発表年:1979年
ez的ジャンル:3兄弟ファンク
気分は... :今年最初の1枚は...
今年は個人的な事情や曜日の巡り合わせもあり、正月モードにどっぷり浸れません。
なんかモヤモヤした年明けになっています。
今年最初に紹介する作品はThe Gap Band『The Gap Band II』(1979年)です。
今年もジャンル・年代問わずという基本方針は変えずにセレクトしていきたいと思います。
毎年、年の最初に紹介する作品で悩むのですが、今年は深く考えずCD棚を眺めてしばらく聴いていなかった作品を何枚かピックアップし、その中から本作『The Gap Band II』を選びました。
Charlie、Ronnie、Robert、のWilson兄弟から成るファンク・グループThe Gap Bandの紹介は、『Gap Band IV』(1982年)、『The Gap Band III』(1980年)に続き3回目となります。
前回、『The Gap Band III』を紹介したのは2009年でしたが、その間にRobert Wilsonが2010年8月、心臓発作で帰らぬ人となってしまいました(享年53歳)。
今日紹介する『The Gap Band II』(1979年)はMercuryからの第2弾アルバムです。タイトルから2ndアルバムと誤解しそうですが、『Magicians Holiday』(1974年)、『The Gap Band』(1977年)、『The Gap Band』(1979年)に続く4thアルバムとなります。
本作は全米R&Bアルバム・チャート第3位となり、ゴールド・ディスクに輝いています。大成功を収める『The Gap Band III』、『Gap Band IV』の布石となる作品として位置づけられると思います。
プロデュースはThe Gap Band作品ではお馴染みのLonnie Simmonsが務めています。
レコーディングにはCharlie Wilson(vo、key、syn、per)、Ronnie Wilson(tp、key、vo)、Robert Wilson(b、vo)というメンバー以外に、Greg Phillinganes(key、syn、per)をはじめ、Emzie Parker III(g)、Glenn Nightingale(g)、James Macon(g)、John Black(key)、Louie Cabaza(key)、後にSunfireのメンバーとなるRaymond Calhoun(ds、per)、Ronnie Kaufman(ds)等のミュージシャンが参加しています。
また、バック・ヴォーカルには後にYarbrough & Peoplesとして「Don't Stop the Music」のヒットを放つCavin YarbroughとAlisa Peoples、80年代にKliqueのメンバーとして活動するHoward Huntsberry、80年代にGoodie名義でアルバムをリリースするRobert Whitfield等の名がクレジットされています。
『The Gap Band III』、『Gap Band IV』あたりを先に聴いていると、多少物足りない感じもするアルバムですが、ファンク・グループとしての立ち位置を確立しようとしている手探り感を楽しめる1枚のような気がします。
全曲紹介しときやす。
「Steppin' (Out)」
シングルにもなったオープニング。全米R&Bチャート第10位となりました。EW&F風の軽快なポップ感のあるダンス・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=9NXswtmExqw
「No Hiding Place」
美しいミディアム・スロウ。Charlieのリード・ヴォーカルに絡むバック・コーラスがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=_5lParjl2Wk
「I Don't Believe You Want to Get up and Dance (Oops!)」
本作のハイライト。シングルとして全米R&Bチャート第4位となりました。Charlie Wilson本人が認めているようにP-Funkからインスパイアされた1曲に仕上がっています。哀愁ラテン風味も加わったP-Funk+哀愁ラテンな雰囲気がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=qYD4P3NafyM
本曲はSnap!「Ooops Up」、DJ Quik「Mo' P****」、Snoop Dogg「Snoop's Upside Ya Head」、2nd II None「Didn't Mean To Turn You On」、Spice 1「Strap on the Side」、Romanthony「Bring U Up」等のサンプリング・ソースとしてもお馴染みですね、特にCharlie Wilson本人をフィーチャーしたSnoopの「Snoop's Upside Ya Head」は必須チェックの1曲ですね。
Snoop Dogg feat. Charlie Wilson「Snoop's Upside Ya Head」
http://www.youtube.com/watch?v=B2n_Tkwmt-8
2nd II None「Didn't Mean To Turn You On」
http://www.youtube.com/watch?v=NrG-SfJQbMQ
Spice 1「Strap on the Side」
http://www.youtube.com/watch?v=7TNXoH7EYWY
「Who Do You Call」
シングル曲以外では最もキャッチーな仕上がり。シンセ・サウンドが印象的なスペイシー・ディスコ・ファンクです。この曲はGreg Phillinganesの貢献が大きいのではと推察します。Robert Wilsonがリード・ヴォーカル。
「You Are My High」
しみじみ聴かせるスロウ・バラード。Charlieが切々と歌い上げます。2001年にDemon Vs Heartbreakerがハウス・カヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=eFZudY2trGE
Demon Vs Heartbreaker「You Are My High」
http://www.youtube.com/watch?v=Ru6OSd2tiMY
「Party Lights」
この曲もシングルになりました。パーティー・モードの軽快なファンク・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=dhwGmMs1m7U
「The Boys Are Back in Town」
ラストは感動バラードで締め括ってくれます。少し青臭い感じが逆にグッとくるかも?
http://www.youtube.com/watch?v=9yeiEw5uQx0
The Gap BandやCharlie Wilsonの過去記事もご参照下さい。
『The Gap Band III』(1980年)
『Gap Band IV』(1982年)
Charlie Wilson『Uncle Charlie』(2009年)
Charlie Wilson『Just Charlie』(2010年)