2006年09月28日

The Clash『Give 'Em Enough Rope』

ロンドン・パンクを代表するグループのカッチョ良い1枚☆The Clash『Give 'Em Enough Rope』
Give 'em Enough Rope
発表年:1978年
ez的ジャンル:硬派パンク・ロック
気分は... :パンクに殉ずる!

久々に硬派なレベル・ロックを!ということでClashをセレクト。

Clashは、1976年にロンドンで結成され、Sex Pistolsのツアーに同行し注目を集め、1977年にシングル「White Riot」でデビュー。その後、常にパンク・スピリットを持ったレベル・ロッカーとして戦い続けたロンドンのパンク・ムーブメントを代表するグループである。

僕はリアルタイムでClashの音楽に触れることが出来たのだが、何故かClashとの相性は悪かった。その最大の理由は、当時Jamファンを自称していた僕は、Clashを勝手にJamのライバルとして位置づけ、偏見を持って彼らの音楽に接していたためである。

僕がリアルタイムで最初に聴いたClashのアルバムは3rdアルバム『London Calling』(1979年)である。後にローリング・ストーン誌が80年代No.1アルバムに選んだほどの作品であったが、当時JamNo.1だった僕には、この名盤でさえ野暮ったい、抜けの悪いアルバムとしか思えなかった。

その後、4thアルバム『Sandinista!』は3枚組のボリュームの多さに聴く気にもならずスルーし、全米チャートでもヒットした5thアルバム『Combat Rock』は、キャッチーで聴きやすいアルバムであったが、パンクの魂をチャートに売り渡したと批判的に聴いていた。ラスト・アルバム『Cut the Crap』は聴く気にもならなかった。

ホント、偏見以外の何物でもない、よろしくない態度の僕でしたm(_ _)m

ということで、僕が偏見なくClashに接したのは社会人になり、CDで彼らの作品を聴くようになってからっす。

改めて、彼らの作品を聴いて思ったことは、少なくとも1st『The Clash』から5th『Combat Rock』までの5枚のアルバムは、どれも聴く価値のあるアルバムであるという点である。シンプルなロックンロールからスタートし、徐々にスカ、レゲエ、ダブ、ジャズ、ファンクなど多彩な音楽を取り入れていく過程は、当時思っていたよりも遥かに音楽性を追求していたバンドであったことに遅まきながら気付かされた。

そんな彼らの作品の中から、今回は2ndアルバム『Give 'Em Enough Rope』(1978年)をセレクト。Joe Strummer(vo、g)、Mick Jones(g、vo)、Paul Simonon(b)というオリジナル・メンバー3人にTopper Headon(ds)が加わり、『Combat Rock』までの不動のメンバーが揃ったアルバムである。

パンク・スピリットの勢いのみで制作された荒削りな1stアルバム『The Clash』に対して、もう少し音楽的に整理した作品が2nd『Give 'Em Enough Rope』っす。今聴いて、単純にカッチョ良いと思うのが本作である。

昔、あれだけJamのライバルとして偏見を持って聴いていたが、皮肉にも『Give 'Em Enough Rope』には初期Jamに通じるカッチョ良さがある。もし、最初に聴いたClash作品が本作であったならば、僕はリアルタイムでClashに熱狂していたかもしれない?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Safe European Home」
突き抜けるカッチョ良さ!このアルバム全体の雰囲気を象徴するようなナンバーだね。初期Jamの楽曲と続けて聴いても全然違和感がない!JamとClashに共通点を見出すなんて昔の僕には想像できなかったなぁ。

「English Civil War」
Clashらしいレベル・ロック。激しさを持ちつつも、キャッチーな音楽性も忘れていない。

「Tommy Gun」
Clashを代表する躍動感に満ちた名曲ですね。Joe Strummerの叫びを聴いていると、年甲斐もなく拳を突き上げたくなりますね。

「Julie's In The Drug Squad」
このあたりは少し音楽的な余裕が出てきたことをカンジさせるノーザン・ソウル調のナンバー。個人的には、もっとこのR&B路線を拡げていっても面白かったのではと思うのですが(そもそもそれがJamファン的発想なのかも?)。

「Guns On The Roof」
イントロ部分がどことなくWho「I Can't Explain」を思い出させるナンバー。

「Drug-stabbing Time」
これもClashらしい雰囲気十分のアゲアゲ・ナンバー。ゴキゲンなサックスも入っていてグッド☆

「All The Young Punks (New Boots And Contracts)」
「Tommy Gun」と並ぶ本作のハイライト。邦題は「すべての若きパンクスども」。Mott The Hoopleのヒットでお馴染みのDavid Bowie作品「All the Young Dudes(すべての若き野郎ども)」に対応したナンバー。まさにパンクス賛歌ですな。

別にパンクスでも、Clashファンでもなかった僕だが、2002年のJoe Strummerの死には非常に寂しいものを感じた。まさにパンクに殉ずる生き方の人だったよね。

と言いつつ、実はClash脱退後にMick Jonesが結成したBig Audio Dynamite(B.A.D)の作品が、Clash以上に好きだったりする。ホントはB.A.Dのアルバムも紹介したいんだけど、オリジナル・アルバムが廃盤状態なようなので残念な限りっす。
posted by ez at 00:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
パンク対モッズですか!
僕もジャムの方がずっと好きでしたが、クラッシュも嫌いじゃなかったんです。
でも、もう「トミーガン」は聞けないかな・・・笑
そういえば先日、パンクとスキンヘッズを仲間みたいに言っている人がいて隔世の感アリでした。
まあもうどっちでもいいのですが・・・笑
Posted by けん at 2006年09月28日 03:12
☆けんさん

ありがとうございます。
当時、日本ではClashの方が扱いが大きく、
クラスの音楽好きの間でもClashファンに押され気味だった記憶があります。
僕は長い間、食わず嫌いで初期Clashをきちんと聴いていなかったので、
案外今でも新鮮に聴けたりします。

> パンクとスキンヘッズを仲間みたいに言っている人がいて

今ではBilly Joelだってスキンヘッズですからね(笑)
Posted by ez at 2006年09月28日 04:19
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