発表年:1965年
ez的ジャンル:Brian Jones主導のStones
気分は... :Trad Rock !
先週、WOWOWで日本を代表するスーパーギタリストCharの特別企画番組『TRADROCK』を観ました。
『TRADROCK』は、Charが自身のルーツに立ち返り、「ロック・スタンダードのカヴァーを通じてギターの素晴らしさを伝える」というシリーズであり、これまでEric Clapton編の『Eric』、Jeff Beck編の『Jeff』、The Beatles『The B』、The Ventures編の『The V』、Jimmy Page編の『Jimmy』、Jimi Hendrix編の『Jimi』、セルフカヴァー編の『Char By Char』がDVD/CDとしてリリースされています。
番組はTRADROCKシリーズをダイジェスト化したもので、途中にChar本人の解説もあり、かなり楽しめました。Charらしいこだわりとセンスと凄腕によるロック名曲カヴァーは、単純に格好良い!の一言でした。特にThe Venturesのカヴァーには感動しましたね。The Venturesってこんなにヒップだったんだ!
当ブログのエントリー状況を見てもおわかりのとおり、最近は殆どロックを聴かなくなった僕ですが、久々にロックの楽しさに触れた気がしました。また、カヴァー作品の意義を再認識する良き機会になりました。
ということで、久々にTrad RockなアルバムからThe Rolling Stones『The Rolling Stones, Now!』(1965年)です。
これまで本ブログで紹介してきたStones作品は以下の9枚です(発売年順)。
『December's Children (And Everybody's)』(1965年)
『Aftermath』(1966年)
『Between the Buttons』(1967年)
『Beggars Banquet』(1968年)
『Let It Bleed』(1969年)
『Sticky Fingers』(1971年)
『Exile on Main St.』(1972年)
『Black And Blue』(1976年)
『Emotional Rescue』(1980年)
今回紹介する『The Rolling Stones, Now!』(1965年)はUSにおける3rdアルバムです。
多くの方がご存知のように、初期StonesはUKとUSとで異なるアルバムをリリースしています。僕の場合、基本はUSリリース作品でコレクションし、『Aftermath』のみUK盤で持っています。
『The Rolling Stones, Now!』(1965年)は、初期Stones作品の中でも最も"Trad Rock"的な雰囲気を楽しめるアルバムだと思います。
USでの次作『Out of Our Heads』(1965年)には、「(I Can't Get No) Satisfaction」、「The Last Time」というJagger/Richards作による強力オリジナルが収録されており、バンド主導権がBrian JonesからMick Jagger/Keith Richardsに移っていくことになります。
Brian Jones主導のStonesとしての最後のアルバムが本作『The Rolling Stones, Now!』だったのかもしれませんね。その分、Brian Jonesのブルース、R&Bへの愛着を感じられるカヴァーが存在感を示しています。
僕の場合、昔はカヴァーが多いアルバムは好きではありませんでした。オリジナル楽曲で勝負するのが真のアーティスト!みたいな勝手な思い込みがあったのかもしれません。カヴァーが大半を占める本作も例外ではなく、Stonesを最も熱心に聴いた時期でもそれ程関心が高いアルバムではありませんでした。しかし、年齢を重ねるにつれ、そうした思い込みも薄れ、カヴァー曲も素直に受け入れられるようになりました。それに連動して本作に対する自分の評価も高まってきました。
レコーディングには、Mick Jagger、Keith Richards、Brian Jones、Charlie Watts、Bill Wymanというメンバー5人以外に、Jack Nitzsche、Ian Stewartが参加しています。
アルバムは全米アルバム・チャート第3位となっています。
"Trad Rock"的な雰囲気を楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「Everybody Needs Somebody To Love」
Solomon Burke/Bert Russell/Jerry Wexler作。オープニングはSolomon Burkeカヴァー。オリジナルLPでは誤ってデモ・テイクのショート・ヴァージョンが収録されていましたが、CD化の際にUKの2ndアルバム『The Rolling Stones No. 2』にも収録されているロング・ヴァージョンに差し替えています。いかにもStonesらしいビートにグッときます。初期Stonesの不良なR&B感を満喫できるカヴァーです。
http://www.youtube.com/watch?v=pBmOQvJCj88
「Down Home Girl」
Jerry Leiber/Arthur Butler作。ニューオリンズのR&BシンガーAlvin Robinsonのカヴァーです。今回聴き直して一番格好良いと思ったのが本曲。ブルージー&レイジー&ファンキーな雰囲気がたまりません。Brian Jonesのベースがなかなかいいですね。後の傑作アルバム『Exile on Main St.』(1972年)あたりを意識して聴くと、さらに楽しめるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Fp2q3yK8Lrs
「You Can't Catch Me」
Chuck Berryのカヴァー。Mickの吐き捨てるようなヴォーカルが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=wEGFTse_KwM
「Heart Of Stone」
Mick Jagger/Keith Richards作。アメリカでは64年12月にシングル・カットされましたが大したヒットにはなりませんでした。まぁ、確かにシングルにするにはシブすぎるソウル風バラードですが・・・内容的には素晴らしいと思います。Mickのヴォーカルの成長を実感できる1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=sk8LEtKfFhE
「What A Shame」
Mick Jagger/Keith Richards作。何の予備知識もなければ、Jagger/Richards作とはわからずカヴァー作品と勘違いする人が多いであろうブルース・チューン。Brianのスライド・ギターとIan Stewartのピアノがいい味出しています。
http://www.youtube.com/watch?v=7NorXcv2mMM
「Mona (I Need You Baby)」
Ellas McDaniel(Bo Diddley)作。このBo DiddleyのカヴァーはUKではデビュー・アルバム『The Rolling Stones』に収録されています。この曲を聴いていたら、「山本モナ妊娠!」の芸能記事が思い浮かんでしまいました(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=NGZcFVBCL98
「Down The Road Apiece」
Don Raye作のブギウギ。Stonesの本カヴァーはChuck Berryヴァージョンを意識したものです。当ブログではManfred Mannのカヴァーも紹介済みです(アルバム『Five Faces Of Manfred Mann』収録)。
http://www.youtube.com/watch?v=9tzKajOTf_Y
「Off The Hook」
Mick Jagger/Keith Richards作。若い頃に聴いた時には「何故こんな曲入れるんだろう」なんて思っていた曲ですが、今聴くと悪くない・・・不思議なものですね。
http://www.youtube.com/watch?v=YItltQ0snqA
(Mick Jagger/Keith Richards)
「Pain In My Heart」
Naomi Nevill作。Otis Reddingのカヴァー。作者のNaomi NevillはAllen Toussaintの変名です。Mickが自分なりの「Pain In My Heart」に仕上げているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=CcR9z7b6jL8
「Oh Baby (We Got A Good Thing Goin')」
Barbara Lynn Ozen作。テキサスの女性R&Bシンガー/ギタリストBarbara Lynnのカヴァー。このあたりは相当シブい選曲という気がします。でもStones(というよりBrian Jones)らしくていいのでは
http://www.youtube.com/watch?v=wEV6ejw9-9A
「Little Red Rooster」
Willie Dixon作。シカゴ・ブルースの大御所Howlin' Wolfのカヴァー。1964年にUKでシングル・カットされ、見事チャートNo.1に輝きました。Brianのスライドがいい雰囲気を醸し出しています。Brian Jonesファンには外せない演奏ですね。でも、この激シブ・カヴァーがチャートのトップになるというのが不思議ですね。当時のUK音楽シーンを象徴していると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=M91uWDUeYX0
「Surprise, Surprise」
Mick Jagger/Keith Richards作。スコットランド出身の女性ポップ・シンガーLuluに提供した楽曲です。Luluヴァージョンと聴き比べるのも楽しいですよ。
http://www.youtube.com/watch?v=MBcABtkBuU8
Lulu「Surprise, Surprise」
http://www.youtube.com/watch?v=IJo7KQzPzTc
サッカーW杯アジア3次予選では、日本代表がアウェーで北朝鮮に0対1で敗れました。
今回の敗戦に関して、批判的な意見の方も多いと思いますが、個人的には最終予選に向けた戒めとして、いいタイミングでの敗戦だったと思います。逆にザック・ジャパンの不敗神話が継続されたままで最終予選に入るのは危険だと思っていました。
試合内容も敗戦という結果が妥当に思えるものでしたし、チーム全体にいい意味での危機感を植え付けられたと思います。それにザックは勝利に固執せず、選手や戦術の見極めを重視していましたからね。今回の試合でバックアップ・メンバーの再構築を求められるポジションがいくつ浮き彫りになったと思うので、次回その課題に対してどのような人選・オプションを用意するのか楽しみにしています。
尚サムクックの歌うリトルレッドルースターよりストーンズの方が好きです。
ありがとうございます。
リアルタイムでシングル購入されているところが凄いですね。
とりあえずブルースやR&Bを愛好するというのが、当時のUKのイケてる若者のスタイルだったのでしょうね。
その意味では本作におけるBrianのセンスはかなりイケているのでは?