発表年:1993年
ez的ジャンル:UKポップ/ダンス・ミュージック
気分は... :この不安定さが逆に魅力かも...
今回はUKポップ/ダンス・ミュージック・ユニットSaint Etienneの3回目の登場です。
『Good Humor』(1998年)、『Foxbase Alpha』(1991年)に続いて紹介するのは、2ndアルバム『So Tough』(1993年)です。
紅一点のヴォーカルSarah CracknellとBob Stanley、Pete Wiggsというポップ・オタク2人から成るロンドン出身の3人組Saint Etienneは、90年代前半のUKポップ/ダンス・ミュージック好きには外せないグループですね。
セカンド・サマー・オブ・ラヴ/アシッドハウス等のダンス・カルチャーを通過してきた彼らのポップ/ダンス・ミュージックは、日本の音楽好きの感性にマッチしていた気がします。特に"渋谷系"アーティストが好きだった人は、Saint Etienneあたりも好きだったのでは?
今回紹介する2ndアルバム『So Tough』(1993年)は、映画・ラジオ風のインタールードを多用し、アルバム全体の構成を練った1枚に仕上がっています。
改めて聴き直すと、いろいろ粗探しもできる内容です。一方で、キュートで切ないSarah嬢のヴォーカルも含めて危うく不安定な感じが、Saint Etienneの魅力なのかもしれないと思えてきました。
「Mario's Cafe」、「You're in a Bad Way」あたりは今聴いてもグッときます。
本作を購入する際にはUKとUSおよび日本盤は、ビミョーに内容が異なる(同じ曲のヴァージョン違い)のでご注意ください。
全曲紹介しときやす。※US盤
「Mario's Cafe」
オススメその1。90年代前半のUKダンス・カルチャーと(英語ですが)フレンチ・ポップが融合したようなオープニング。Sarah嬢の少し寂しげなキュート・ヴォーカルにグッときます。初めて聴いた時には、出だしのメロディはボッサ名曲「The Girl from Ipanema(イパネマの娘)」のカヴァーかと思いました(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=MzxZzFfFbX8
「Railway Jam」
スウィンギーなSEに続き、クールなダンス・ビートが刻まれるインスト・チューン。
「Date With Spelman」
インタールード。
「Calico」
オススメその2。トリップ・ホップあたりも意識したダビーな仕上がり。UKの女性ラッパーQ-Teeをフィーチャー。ダビーなサウンドとキュートなのにダークなQ-Teeのラップ、切ないSarahのコーラスが絡みドープな世界が展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=7pfLryQwXzc
「Avenue」
アルバムのリード・シングル。Sarahの寂しげなヴォーカルが印象的な哀愁ポップ・チューン。僕もアルバムを待ちきれず当時Maxiシングルを購入しました。今聴き直すと必ずしも僕のど真ん中ではないのですが、それだけSaint Etienneというグループに対する期待度が大きかったのかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=DIm8lp1R6-k
「You're in a Bad Way」
オススメその3。アルバムからの2ndシングル。昔も今も僕の一番のお気に入り。60年代ガールズ・ポップを90年代に復活させたかのようなキュートなポップ・チューン。僕が保有するUS盤にはシングル・ヴァージョンが収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=4szHXagmryo
「Memo to Pricey」
インタールード。
「Hobart Paving」
アルバムからの3rdシングル。Jigsawの1974年のヒット曲をカヴァーした「Who Do You Think You Are」との両A面でリリースされました。僕が保有するUS盤にはアメリカ音楽界の鬼才Van Dyke Parksがアレンジを担当したヴァージョンが収録されています。美しく感動的なポップ・バラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=SrKvw1Xx3UA
「Leafhound」
オススメその4。Saint Etienneらしいキュート&ポップなダンス・チューン。ポップなのにクールなところがSaint Etienneらしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-S82HIiEjrc
「Clock Milk」
インタールード。
「Conchita Martinez」
サウンド・コラージュのようなインスト・チューン。ロッキン・ギターの音色が印象的です。
「No Rainbows for Me」
タイトルからして悲しげ・・・。切なく消え入りそうなSarahのヴォーカルにグッときます。ダビーなサウンドもマッチしています。
「Here Come Clown Feet」
インタールード。
「Junk the Morgue」
ハウス調のな仕上がり。Saint Etienneらしからぬ仕上がりですが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=4QlRFpSylzM
「Chicken Soup」
アウトロ。
「Join Our Club」
オススメその6。US盤のボーナス・トラック。1992年にリリースされたシングルです。ハウス調のポップなダンス・チューン。Saint Etienneらしいポップ&クールなサウンドを満喫できます。
国内盤には「Join Our Club」に加え、「Archway People」も追加収録されています。
Saint Etienneの過去記事もご参照下さい。
『Foxbase Alpha』(1991年)
『Good Humor』(1998年)