプロデュース。オープニングはアフリカン・リズムによる小曲。
「What We Want」
オススメその1。Vikter Duplaix/James Poyserプロデュース。前曲の流れを受けたリズミックなR&Bチューン。クールなR&Bサウンドとアフリカンなリズムの組み合わせは意外に格好良いです。
「Lust For Life」
オススメその2。Vikter Duplaix/Marc Mac(4Hero)プロデュース。フィリーから一気に西ロンドンへトリップしたクロスオーヴァー/Nu Jazzなダンス・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=G9DTSXndTJ0
「I Got You」
オススメその3。Vikter Duplaix/James Poyserプロデュース。大人のR&B好きにはイチオシの1曲。Vikterのセクシーな魅力を堪能できるアーバンなR&Bチューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=8AtXUyodplA
「Looking For Love (Critical Point 58th Street Mix)」
後述する「Looking For Love」のリミックス。オリジナルはVikter Duplaix/Marc Macプロデュースですが、本リミックスはVikter Duplaix本人とJames Poyserが手掛けています。DJ Kicksとしても活躍するVikterのリミックスのセンスを楽しみましょう。
「Morena」
オススメその4。Vikter Duplaix/James Poyserプロデュース。スパニッシュ・ヴォーカルも入ったラテン・テイストのクロスオーヴァー・チューン。パーカッシヴなのにクールな感じにグッときます。
オリジナル音源が見つからなかったのでリミックス音源を紹介しておきます。
「Morena (Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=CXUx2SjzhjI
「Yesterday's Pain」
Vikter Duplaix/James Poyserプロデュース。ロッキンなギターも聴くことができる哀愁ミッド・グルーヴ。アルバムの中でアクセントになっています。
「Can We Be Lovers」
オススメその5。Vikter Duplaixプロデュース。ネオ・フィリーにVikterらしいクロスオーヴァーなスパイスを効かせたセクシーR&Bチューン。今聴いてもセンス抜群ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=sI-n_qmPZUI
「Morning Fun」
オススメその6。なんとプロデュースはSoulquarians/Vikter Duplaix名義。ソングライティングには Vikter Duplaix、James Poyserに加え、The Rootsの?uestloveも加わっています。当時のネオ・フィリーらしい浮遊感のあるR&Bチューンに仕上がっています。
アルバム未収録ですが、本曲にはCommonのラップをフィーチャーしたヴァージョンもあります。
Vikter Duplaix feat. Common「Morning Fun」
http://www.youtube.com/watch?v=CX1ZkAfKOXU
「Tropical Girl」
オススメその7。Vikter Duplaix/James Poyserプロデュース。当ブログではお馴染みの新世代ブラジル人アーティストBebel Gilbertoの作品です。クラブ系リスナーからの支持が高いBebel Gilbertoの楽曲を取り上げること自体にVikterのセンスを感じますよね。クラブ系ブラジリアン・グルーヴがお好きな人は間違いなく気に入る1曲だと思います。個人的にも一番のお気に入りです。
「Desperately」
Vikter Duplaix/Anthony Bellプロデュース。Jill ScottやJazmine Sullivanでお馴染みのプロデューサーですね。幻想的なR&Bチューンに仕上がっています。バック・コーラスは元ZhaneのJean Norrisです。
http://www.youtube.com/watch?v=IAwQxVz1x2s
「Late Night Rendezvous」
Vikter Duplaix/James Poyserプロデュース。Nou-Raの女性ヴォーカルも加わり、セクシー・モード全開のエロR&Bチューン。
「Looking For Love (Original)」
オススメその8。Vikter Duplaix/Marc Macプロデュースによる「Looking For Love」のオリジナル。オリジナルは西ロンドンらしいクロスオーヴァーな疾走感が心地好いです。
http://www.youtube.com/watch?v=R2w_X4nwDtM
「Transition/Critical Point」
ラストはWadudをフィーチャーしたアウトロ。
僕が保有するCDは2002年にリリースされたVl.0ですが、2003年に収録曲を一部差し替えたV2.0もリリースされています。
V2.0では「Can We Be Lovers」、「Morning Fun」、「Transition/Critical Point」の3曲がカットされ、 「Fahmina Speaks」、「Wherever You Are」、「Come See Me」の3曲が代わりに収録されています。
ご購入する場合、ヴァージョンの違いにご注意下さい。
ご興味がある方は、他のVikter Duplaix作品もチェックを!
『Bold and Beautiful』(2006年) ※本作に続く2ndアルバム
『Bold and Beautiful』(2004年) ※シングル集
『DJ Kicks: Vikter Duplaix』(2002年) ※リミックス作品
意外にもロックなものとの相性がよいんですよね。DJする時にはプリンスもかけたって話が
あるのでそういう所にもルーツがあるんでしょうね。
P.S
今日Mark de Clive-Loweのニューアルバム買いました。手堅いなってところはありますが、国内版
なら2000円、Amazonでの輸入版なら1000円!で買えちゃえます。(国内版買っちゃいましたが)良かったですよ。
ありがとうございます。
Vikter Duplaixは、なかなかユニークなスタイルのアーティストですよね。この路線でコンスタントに作品をリリースして欲しかったのですが。
Mark de Clive-Loweの新作は僕も購入しようと思っていました。そうですか、良かったですか!購入意欲が刺激されます。