2006年09月30日

Laura Nyro『Eli And The Thirteenth Confession』

エモーショナルでソウルフルな女性シンガーソングライターの傑作☆Laura Nyro『Eli And The Thirteenth Confession』
Eli & The 13th Confession (Exp)
発表年:1968年
ez的ジャンル:エモーショナル女性シンガーソングライター
気分は... :悔い改めマス(>o<)。。。

Laura Nyroの代表作『Eli And The Thirteenth Confession(イーライと13番目の懺悔)』

洋楽を聴き始めた頃、ロックの名盤紹介本でこの作品の存在を知った。
何より、このジャケットに釘付けになった記憶がある。
こんなに美しい人が、なんでこんなに悲しそうなんだろう?

ニューヨーク・ブロンクス出身のLaura Nyro(1947-1997年)は、Carole KingJoni Mitchellと並び称されるアメリカを代表する女性シンガーソングライターであった。ちなみに有名な女性ジャズ・シンガーHelen Merrillは彼女の叔母にあたる。

きっと、Laura Nyroの歌を聴いたことがない人にとって、このジャケと女性シンガーソングライターと聞くと、静かにやさしく語りかけるような歌をイメージしがちかもしれない。でも、それは大きな誤解だ。

Carole Kingのようなメロディ・メイカーではなく、Joni Mitchellのような多彩な音楽性を持っていたわけではない。でも、Laura Nyroの歌はエモーショナルである。そして、そのバックグラウンドには、Lauraが長く慣れ親しんできたR&Bやゴスペルといった黒人音楽がある。そうだ!Lauraの歌はスピリチュアルでエモーショナルなのだ。

Lauraの才能にいち早く気付いたのは、他でもないミュージシャン達である。大物ミュージシャン達がこぞってLauraの作品を取り上げたことで、彼女は一躍脚光を浴びることになったのだった。

主なところを挙げると、Barbra Streisand「Stoney End」、The Fifth Dimension「Wedding Bell Blues」、「Stoned Soul Picnic」、 「Sweet Blindness」、「Save the Country」、Blood, Sweat & Tears「And When I Die」、Three Dog Night「Eli's Coming」、Frank Sinatra「Emmie」、Frankie Valli「Emmie」、Labelle「Time And Love」などだ。

Lauraの代表作の誉れ高いのが本作『Eli And The Thirteenth Confession』(1968年)と次作『New York Tendaberry』(1969年)の2枚である。特に、本作『Eli And The Thirteenth Confession』は、The Fifth Dimension、Three Dog Nightによるカヴァーの大ヒットで、Lauraがブレイクするきっかけとなった作品である。

Bob Dylanなどのフォークと同時に、Nina SimonやMartha Reeves & The Vandellasなどの黒人音楽に傾倒していたというLauraのルーツがよく伝わってくるアルバムっす。結構、アレンジも1960年代という時代を考えると、かなりスタイリッシュでエキセントリックだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Luckie」
ジャズ、R&Bのテイストに溢れる実に洒落たオープニング・ナンバー。きっと、この1曲を聴けば、ジャケのイメージとは全然異なるアーティストであることが一発でわかるはずです。ニューヨークのシンガーソングライターらしく、大都会の街角での恋の風景が思い浮かんできます。

「Lu」
まさにMartha Reeves & The Vandellasあたりが歌っていそうなR&Bテイストのナンバー。ちなみに、Lauraは「Jimmy Mack」、「Dancing In The Street」といったMartha Reeves & The Vandellasの代表曲をカヴァーしていマス。

「Sweet Blindness」
Fifth Dimensionがカヴァーし、1968年にスマッシュ・ヒットを記録したナンバー。ホロ酔い気分のハッピーソングだよね。Sweet Blindness!いい言葉だね。楽しく酔うのが大好きな僕もよくSweet Blindnessになっていマス(;一一)

