2012年01月11日

Erykah Badu『Worldwide Underground』

"クラブミュージック"をテーマに制作された3rdアルバム☆Erykah Badu『Worldwide Underground』
Worldwide Underground
発表年:2003年
ez的ジャンル:進化形ネオ・ソウル
気分は... :Erykah様は立ち止まらない・・・

今回はネオ・ソウルの女王Erykah Baduのスタジオ・アルバム第3弾『Worldwide Underground』(2003年)です。

これまで当ブログで紹介したErykah Badu作品は以下の3枚(発売順)。

 『Mama's Gun』(2000年)
 『New Amerykah: Part One (4th World War)』(2008年)
 『New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh』(2010年)

本作は"クラブミュージック"をテーマに制作されたアルバムです。
アルバム・タイトルにも、そのあたりを意識したものになっています。

内容以前に、トップ・アーティストとして守りに入らず、自分の感性に従い攻めの姿勢でアルバム制作に取り組んでいる点が好きです。

僕の場合、ネオ・ソウルとクラブミュージックを融合させたアルバム言うと、以前に当ブログでも紹介したVikter Duplaix『International Affairs』(2002年)あたりをイメージしてしまいます(VikterもErykah様の作品にも裏方として関与していましたね)。それと比較すれば、本作はモロにクラブミュージックな楽曲が収録されている訳ではありません。あくまで基本はR&Bであり、そこにクラブミュージックのエッセンスを採り入れているといった仕上がりです。

その意味でタイトルほどにはアンダーグラウンドな内容にはなっていません。
R&BとHip-Hopとクロスオーヴァーがいい塩梅でバランスした作品になっているところが気に入っています。

制作に際してはErykah様、James PoyserRashad SmithR.C. Williamsによるプロデュース・ユニットFreakquencyが全面プロデュースしています。

また、Queen Latifah、Bahamadia、Angie Stone、Dead Prez、Roy Hargrove、Lenny KravitzCaron Wheeler、Zap Mama等がレコーディングに参加しています。

コンセプトとしてはアンダーグラウンドな印象を受ける作品ですが、アルバムは全米アルバム・チャート第3位、同R&Bアルバム・チャート第2位となり、商業的にも成功を収めました。

アーティストとしてのクリエイティビティ発揮と商業的成功を両立させてしまうところがErykah様の凄いところですね!

全曲紹介しときやす。

「Intro - World Keeps Turnin'」
アルバムのイントロ。

「Bump It」
ネオ・ソウル・ミーツ・クロスオーヴァーといった趣の夢想グルーヴ。ネオ・ソウルらしいメロウな浮遊感にスペイシーな味付けがなされています。Caron Wheeler、Zap Mamaという僕のお気に入り女性シンガー2名がバック・コーラスを務めています。
http://www.youtube.com/watch?v=TRsPNYFVODc

「Back In The Day (Puff)」
シングルにもなったミッド・グルーヴ。クロスオーヴァー・テイストのR&Bチューンです。James PoyserのエレピとDoc Gibbsのパーカッションが心地好く響きます。さらにLenny Kravitzがらしくない(?)ギター・プレイで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=w4bhKB1E6iY

「I Want You」
本作を象徴する10分超の"クラブミュージック"なクロスオーヴァー・チューン。呪文のようなErykah様のヴォーカルが印象的です。R&Bリスナーは戸惑うかもしれませんが、クロスオーヴァー好きの人には受け入れられる1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=y0ovBRwT49E

「Woo」
ジャジーHip-Hopなトラックにのって、Erykah様のヴォーカルが浮遊する1曲。夢の中で彷徨うような音世界が好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=7NcwfCXn0vY

「The Grind」
M1とStic ManによるN.Y.のHip-HopユニットDead Prezをフィーチャー(プロデュースにも参加)。ここでのErykah様は一歩引いてDead Prezのラップを前面に押し出しています。哀愁トラックが沁みてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=ncIA0rbbfnc

「Danger」
アルバムのリード・シングル。デンジャーな空気が漂うダークな浮遊感が印象的なR&Bチューン。隠し味程度にラテン・フレイヴァーがほんのり効いているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=ir76XCs-P_k

「Think Twice」
サンプリング・ソース定番としてもお馴染み、Donald Byrdの人気曲をカヴァー。ここではRoy Hargroveがトランペット&ヴォーカルで参加しています。オリジナルをもっとソウル仕立てにしたカヴァーです。疑似ライブ風の臨場感のある作りがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=PN-fR5Kd3iw

「Love Of My Life Worldwide」
Queen Latifah, Bahamadia & Angie Stoneをフィーチャー。この豪華な顔ぶれだけでも惹かれますが、内容も申し分ありません。Angie Stoneがかつて在籍していた女性ラップ・グループThe Sequenceによるオールド・スクール・クラシック「Funk You Up」を下敷きにした、姉御ビーム炸裂のファンキーR&Bに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=r018MvLKzuY

「Outro - World Keeps Turnin'」
アルバムのアウトロ。

「Love Of My Life (An Ode To Hip Hop)」
僕の持つCD(EU盤)のボーナス・トラック。映画『Brown Sugar』(2002年)のサントラ収録曲です。Commonをフィーチャーし、Raphael Saadiqがプロデューサーで参加した本曲はシングル・カットされ、全米チャート第9位、同R&Bチャート第1位のヒットとなりました。この頃はプライベートでもラブラブであった二人の共演は今聴くとさらに興味深いですね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=4b7kWf6nXkc

日本盤やUK盤には「Love Of My Life (An Ode To Hip Hop)」に加え、「Hollywood」もボーナス・トラックとして収録されています。

Erykah Badu作品の過去記事もご参照下さい。

『Mama's Gun』(2000年)
Mama's Gun

『New Amerykah: Part One (4th World War)』(2008年)
New Amerykah, Pt. 1: 4th World War

『New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh』(2010年)
New Amerykah Part Two: Return of the Ankh
posted by ez at 01:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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