2011年12月04日

Mary J. Blige『My Life II... The Journey Continues (Act 1)』

R&Bクイーン、人生第2幕のスタート!☆Mary J. Blige『My Life II... The Journey Continues (Act 1)』
My Life II...the Journey Continues (Act 1)
発表年:2011年
ez的ジャンル:R&Bクイーン
気分は... :続けることの難しさ・・・

今回はR&BクイーンMary J. Bligeの新作『My Life II... The Journey Continues (Act 1)』です。

これまで当ブログで紹介したMary J. Blige作品は以下の6枚。

 『What's The 411?』(1992年)
 『My Life』(1994年)
 『Mary』(1999年)
 『The Breakthrough』(2005年)
 『Growing Pains』(2007年)
 『Stronger with Each Tear』(2009年)

通算10枚目のスタジオ・アルバムとなる『My Life II... The Journey Continues (Act 1)』ですが、タイトルから1994年にリリースされた傑作2nd『My Life』の続編という位置づけのようです。

個人的には『My Life』の続編云々ということには興味がありません。特に原点回帰のアルバム云々という説明には???ですね。最近のアルバム・タイトルを見てもわかるとおり、MJBはいつでも自分ときちんと向き合ったアルバムを制作してきたと思います。人生第2幕のスタート!くらいの解釈でいいのでは?

『My Life』の続編と騒ぎ立てるより、R&Bクイーンとして約20年間に渡り、シーンのトップに君臨し続けるMJB作品の安定感を評価すべきでは?最高とまではいかなくても、合格点以上の作品をコンスタントにリリースするのは難しいものです。そういう意味ではMJBのアルバムに裏切られたことはありません。特に今年は裏切られた感のあるR&B新作が多かったので余計にMJBの偉大さを感じます。

正直、チャート・アクション的には苦戦している本作ですが、内容はR&Bクイーンに相応しい内容に仕上がっていると思います。

Jerry Wonda、Arden Altino、Rico Love、Pierre Medor、Danja、Darkchild、Eric Hudson、Jim Jonsin、Sean "The Pen" Garrett、Team S. Dot、BridgeTown、Tricky Stewart、Soundz、The Underdogs、Martin Terefe、StarGate、Calvin Harris、Kevin Randolphといった多彩なプロデューサー陣が起用され、2011年を生きるMJBの魅力を引き出しています。また、個人的には自分好みの楽曲が多い点が気に入りました。

特に何かを仕掛けたようなアルバムではありませんが、R&Bクイーンならではの力強さを感じる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
My Life第2章のイントロ。

「Feel Inside」
オススメその1。Nasをフィーチャー。僕好みのなかなかキャッチーな仕上がりです。Wu-Tang Clan「Triumph」ネタのトラックにNasのラップとMJBのヴォーカルがのっているという90年代好きには嬉しい展開の哀愁グルーヴです。本曲を聴いて今作も大丈夫だろうと確信しました。Jerry Wonda/Arden Altinoプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ID-x3YLdwTU

「Midnight Drive」
オススメその2。Brook Lynn名義でMJBのラップを満喫できます。もっとラップでガンガン押してくるのかと思いきや、結構メロディアスで90年代Hip-Hop Soulのヴァイヴを感じる1曲に仕上がっています。Rico Love/Pierre Medorプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=tGEdJKQs7JA

「Next Level」
オススメその3。Busta Rhymesをフィーチャー。エレクトリックなグルーヴ感がなかなか心地好いです。Bustaも過度に毒っ気を出さず上手にMJBをサポートしています。Danjaプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=VPzTrXKt6TU

「Ain't Nobody」
Darkchildプロデュース。Rufus & Chaka Khanのカヴァー(David "Hawk" Wolinski作)。この曲もエレクトリック・サウンドでハードに突き進んでいます。
http://www.youtube.com/watch?v=n7ExVvij0_c

「25/8」
オススメその4。Eric Hudson/Mary J. Bligeプロデュースによるアルバムからの先行シングル。ヒットはしませんでしたが、シーンの牽引者らしいストロングな1曲に仕上がっています。The O'Jays、Third World等でお馴染みのKenneth Gamble/Leon Huff作品「Now That We Found Love」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=hB71kp2aYTM&ob=av2e