「Lonely Women」
孤独な女性の心情をエモーショナルに歌い切っています。♪寂しい女ほど、ブルースが判っている者はいない♪という歌詞が印象的です。

「Eli's Comin'」
Three Dog Nightがカヴァーし、1968年に全米チャートでトップ10ヒットを記録したナンバー。突き抜ける疾走感がサイコーのR&Bテイストのナンバー。ひたすらカッチョ良いです☆

「Timer」
中盤からのソウル・マナーのコーラスワークが見事な1曲。密かにお気に入りの1曲。こんな曲をライブで演ったら絶対盛り上がるだろうなぁ。

「Stoned Soul Picnic」
Fifth Dimensionがカヴァーし、1968年に全米チャート第3位となる大ヒットを記録したナンバー。 オレも安ウィスキー片手にぶっとびピクニックに出掛けた〜い!若い音楽ファンの方向けにはSwing Out Sisterもこの曲をカヴァーしていマス。

「Emmie」
Frank Sinatra、Frankie Valliがカヴァーしたバラード。アレンジが洒落ていマス。

「Once It Was Alright Now (Farmer Joe) 」
ファンキー&グルーヴィーなR&B調ナンバー。 Lauraの魅力爆発の1曲なんじゃないかなと思いマス。個人的には一番のお気に入りっす。

「December's Boudoir」
シンガーソングライターらしいバラード。それにしても激しいね。

「The Confession」
フォーキーなナンバーが少ない本作の中で一番フォーキーなカンジの曲だね。

本作の邦題は『イーライと13番目の懺悔』♪
日々懺悔したいことだらけのオレ(>o<)悔い改めマス...

Lauraは惜しくも卵巣がんのため1997年に49才の若さでこの世を去った。
彼女の死の直後、かつて一緒にツアーを回った元The Fifth Avenue BandのPeter Gallwayがプロデュースした『Time And Love:The Music Of Laura Nyro』というトリビュート・アルバムも発表されまシタ。
posted by ez at 00:28| Comment(4) | TrackBack(2) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このアルバムは最高デスね。
そもそもローラ・ニーロが最高ですからね。
次の『New York Tendaberry』も傑作ですけど、日常聴きには『Eli〜』の方が向いているンで、ワタクシ、このアルバムは四六時中聴いております。

それにしても、このアルバムのジャケは、内容を誤解させるジャケですね。全くもって同感です。(タイトルにある「懺悔」もそうですけど)
このジャケのイメージでローラ・ニーロを敬遠しているヒトが居たなら、ソリャ勿体ないですよね。(ワタシがそうでした)

(またしてもTBさせて頂きました。恐縮デス。)
Posted by bugalu at 2006年09月30日 09:21
☆bugaluさん

ありがとうございます。
bugaluさんがLaura Nyro好きと聞いて、何かとってもウレシイです♪
確かに、普段は『Eli〜』、特別な思いの時には『New York〜』って感じかもしれませんね。
滝川クリステルのような(?)のこの美貌ジャケ自体はとてもいいんですけどねぇ...
Posted by ez at 2006年10月01日 00:53
おはようございます。
TB有難うございます。
詳細な曲コメント、参考になります。
う〜ん、なんかコレもツボにはまりそうです。カバー集が異色作と思ったら、ひょっとしたら他の作品もR&Bを感じさせる、エモーショナルなものなのでしょうか?
Posted by 240 at 2007年10月01日 05:48
☆240さん

ありがとうございます。

勝手な推測ですが、SSWがお好きな240さんは『Gonna Take a Miracle』以上に、『Eli And The Thirteenth Confession』にハマるような気がします。ご推察のとおり、これだけエモーショナルなSSWのアルバムはなかなか無いと思いますね。

Carole King、Joni Mitchell、Laura Nyroという三者三様の個性と才能が女性SSWというジャンルを確立したのだと個人的には思っています。
Posted by ez at 2007年10月01日 23:53
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