2011年11月13日

Maria Rita『Elo』

新世代MPBを代表する女性シンガー、待望の新作!☆Maria Rita『Elo』
maria rita elo.jpg
発表年:2011年
ez的ジャンル:新世代MPB
気分は... :エロくはありません(笑)

新世代MPBを代表する女性シンガーMaria Ritaの待望の新作『Elo』です。

これまで当ブログではMaria Ritaのオリジナル・アルバムを全て紹介済みです。

 『Maria Rita』(2003年)
 『Segundo』(2005年)
 『Samba Meu』(2007年)

MPBの女王であった故Elis Reginaの娘Maria Ritaは、僕にとって特別なアーティストです。

彼女の3rdアルバムである前作『Samba Meu』(2007年)は、ここ数年の僕のブラジル志向のきっかけとなるアルバムでした。この作品をきっかけに、ブラジルもの新作をこまめにチェックするようになり、母Elis Reginaのアルバムも集中的に聴くようになり・・・と新旧ブラジル作品に接する機会が急増しました。

前作『Samba Meu』ではルーツ・サンバへのアプローチを強めていましたが、4年ぶりの新作となる『Elo』は1st『Maria Rita』、2nd『Segundo』に近い印象を受けます。

Thiago Costa(p)、Sylvinho Mazzucca (b)、Cuca Teixeira(ds)というMaria Rita作品ではお馴染みのメンバーがバックを務めています。

愁いを帯びた陰影のあるヴォーカルが、シンプルな編成のバックと一体化し、Maria Ritaらしい音世界を届けてくれます。

一聴すると地味な印象を受けるかもしれませんが、聴き重ねるほどに味わいが増してくる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Conceicao dos Coqueiros」
Lula Queiroga/Lulu Oliveira/Alexandre Bicudo作。オープニングはLenineとの共作アルバム『Baque Solto』でも知られるLula Queirogaの作品。Lula Queirogaのオリジナルは『Azul Invisivel Vermelho Cruel』(2004年) に収録されています。ミステリアスな雰囲気はアルゼンチン系アーティストあたりと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=r1HE0j9LiFA

「Santana」
Junio Barreto/Joao Carlos Araujo作。Gal Costaもアルバム『Hoje』(2004年)で取り上げています。シンプルな編成ながらも、引き締まったヴォーカル&演奏になかなかグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=J2lgvoqLu7c

「Perfeitamente」
Fred Martins/Francisco Bosco作品。Fransisco Boscoはブラジル音楽の大物アーティストJoao Boscoの息子です。2nd『Segundo』でも、このコンビの作品「Sem Aviso」を取り上げていました。Thiago Costaの美しいピアノが、愁いを帯びたMariaのヴォーカルを引き立てます。
http://www.youtube.com/watch?v=Vag2KQ-xM6U

「Coracao a Batucar」
Davi Moraes作。Davi Moraesについては、Arto Lindsay作品の記事で何度か紹介しています。小粋なアレンジのサンバ・チューン。やはり、僕はこういうのが好きだなぁ。Thiago Costaのメロウ・エレピがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=Fflh96TS1ik

「Menino do Rio」
Caetano Veloso作品のカヴァー。オリジナルは『Cinema Transcendental』(1979年)に収録されています。また、当ブログではMariana Meleroのカヴァーも紹介済みです。ここでは抑えたヴォーカルとシンプルなアレンジで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=jH1ca5lf_xM

「Pra Matar meu Coracao」
Pedro Baby/Daniel Jobim作。Antonio Carlos Jobimの孫、Daniel Jobimの作品です。少し寂しげなMariaのヴォーカルとボッサ・サウンドがマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=2GCqMS8fZLA

「A Historia de Lily Braun」
Chico Buarque/Edu Lobo作。オリジナルは二人が手掛けた『O Grande Circo Mistico』(1983年)の中でGal Costaが歌っていました。オリジナルはジャズ色が強かったですが、ここではThiago Costaのピアノが様々な表情でMariaのヴォーカルをサポートしているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=GIDhNLglyfA

「Nem Um Dia」
Djavan作品のカヴァー。オリジナルは『Malasia』(1996年)に収録されています。メリハリのヴォーカル&演奏が冴える哀愁チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=95ivQfWP2VA

「A Outra」
Maria Ritaのアルバムでは定番のMarcelo Camelo作品。オリジナルは彼が率いていたリオ出身の人気ロックバンドLos Hermanosによるものです。雰囲気のある哀愁バラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=0AYSO5gqMAM

「So de Voce」
Rita Lee/Roberto de Carvalho作。母Elis Reginaとも親交の深かったブラジル・ロック界の女王Rita Leeの作品です。オリジナルはRoberto de Carvalhoとの共演作『Rita Lee E Roberto de Carvalho』(1982年)に収録されています。オリジナルの小粋な雰囲気を残しつつ、Mariaらしい少しレイジーな感じが加味されています。
http://www.youtube.com/watch?v=Yffu4BsJ93E

「Coracao em Desalinho」
Mauro Diniz/Ratinho作。ボーナス・トラック扱いの本曲はカヴァキーニョの名手Mauro Dinizの作品です。本編とは異なる雰囲気の軽快なサンバ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=wa4IvbVhv7k

Maria Ritaの過去記事もご参照下さい。

『Maria Rita』(2003年)
Maria Rita

『Segundo』(2005年)
Segundo

『Samba Meu』(2007年)
Samba Meu
posted by ez at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック