2011年11月19日

Jane Birkin『Lolita Go Home』

大人気フレンチ・ウィスパー・グルーヴ「Lolita Go Home」収録☆Jane Birkin『Lolita Go Home』
ロリータ・ゴー・ホーム
発表年:1975年
ez的ジャンル:ウィスパー・ヴォイス系フレンチ・ポップ
気分は... :Birkin、カヒミ・カリィ・・・

今回は女優・シンガーとして活躍するJane Birkinの3rdアルバム『Lolita Go Home』(1975年)です。

Jane Birkinは1946年、イギリス・ロンドン生まれ。

オーディション合格した映画『The Knack』(1965年)に出演し、同作はカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞しています。この映画はサントラも大人気ですが(当ブログでも近々紹介する予定)、 そのサントラを手掛けたJohn BarryとBirkinは結婚します。さらに全裸での出演で話題になった映画『Blow Up(邦題:欲望)』(1966年)もカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞しています。

1968年にJohn Barryと離婚したBirkinはフランスに渡ります。そこで出演した映画『Slogan』(1968年)で共演したSerge Gainsbourgと恋に落ち、公私にわたるパートナーとなります。1971年に二人の間に生まれたのが女優/歌手のCharlotte Gainsbourgです。この間、1969年に公開Alain Delon主演でお馴染みの映画『La Piscine(邦題:太陽が知っている)』にも出演しています。

酒乱・暴力などのトラブルが原因でGainsbourgのもとを去ったBirkinは、1981年に映画監督のJacques Doillonと結婚しています(1993年に離婚)。

Gainsbourgとの出会いがきっかけで女優のみならず歌手としても活躍するようになり、『Jane Birkin et Serge Gainsbourg』(1969年)、『Di Doo Dah』(1973年)、『Lolita Go Home』(1975年)、『Ex Fan Des Sixties』(1978年)、『Baby Alone In Babylone』(1983年)、『Lost Song』(1987年)、『Amours Des Feintes』(1990年)等のアルバムをリリースしています。
また、エルメス社の社長がBirkinに贈ったことで生まれた人気バック「バーキン」はあまりに有名ですね。

僕が初めてJane Birkinの映像を観たのは、中学生の時に観た『Death on the Nile(ナイル殺人事件)』(1978年)だったと思います。オールスター・キャストの映画の中でBirkinの役柄は華やかなに欠けていましたが・・・。でも、それ以前からBirkinの名前は何故かインプットされていた気がします。60年代の彼女の出演作について知るようになったのは社会人になってからですね。

歌手Jane Birkinについては、まず「Je T'aime,...Moi Non Plus」「Lolita Go Home」という人気の2曲が欲しかったため、最初にベスト盤を購入してしまいました。そのせいでオリジナル作品を長い間スルーしていました。

今日紹介する3rdアルバム『Lolita Go Home』(1975年)は、フリーソウル・クラシックとしても大人気のフレンチ・グルーヴ「Lolita Go Home」が収録されたオリジナル・アルバムです。

全11曲中7曲が当時のパートナーSerge Gainsbourgの作品です(うち6曲の作詞はPhilippe Labro)。やはり聴きどころはGainsbourgのセンスとBirkinのウィスパー・ヴォイスがマッチしたタイトル曲になりますが、それ以外の曲でもウィスパー・ヴォイス系フレンチ・ポップを満喫できます。

英語歌詞の曲もあるのですが、それらもフレンチ・ポップに聴こえてしまうところが不思議です。

Birkinがロンドン生まれであることを忘れてしまうフレンチ・ポップ作品です。

全曲紹介しときやす。

「Lolita Go Home」
オススメその1。タイトル曲は前述のようにフリーソウル・クラシックです。フリーソウルのコンピ『Free Soul Parade』に収録されています。マイアミ風グルーヴィー・サウンドとBirkinのウィスパー・ヴォーカルが見事にマッチしたフレンチ・グルーヴの最高峰だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=fHgeFnPTJJY

本曲と言えば、Kahimi Karie(カヒミ・カリィ)によるカヴァーも外せませんね。当時、"渋谷系"大好きだった僕も愛聴していました。
Kahimi Karie「Lolita Go Home」
 http://www.youtube.com/watch?v=NchTZwFnEz0

「What Is This Thing Called Love ?」
Cole Porterのカヴァー1曲目。1929年のレヴュー『Wake Up And Dream』挿入歌です。これまで当ブログではBill Evans TrioArt PepperAnita O'Dayのカヴァーを紹介済みです。英語曲をロンドン生まれのBirkinが歌っているのに、なぜかフレンチ・ポップに聴こえるから不思議です。
http://www.youtube.com/watch?v=N1ox7wFJX_8

「Bebe Song」
オススメその2。キュートなBirkinの歌声にメロメロです。聴いているだけで恋の魔法にかけられてしまいそうなラブリー・フレンチ・ポップ。
http://www.youtube.com/watch?v=WMwc5czISQs

「Where Or When」
オススメその3。1937年のミュージカル『Babes in Arms』のために書かれたLorenz Hart/Richard Rodgers作品。当ブログではClifford Brownのカヴァーを紹介済みです。ここではBirkinのヴォーカルは正直雰囲気オンリーですが、その魅力を上手く引き出している仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=43t4Fo4y3D8

「Si Ca Peut Te Consoler」
美しいアコースティック・チューン。何処か甘酸っぱい香りがするのがいいですね。

「Love For Sale」
オススメその4。Cole Porterのカヴァー2曲目。当ブログではJorge DaltoGene HarrisDexter GordonAnita O'DayLes McCannのカヴァーを紹介済みです。本ヴァージョンは「Lolita Go Home」と並ぶ本作のハイライトだと思います。哀愁ヴォーカルとメロウ・サウンドのコンビネーションが抜群な至極のフレンチ・ポップ(英語ですが)に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=bQqJoIW8KU4

「Just Me And You」
ミュージカルの1シーンのような雰囲気です。Birkinのヴォーカルがセリフ回しのように聴こえます。

「La Fille Aux Claquettes」
小粋なアレンジが印象的です。Birkinにはこのタイプの曲はあまり似合わない気がしますが・・・

「Rien Pour Rien」
哀愁フレンチ・ポップ。アンニュイな雰囲気がBirkinにマッチしていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=wUt2ResK-ZM

「French Graffiti」
Gainsbourgらしいヘロヘロ感がいい感じです。セリフ調のパートがラップのような効果があっていい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=KARhB-xcsik

「There's A Small Hotel」
オススメその5。Lorenz Hart/Richard Rodgers作品の2曲目。ロマンティックな雰囲気と小粋なアレンジにグッとくる幸福のポップ・チューンに仕上がっています。

Jane Birkinの他作品もチェックを!

『Jane Birkin et Serge Gainsbourg』(1969年)
JANE BIRKIN & SERGE GAINSBOURG(JE T'AIME MOI NON PLUS)

『Di Doo Dah』(1973年)
ディ・ドゥ・ダー

『Ex Fan Des Sixties』(1978年)
Ex Fan Des Sixties

『Baby Alone In Babylone』(1983年)
Baby Alone in Babylone

『Lost Song』(1987年)
Lost Songs

『Amours Des Feintes』(1990年)
いつわりの愛

また、ロリータ・ウィスパー・ヴォーカル好きの方は、ぜひKahimi Karie(カヒミ・カリィ)もチェックしてみて下さい。特に初期のMaxiシングルがオススメです。僕も記事を書きながら、CD棚から引っ張りだしてきて今回の主役Jane Birkin『Lolita Go Home』以上に繰り返し聴いています。

カヒミ・カリィ『Girly』(1994年)
Girly

「Candyman」(From 『Girly』)
 http://www.youtube.com/watch?v=F_ebYM5wGmo
「Lolita Go Home」(From 『Girly』)
 http://www.youtube.com/watch?v=NchTZwFnEz0
「Still Be Your Girl」(From 『Girly』)
 http://www.youtube.com/watch?v=rW-xe2AqW4w

カヒミ・カリィ『My First Karie』(1995年)
MY FIRST KARIE

「Elastic Girl」(From 『My First Karie』)
 http://www.youtube.com/watch?v=ug3SXDtYavI
「When You Close Your Eyes」(From 『My First Karie』)
 http://www.youtube.com/watch?v=0ry0XdVANSs

カヒミ・カリィ『I Am a Kitten』(1995年)
I am a kitten

「I Am a Kitten」(From 『I Am a Kitten』)
 http://www.youtube.com/watch?v=0Dbz4BpiPmU
「Vogue Bambini」(From 『I Am a Kitten』)
 http://www.youtube.com/watch?v=zt4ELeZZg0E
posted by ez at 02:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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