発表年:1969年
ez的ジャンル:ソウルフル・ジャズ・ライブ
気分は... :どうする?
どうも気分が盛り上がらない・・・こんな時にどうする???
今回はジャズ・ピアニストLes McCannとジャズ・テナー・サックス奏者Eddie HarrisがMontreux Jazz Festivalで共演したライブ・アルバム『Swiss Movement』(1969年)です。
ニュー・ソウルの誕生にも大きく貢献したジャズ/ソウル・ピアニスト&ヴォーカリストLes McCannについては、以前に『Much Les』(1969年)を紹介しています。
もう一人の主役であるテナー・サックス奏者Eddie Harrisのアルバムは当ブログ初登場です。
Eddie Harrisは1934年シカゴ生まれ。
1961年に映画『Exodus(栄光への脱出)』のテーマ「Freedom Jazz Dance」を収録したアルバム『The In Sound』(1965年)をリリースしています。そして、ヒット曲「Listen Here」を含む『The Electrifying Eddie Harris』(1968年)あたりから電気サウンドやファンクを意識した作品をリリースするようになります。70年代以降も自由なアプローチでコンスタントにアルバムをリリースしていましたが1996年に死去。
僕の場合、Eddie Harrisと言えば、ダンス・クラシック「Freedom Jazz Dance」のイメージが強いですね。当ブログでもMiles Davis(アルバム『Miles Smiles』収録)、Woody Herman(アルバム『Giant Steps』収録)、Brian Auger's Oblivion Express(アルバム『Second Wind』収録)のヴァージョンを紹介済みの人気曲です。
Woody Herman「Freedom Jazz Dance」
http://www.youtube.com/watch?v=iBnJXT4bzG8
Brian Auger's Oblivion Express「Freedom Jazz Dance」
http://www.youtube.com/watch?v=e4r9Kl4e6YA
Miles Davis「Freedom Jazz Dance」
http://www.youtube.com/watch?v=yJ11cArknek
さて、今日紹介する『Swiss Movement』(1969年)は、ジャズとソウルの橋渡し的作品として重要なライブ・アルバムですね。
レコーディング・メンバーは、Les McCann(p、vo)、Eddie Harris(ts)、Benny Bailey(tp)、Leroy Vinnegar(b)、Donald Dean(ds)の5名。元々はClark Terryが参加する予定であったのが、急遽Benny Baileyへ交代し、ぶっつけ本番状態でのライブだった模様です。
本作と言えば、何と言ってもヒットしたMcCannのヴォーカル入りファンキー・ソウル・ジャズ「Compared to What」ですね。
Eugene Mcdaniels作の本曲は、Les McCannが見出したRoberta Flackのデビュー・アルバム『First Take』でも歌われています。また、昨年リリースされたJohn Legend & The Rootsによるニュー・ソウル・カヴァー集『Wake Up!』で本曲を聴いたソウル/R&Bファンも多いのでは?
その意味で『Wake Up!』を気に入った方は、ぜひチェックして欲しい1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Compared to What」
Eugene Mcdaniels作。前述のRoberta Flack、John Legend & The Rootsのカヴァーのイメージが強い曲ですが、本曲を有名にした本ヴァージョンはファンキーなヴォーカル入りソウル・ジャズです。ソウルフルなMcCannのハスキー・ヴォーカル&ピアノ・リフ、Eddie Harrisのファンキーなブロウがテンション上げてくれます。観客も相当盛り上がっているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=MzvlivbptXk
前述のRoberta Flack、John Legend & The Rootsのカヴァーと聴き比べるのも楽しいのでは?また、本曲はCypress Hill「Break It Up」のサンプリング・ソースにもなっています。
Roberta Flack「Compared to What」
http://www.youtube.com/watch?v=XG_RvYTfDk8
John Legend & The Roots「Compared to What」
http://www.youtube.com/watch?v=Ii-9toToBW8
「Cold Duck Time」
Eddie Harris作。小気味よいリズム隊をバックにEddie Harris、Benny Baileyの二管がソウルフルなソロで楽しませてくれます。本曲はCasual「You Flunked」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=_Ago8dP4fFA
「Kathleen's Theme」
Les McCann作。ジャズ・フェスティバルらしく、ちゃんとジャズらしい演奏も披露しています(笑)。Eddie Harrisのフリーキーな演奏が印象的です。McCannのピアノが
当ブログでも紹介したBlack Sheep「Autobiographical」でサンプリングされています。
「You Got It in Your Soulness」
Les McCann作。小粋に躍動するMcCannのピアノにグッとくるソウル・ジャズ・チューン。ライブで聴いていたら、自然に手拍子してしまいそうです。実にライブ向けの曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=9Fr_ENd1pCU
「The Generation Gap」
Les McCann作。タイトルが意味深ですね。
「You Got It in Your Soulness」同様、躍動するソウル・ジャズを満喫できます。
僕が保有するCDにはオリジナル5曲のみしか収録されていませんが、Leroy Vinnegar作の「Kaftan」が追加収録されている盤もあるようです。
Les McCannの他作品は『Much Les』のエントリーで挙げておいたので、ここではEddie Harrisの他作品を挙げておきます。
『Exodus to Jazz』(1961年)
『The In Sound』(1965年)
『Mean Greens』(1966年)
『The Tender Storm』(1967年)
『The Electrifying Eddie Harris』(1968年)
『Plug Me In』(1968年)
『Come on Down』(1970年)
『Free Speech』(1970年)
Les McCann & Eddie Harris『Second Movement』(1971年)
『Instant Death』(1972年)
このレコードの中で What's Going On の
レスのヴォーカルも渋いです。
ありがとうございます。
『Live at Montreux』は隠れ名盤のようですね。未聴ですが、機会があればじっくり聴いてみたいです。