発表年:2003年
ez的ジャンル:三世代ボッサ・デュエット
気分は... :結果オーライですが・・・
男子サッカーのロンドン五輪アジア最終予選「バーレーン対日本」は日本が敵地で2対0で勝利しました。
まぁ、結果オーライですが、相手のミスに助けられた危なっかしい試合でしたね。グランドが難しいコンディションであったことは事実ですが、まだまだ課題が山積だと思います。
フル代表との兼ね合いや怪我でベスト・メンバーを組めない状況ももどかしいですね。また、欧州組をフル活用できないのも残念ですね。指宿、宇佐美、宮市が合流したU-22を観てみたいものです。
今回の出場メンバーで言えば、MF扇原に期待しています。
ロンドン経由ブラジル行きの切符を目指して頑張って欲しいですね。
今回は人気ブラジル人女性シンガー・ソングライターJoyceの4回目の登場です。
これまで当ブログで紹介したJoyce作品は以下の3枚。
『Feminina』(1980年)
『Tardes Cariocas』(1983年)
『Hard Bossa』(1999年)
4枚目に紹介するのは、『Bossa Duets』(2003年)です。
本作はタイトルのとおり、全曲デュエットで占められたボッサ・アルバムであり、日本人ファン向けにJoyce自身が企画・プロデュースした作品です。
デュエット・パートナーとして選ばれたのは、年齢順にJohnny Alf、Joao Donato、Wanda Sa、Toninho Horta、Ana Martinsの5名。いずれもブラジル音楽ファンにはお馴染みの5名ですね。
Johnny Alf、Joao Donatoというブラジル音楽界の大物2人に、Joyceと同世代のWanda Sa、Toninho Horta、そしてJoyceの娘Ana Martins(Clara Morenoの妹)という3世代のミュージシャンをセレクトしたあたりが絶妙の人選ですね。
収録曲はJoyceやデュエット・パートナーでお馴染みの楽曲が殆どです。
ただし、単純なデュエット・カヴァーではなく、一部に有名曲の引用を挿入するなど一工夫しているのが聴いていて楽しい作品です。
公私のパートナーである夫のTutty Moreno(ds)、Joyceと共同でプロデューサーを務めるRodolfo Stroeter(b)、Teco Cardoso(ss、fl)らがバックを務めています。
祝日をのんびり過ごしたい気分にピッタリな1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Voce E Eu」
Toninho Hortaとの共演1曲目。Carlos Lyra/Vinicius de Moraes作の名曲カヴァーです。当ブログではNara Leao、Roberto Menescal、Paul Winter With Carlos Lyra、Adam Dunningのヴァージョンを紹介済みです。個人的に大好きな曲なので、それをこの二人のデュエットで聴けるのは嬉しいですね。美しいギターの音色と優しい歌声で心が浄化されます。後半にはAntonio Carlos Jobimの名曲「Aguas De Marco(三月の水)」を引用し、アクセントをつけています。
「Lugar Comum」
Joao Donatoとの共演1曲目。Donatoの楽曲にGilberto Gilが詞をつけたものです。Donatoのピアノ&ヴォーカルに、Joyceのギター&ヴォーカルが寄り添う感じがいいですね。
「Receita De Samba」
娘Ana Martinsとの共演。Joyce/Paulo Cesar Pinheiro作。息の合った母娘共演を楽しめます。さすが親子だけに声質も似ていますね。Teco Cardosoのフルートに導かれる軽快な演奏もグッド!
「Plexus」
Johnny Alfとの共演1曲目。Alfのインスト曲にJoyceが詞をつけたもの。Alfの歌う後半のパートは同じくAlf作の「Rapaz de Bem」からのものです。シブめの仕上がりがいい感じです。
「Yarabela」
Toninho Hortaとの共演2曲目。当ブログでは『Moonstone』(1989年)に収録されたToninho Horta自身のヴァージョンを紹介済みです。『Moonstone』ヴァージョンが大好きなので、この共演ヴァージョンにもグッときます。Teco Cardosoがサックス・ソロで盛り上げてくれます。軽快なサンバ・グルーヴは最高です!
「Crianca」
Wanda Saとの共演1曲目。Joyce作のオリジナルは当ブログで紹介した『Hard Bossa』(1999年)に収録されています。シンプルだった『Hard Bossa』ヴァージョンと比較すると、華やかな雰囲気ですね。
「London Samba」
Toninho Hortaとの共演3曲目。本曲もオリジナルは『Hard Bossa』(1999年)に収録されています。クラブ世代にも人気のブラジリアン・アコースティック・グルーヴですが、『Hard Bossa』ヴァージョンからにスケール・アップした印象の共演ヴァージョンに仕上がっています。
「O Sapo (The Frog)」
Joao Donatoとの共演2曲目。お馴染みDonatoの名曲「The Flog」です。当ブログでもJoao Donato自身のヴァージョンをはじめ、Sergio Mendes & Brasil '66、Joao Gilberto、Gal Costaのカヴァーを紹介済みです。Joyceカエルの鳴き声は爽やかです(笑)
「Fa Da Bahia」
Wanda Saとの共演2曲目。Joyce作。
Ary Barroso作「Na Baixa do Sapateiro」を引用したイントロでスタートします。軽快アコースティック・グルーヴが実に心地好いですね。
後半にはBaden Powell/Vinicius De Moraes作の名曲「Samba Da Bencao」の引用もあり、1曲で2度美味しい作りになっているのが心憎いですな。
「Ceu E Mar」
Johnny Alfとの共演2曲目。Alfの名曲を実にリラックスした雰囲気のデュエットで聴かせてくれます。
「E Vamos La」
ラストはJoao Donato、Ana Martinsとの共演。終盤には日本語も聴こえてくる本曲は、2001年の来日時にDonatoとJoyceの二人が楽屋で共作した曲なのだとか。落ち着いた雰囲気で締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=1piSBWiwitQ
Joyceの過去記事もご参照下さい。
『Feminina』(1980年)
『Tardes Cariocas』(1983年)
『Hard Bossa』(1999年)