「Don't Mind」
オススメその5。Jerry Wondaプロデュース。ソングライターの一人にPriscilla Reneaの名もあります。派手さはありませんが、僕好みのメロウ・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=DKh_4YRT3Rg

「No Condition」
Danjaプロデュース。シリアス・モードのミッド・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=1ogI--L0Ks0

「Mr. Wrong」
Drakeをフィーチャー。シングルにもなっています。Drakeを迎えた話題曲ということなのでしょうが、他にもシングル向けの曲はあるような気がします・・・。Billy Paulでお馴染みのKenneth Gamble/Leon Huff作品「Me and Mrs. Jones」ネタ。Jim Jonsin/Rico Loveプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=vVT06fyTIFE

「Why」
オススメその6。Rick Rossをフィーチャー。Eric Hudsonプロデュース。前曲の「Mr. Wrong」よりもコチラの方がシングル向けだと思います。MJBの切ないヴォーカルにグッとくる美メロ・チューン。Rick Rossの絡みもいい感じ!Eric Hudsonの手腕が光ります。
http://www.youtube.com/watch?v=E9jKv5ks8H4

「Love a Woman」
オススメその7。Beyonceとの共演で話題の1曲。Sean "The Pen" Garrett/Team S. Dot/BridgeTownプロデュース。楽曲自体が良いのでスーパー・ウーマン二人の共演が栄えます。Sean Garrettあたりの貢献が大きいのかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=XG0n1htPki0

「Empty Prayers」
Tricky Stewart/Soundzプロデュース。感動的なバラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=x5U2t2pdYbM

「Need Someone」
オススメその8。Christina Aguilera等への楽曲提供で知られるシンガー・ソングライターMatt Morrisの楽曲「Someone to Love You」のカヴァー。Matt自身のオリジナルはアルバム『When Everything Breaks Open』に収録されています。美しいアコースティック・バラードがアルバムに安らぎを与えてくれます。Martin Terefeプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=el9zksfK25A

Matt Morris「Someone To Love You」
 http://www.youtube.com/watch?v=IahQVg2uQh4

「The Living Proof」
オススメその9。本編の最後はThe Underdogsプロデュース。公民権運動下で白人女性たちに仕えた黒人メイドを描いたベストセラー小説を映画化した『The Help』のサントラ用に提供された楽曲です。小説や映画の内容を踏まえると、黒人女性シンガーの代表としてのMJBが歌うべき楽曲であり、その思いが聴き手にも強く伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=XwI4zsNteU8

ここまでで本編は終了です。ここからはボーナス・トラックですが、いくつかのエディションがあるようなのでご注意を!

僕が購入したCDは「You Want This」「This Love Is for You」「One Life」「Someone to Love Me (Naked)」の4曲が収録されています。

「You Want This」
オススメその10。Michael Jackson「Baby Be Mine」(Rod Temperton作)そのまんまな曲ですが、そこは気にせず聴きましょう(笑)。この躍動感漲る感じがグッド!ホーン・セクションの盛り上げも僕好み!
The Underdogs/Kevin Randolphプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=VJ8kJipCmsc

「This Love Is for You」
Tricky Stewartプロデュース。エレクトリック路線でグイグイ押していきます。

「One Life」
オススメその11。StarGate/Calvin Harrisプロデュース。本編で聴けなかったStarGateプロデュース曲を満喫できます。フューチャー感のあるエレクトリック・チューンがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=T9D2kyq2Yok

「Someone to Love Me (Naked)」
(僕の好みではありませんが)ボーナス・トラックのハイライト。Lil Wayne & Diddyをフィーチャーし、アルバムに先駆け今年の春にリリースされています。The Sweet Inspirations「You Roam When You Don’t Get It At Home」をサンプリングしたトラックが印象的です。アルバム本編とはテイストが異なるので、ボーナス・トラック扱いもわかる気がします。Jerry Wonda/Arden Altinプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=yOGTb9yDsR0

MJB作品の過去記事もご参照下さい。

『What's The 411?』(1992年)
What's the 411?

『My Life』(1994年)
My Life

『Mary』(1999年)
Mary

『The Breakthrough』(2005年)
The Breakthrough

『Growing Pains』(2007年)
Growing Pains

『Stronger with Each Tear』(2009年)
ストロンガー(初回生産限定特別価格)
posted by ez at 06:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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