2011年11月21日

Todd Rundgren『Healing』

Todd屈指の名バラード「Compassion」収録!☆Todd Rundgren『Healing』
ヒーリング(トッドの音楽療法)(紙ジャケット仕様)
発表年:1981年
ez的ジャンル:世界を救う系偏屈ポップ
気分は... :癒し系アルバムではありません!

久々にTodd Rundgrenのソロ・アルバムの紹介です。
今回紹介するのは1981年にリリースされた『Healing』です。

これまで紹介してきたTodd関連作品(ソロ、Nazz、Utopia)は以下の8枚です(発表年順)。

 Nazz『Nazz』(1968年)
 Nazz『Nazz III』(1970年)
 『Runt:The Ballad Of Todd Rundgren』(1971年)
 『Something/Anything』(1972年)
 『Hermit Of Mink Hollow』(1977年)
 Utopia『Swing to the Right』(1982年)
 『The Ever Popular Tortured Artist Effect』(1983年)
 『Nearly Human』(1989年)

以前にも書いたことがありますが、未知のアーティストの作品に接する場合、"作品を聴く順番"が非常に大事だと思います。

その意味で今日紹介する『Healing』は、Todd入門編とは言い難いアルバムだと思います。私見ですが、『Something/Anything』『Runt:The Ballad Of Todd Rundgren』あたりの70年代作品を中心にToddのアルバムを4、5枚聴いた後に聴くと楽しめる作品だと思います。

『トッドの音楽療法』という邦題のせいもあって、所謂"ヒーリング・ミュージック"をテーマにした作品だと誤解されることも多いですね。本作における"ヒーリング"とは、(一般的な意味での)"癒し"ではなく、危機に瀕した世界を救うための"治療"という意味合いだと思います。

精神に問い掛けるメッセージが多く、神からの啓示を意識した歌詞も目立ちます。その意味では精神的・宗教的色彩の強いアルバムと言えるかもしれません。

プロデュース、ソングライティング、ヴォーカル&演奏、エンジニアリング全てをTodd一人でこなしたワンマン・レコーディングであり、サウンド的にはシンセ・サウンドや民族音楽を匂わせる音が印象的です。

このように書くと、少しとっつきにくいアルバムを連想される方もいるかもしれませんが、実際に聴いてみると意外に聴きやすいと思います。

特に屈指の名バラード「Compassion」は、Todd好きにはマストな1曲ですね。

なお、オリジナルでは「Time Heals」「Tiny Demons」はLP本体とは別のボーナス・シングルでしたが、再発時に本体と一緒に収録されるようになりました。

必ずしも華のあるアルバムではありませんが、Toddファンであれば楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Healer」
民族音楽風のコブシの利いたToddのヴォーカルと共にスタートするオープニング。本作のテーマである"世界の治癒"という壮大なテーマが歌われます。壮大なテーマとシンセ・サウンドが案外マッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=xVsPUIFKtJM

「Pulse」
新しい変化の波を"パルス"として歌ったものです。前半はまさにパルスのようなシンセ・サウンドが印象的です。後半にはマリンバ風の軽快な打楽器音がToddのヴォーカルと絡みます。
http://www.youtube.com/watch?v=MkbOq15vxT8

「Flesh」
精神に問い掛けるメッセージや壮大なシンセ・サウンドは多少仰々しい気もしますが、Toddらしいと言えばそうかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=_-u6tMfLC_c

「Golden Goose」
Toddのお決まり!意図してコミカルに外した仕上がりです。シンセ音がガチョウの鳴き声のように聴こえます。
http://www.youtube.com/watch?v=20cfbT0lktw

「Compassion」
本作のハイライト。Todd屈指の名バラード。個人的に青春時代の思い出が詰まった1曲でもあり、聴いているだけで目がウルウルしてきます。生きていくためには慈悲を感じないとね!
http://www.youtube.com/watch?v=8C8V5Ia-XOU

「Shine」
救世主を讃える宗教色の強い1曲。サウンド的にはTodd流シンセ・ポップ全開といった雰囲気のドラマティックな展開です。
http://www.youtube.com/watch?v=L5w97jIjmt0

ここまではオリジナルLPのA面です。
オリジナルLPのB面は三部構成のタイトル曲で占められていました。

「Healing, Part I」
Part Iでは、心の鼓動、心の声に耳を傾けよ!と説きます。そういったメッセージを抜きにしても、親しみやすいメロディと心地好いサウンドに魅了されます。
http://www.youtube.com/watch?v=ILeuZcTrYgI

「Healing, Part II」
Part IIでは、暗黒の過去が去り、新しい人生が始まったことを告げます。途中、ガムラン風のエスニック・サウンドも聴こえてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=ILhBmiXKb_w

「Healing, Part III」
Part IIIでは、再び心の声に耳を傾ける大切さを説き、"汝自身を知ることがすべてを知ること"と歌います。Part Iをさらに発展させたシンセ・サウンドがいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=xlG6_Ai2dKo

ここからの2曲は当初LP本体とは別にボーナスEPとして付けれていたものです。

「Time Heals」
シングル・カット曲。Todd節を満喫できるキャッチーな楽曲です。シンセのみならずToddのギターも満喫できます。有名絵画をモチーフにしたPVも秀逸ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Ih2Krw2f88M

「Tiny Demons」
ラストは少しダークな雰囲気が漂う哀愁モードのミッド・チューン。心の中に住む小さな悪魔たちが歌われます。
http://www.youtube.com/watch?v=ofkUjSm8HYw

Todd Rundgren関連作品の過去記事もご参照下さい。

『Runt:The Ballad Of Todd Rundgren』(1971年)
ラント:ザ・バラッド・オブ・トッド・ラングレン(紙ジャケット仕様)

『Something/Anything』(1972年)
Something/Anything

『Hermit Of Mink Hollow』(1977年)
ミンク・ホロウの世捨て人(紙ジャケット仕様)

『The Ever Popular Tortured Artist Effect』(1983年)
トッドのモダン・ポップ黄金狂時代(紙ジャケット仕様)

『Nearly Human』(1989年)
Nearly Human

Nazz『Nazz』(1968年)
The Nazz

Nazz『Nazz III』(1970年)
ナッズ・サード(紙ジャケット仕様)

Utopia『Swing to the Right』(1982年)
Swing to the Right
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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