2011年12月30日

The Quiet Nights Orchestra『Movin'』

北欧クラブジャズの最高峰!ますますソフィスティケイトされた2nd☆The Quiet Nights Orchestra『Movin'』
movin’
発表年:2011年
ez的ジャンル:北欧クラブジャズ
気分は... :今年最後に紹介する作品は...

今日のエントリーで年内は最後の作品紹介となります。
(明日は年末恒例の『ezが選ぶ2011年の10枚』です。)

今年最後に紹介するのは大トリに相応しい新作アルバムThe Quiet Nights Orchestra『Movin'』です。

スウェーデン、ストックホルムを拠点に活動するジャズコンボThe Quiet Nights Orchestra(The QNO)の紹介は、デビュー・アルバム『Chapter One』(2009年)に続き2回目となります。

The QNOがデビュー作『Chapter One』で聴かせてくれたエレガントかつソフィスティケイトなアコースティック・ジャズは、The Five Corners Quintetに対するスウェーデンからの回答として、多くのクラブジャズ・リスナーから高い支持を得ました。僕自身も『ezが選ぶ2009年の10枚』にセレクトしたほどのお気に入りアルバムでした。

その『Chapter One』から約2年半の歳月を経て、待望の2ndアルバム『Movin'』が届けられました。しかもCD2枚組全16曲という充実ぶりです。

本作でもリーダーPeter Fredriksson(tb)を中心に、Jonne Bentlov(tp、flh)、Magnus Dolerud(ts、bs、fl)、Philip Neterowicz(key)、Peder Waern(b)、Carl Ottosson(ds)、Jacob Johannesson(per)、Sofie Norling(vo)という8名のメンバーは不動です。特に本作では紅一点の女性ヴォーカルSofie Norlingの存在感が増しています。

また、日本でも大人気の"北欧のDeodato"ことRoman Andren(key、vo)をはじめ、Magnus Lindgren(fl)、Daniel Svensson(g)、Felix Martinz(vib)といったゲストが参加しています。Magnus LindgrenはQNOのリーダーPeter Fredrikssonと共にNicola Conte『Love & Revolution』にも参加していました。

肝心な『Movin'』の内容ですが、本作でもThe QNOらしいエレガントでソフィスティケイトされた北欧ジャズを満喫できます。前作以上にSofie Norlingのヴォーカルを前面に押し出すと同時に、サウンドの幅が広がっている印象を受けます。

北欧クラブジャズの最高峰と呼べる充実作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Movin'」
オススメその1。タイトルはダンサブルなスウィンギー・チューン。ハンド・クラップ入りの軽快なシャッフル・ビートが心地好いです。本曲を聴けば、本アルバムにおけるSofieのヴォーカルの存在感の大きさを実感できると思います。Jonne Bentlovのトランペット・ソロも盛り上がります。ゲスト参加のFelix Martinzのヴァイヴもいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Tt1znrpsk7g ※ライブ映像

「The Tryout」
ハード・バップなインスト・チューン。50〜60年代黒人ジャズへのリスペクトが感じられるファンキーな仕上がり。

「Dreaming」
Roman Andren参加。Sofieとデュエット・ヴォーカルを聴かせてくれます。エレガント・サウンドと哀愁メロディがノスタルジック・ムードを醸し出します。

「I Don't Think So」
オススメその2。Sofieのヴォーカルが冴える哀愁モードのワルツ・チューン。QNOのエレガントな魅力を満喫できます。

「He Is My Music」
ゲストのDaniel Svenssonがギターで参加した哀愁ボッサ・チューン。Sofieのヴォーカルを前面にプッシュした仕上がりです(ソングライティングもSofie)。Svenssonのギター・ソロもグッド!

「Ninth Color」
オススメその3。インスト・バラード。Sofieのヴォーカルを前面にプッシュした前曲「He Is My Music」とは対照的に、QNOのジャズ・コンボとしての素晴らしさを実感できます。

「Falling For You」
オススメその4。この曲もSofieがソングライティングを手掛けています。Sofieの切々としたヴォーカルと小粋なジャズ・フィーリングがグッド!

「El Completo」
オススメその5。北欧ジャズらしいモーダル感を満喫できるインスト。インスト曲ではこの曲が一番好きですね。

ここまでがDisc 1です。

「The Path」
オススメその6。Disc 2のオープニングを飾るのは、軽快なボッサ・リズムに合わせて微風のようなSofieのヴォーカルが爽快に疾走するドリーミー・ジャズ。QNOの抜群のサウンド・センスを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=06EDtzmwB7s ※ライブ映像

「One More Try」
オススメその7。ラテン・リズムが軽快に響くハード・バップ・チューン。Nicola ConteやSchema系の音が好きな人は気に入ると思います。

「When We Fly」
オススメその8。Roman Andrenがフェンダー・ローズ、Magnus Lindgrenがフルートで参加。Roman Andrenの影響からかフュージョン/クロスオーヴァーなクラブ向けの1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ye6-eV1bL38 ※ライブ映像

「Sundays」
オススメその9。この曲にもMagnus Lindgrenがフルートで参加。北欧ジャズらしくジャズとポップスがエレガントに融合されています。センス抜群のリズム・セクションがサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=zRsili69fvk ※ライブ映像

「Waves」
オススメその10。軽快なシャッフル感、爽やかなSofieのヴォーカルが明るく開放的なムードを醸し出す1曲。ここでもジャズとポップスを上手く融合させた抜群のアレンジ・センスを満喫できます。

「Rockys Corner」
オススメその11。ブーガルー調のラテン・ジャズ。ラテンのリズムをエレガントに操ってしまうあたりがQNOらしいのかもしれません。

「Sundays (Groovy Soul Remix)」
オススメその12。「Sundays」を日本人トラックメイカーDJ KGOがリミックス。このあたりは日本の発売元の意向なのでしょうね。まさにグルーヴィー・ソウルなリミックスです。

「Falling for you (Floor Potion Remix)」
オススメその13。「Falling For You」のDJ KGOによるリミックス。ボッサ・ハウスな仕上がりは全くQNOらしくありませんが、クラブ・ミュージック好きの人は楽しめると思います。

結局、Disc 2は全てオススメになってしまいました(笑)

未聴の方はデビュー作『Chapter One』(2009年)もぜひチェックを!

『Chapter One』(2009年)
チャプター・ワン

本当は年内にCommon『Dreamer the Believer』Marisa Mont『O Que Voce Quer Saber De Verdade』等の新作も紹介したかったのですが、それらは年明けにアップします。

明日は年末恒例の『ezが選ぶ2011年の10枚』です。
お楽しみに!
posted by ez at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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